第7話「街」

私は火魔法の初級の魔導書を読んでから寝た


この世界の魔法は大まかに初期、中級、上級で別れている


魔法を使っていくと使える魔法が増えるが手っ取り早く覚えるのは魔導書を読むのが早い


私は今後ご飯を作る時や汎用性が高い火から覚える


予定は火、氷、水、土、風の順番で覚える


リーさんには魔法には闇と光もあるって言われていたけどその二種類は初級しか置いてなかった

ほかの魔法は中級までの魔導書しか無かったがそれでもとんでもない量がある


これを読み切るのはかなりの時間がかかりそうだ


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次の日私はすぐに地図に書いてある武器屋に向かった

王族御用達だからかかなりの装飾が付いていた


ここではオーダーメイドができたり既製品を買うことができる


私は前世では革細工を趣味にしていたから魔物を倒した後の革で装飾などは作れると思うが刃物や鉄器は作れないので買うしかない

作ると言っても初めての形状のものを作るからちゃんとし完成品を作るにはかなり時間がかかりそう


私は使い慣れた短剣とそれより一回り小さい投げナイフを探すために店の中を歩いていると


「ここはお嬢ちゃんみたいな人が来る場所じゃねぇぞ?」


とドスの効いた声がカウンターから聞こえてくる

身長は座ってるかは分からないが顔は強面でしっかり髭を蓄えている


私は即座に腰から紋章が入ったナイフを店主に見せる

訝しむようにナイフを見ていると納得したように返してくれた


「まさかうちにこんなちっこい客が来る日が来るとはな

お嬢ちゃんさがしものは?」

「私でも使える短剣と投げナイフを探しに」


店主は豪快に笑いながらそういうとすぐに私が欲しい物を探しに行った


私も着いてこいって感じ見られたのついて行く


「嬢ちゃん手を見せてくれ」


私は言われた通りに掌を見せる

店主は私の手を揉みながらなにかに納得したように頷く


「嬢ちゃんが使いやすい短剣はここら辺かな」


私は見せられた短剣を持ったり振ったりして手に馴染むのもを探しているとふと思い出す


私はお金を少ししか貰っていないのだ

短剣やナイフを買うにはお金足りると思うがここで使いすぎるとご飯とか家具とかが買えなくなってしまう


それを見越したのか店主は


「お金は王様に直接請求するからよかったら全部持って行ってくれ!」


またも店主は豪快に笑いながらそういった

私はそう言われたら1本だけ持って帰るのもあれなので手にしっくりきた三本を持って帰る


1つは包丁のような形なので家で料理で使うおうと思う

普通に家具屋で買おうかと思ったがせっかく貰えるならいいものを使いたい


2つ目は短剣にしては少し大きめで振りやすいので普段使いで持ち歩こうと思っている


3つ目はリーさんの2つ目のナイフより少し小さいぐらいで隠し持ちやすいのでこれにした


短剣3つには店主に鞘と腰しもを通して貰った

腰の左側に使いやすい方のナイフを入れ反対側に紋章の入ったナイフ、背中に隠し持つための小さいナイフを入れる


包丁につかう予定のは収納魔法の中に入れる


前はナイフが1本入るかどうかだったが

今は小さい小物なら何個も入るぐらいの大きさにはなった


「ほぉ、収納魔法が使えて城からお金を出してもらえる、そしてその身長だと王女様の護衛って感じか?」


私は当てられてしまう

どう言い訳しようか迷っていると


「安心しろ、俺は情報を誰かに売ることはねぇよ」


また笑いながら言った


私は安心して次は投げナイフを探す


これも店主が私に抱えきれないほどの渡してくれようとしたがさすがに持てないので三本だけ収納魔法に入れて他は家まで送ってもらうことになった


今日武器だけで払ったお金はいくらになるのかは知らないが

王様が払ってくれるので気にせずに買う


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私は次に冒険者ギルドに向かった


冒険者ギルドにはさっきの店主のような人がたくさん居た

私はカウンターに向かい冒険者手続きを行う


何か紙が渡されたが私は置いてあった推薦状をカウンターに置く

受付の人が中を見たあと何か慌てた様子で出てきた


「奥にギルドマスターがおりますので着いてきてください」


私は言われた通りについて行く

階段を上がって2階の一室に入ると応接室のような場所に1人の男性が座っていた


私はその反対側のソファに座る


緊張して何も喋れないのでギルドマスターと思われる人の発言を待つ


「お前に冒険者として身分をやるが少し特例だ

俺と戦ってから考えてやる」


私は急にこの人と戦うことになった


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ギルドの裏に置いてある闘技場の場所に向かう


歩きながらルールを説明された


ギルドマスターがやめと言うまで戦い

私は何をしてもいいらしい

何をしてもいいということは魔法で戦ってもいいし短剣で戦ってもいい


倒せるなら倒してもいいらしいのだが私は倒せる気がしない


そんなことを考えているとすぐに着いてしまった


私は訓練用の木製の短剣で素振りをしてみる


「短剣かセンスはいいな」


短剣を持って闘技場に入るとギルドマスターはいつでもいいぞ?と言ってくれたので遠慮なく短剣で刺しに行くが簡単にいなされてしまう


即座に持っていた短剣を投げ学んだばかりの火魔法を当てるが軽々と短剣をキャッチし火魔法を避けられてしまう


「使える魔法はそれだけか?」

「はい…もうないです」


手に持っていた短剣もなく魔法も避けられてしまうのでは手も足も出ない


「それじぁ、いくぞ」


ギルマスは拳だけで私に攻撃してきた

魔力闘気がなくても当たれば傷ができるほど強い拳だ


私は拳を見てから避ける

まだ練習中の魔力闘気を使ってもギリギリ避けるぐらいだ


パンチは右、左、右と順番で避けている

単調なら交互に避けるだけなのだかに避けていくと足を引っ掛けられそのまま転んでしまった


「Eランクからだな」


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ギルドマスターと戦ったあとにギルドの説明をされた


ギルドランクはA B C E Dの順番でAの上にSランクがある


SランクだけでなくAランクにすら行ける人は少ない

大抵の人は行けてもBランクで終わってしまう


またギルドの適正依頼を何度も失敗してしまうとランクが落ちてしまう


私はギルマスからEランクと言われたのでDランクを飛ばしたことになる

ランクは格上の依頼に失敗して死なないようにしているのでしっかり守らないとギルドで仕事は出来なくなってしまう


私はギルマスからEランクの証明書をもらうこの証明書は銀行口座の代わりにもなっているらしく無くしたら大変なことになってしまう


受け取ったあと街で食べ物を買いに行った


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バックいっぱいにお肉と野菜、ちょっとずつ広くなっている収納魔法に料理道具を入れて帰ろうとしている時、露天商に止められてしまった


何も買う気は無かったのだが売っているものがなかなか私の好みに合っていたので色々見ていた


「お嬢さんうちの商品を見るとはなかなか目がいいね」


私はそんなことを聞きながら商品を選ぶ

この世界での値引きの練習もしてみたかったので欲しいのを4つほど選ぶ


2つは指輪で2つは首飾りは全て同じ銀貨2枚の金額で合計銀貨8枚、日本円で8000円だ


値引き交渉を始める、目標は銀貨6枚、銀貨2枚分の値引きが出来れば買おうと思っている


「店主、この4つ買うから銀貨4枚まで値引きしてくれない?」

「お嬢さんそりゃないぜ、いくらお嬢さんが可愛くてもそこまで安くは出来ないな

銀貨7枚にならできる」

「じゃあ銀貨5枚でお願い!」

「それも無理だ

お嬢さん俺も仕事なんだ、銀貨6枚と銅貨5枚にならしてやる」

「なら銀貨6枚でお願い!

それなら買うから」

「無理だ、しかしそこまで値引きしたいんなら銀貨6枚と銅貨5枚でこのマジックアイテムをセットにしてやる」


私はマジックアイテムを受け取って見てみる

このマジックアイテムは指輪型になっていて、指につけると効果を発揮するタイプだ

鑑定スキルはまだゲット出来ていないので目視で見るしかない


「そいつぁ、付けてると魔力の回復が少しだけ早くなるやつだ、残念ながら俺には魔法は使えないけど勿体なくてとっといたんだ

良かったらお嬢さんが使ってくれ」


銀貨6枚と銅貨5枚と目標金額には少しだけ届かなかったが、マジックアイテムが着いて来たので良しとして買う


「店主の人ありがとう

また買いに来るよ」

「買ってくれてありがとうなぁ

だけどお嬢さんが毎回来るとおらぁ赤字になっちまうよ」


店主はそんなことを笑いながら言ってくれた


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私は早速もらったマジックアイテムを付けてみる

魔力が回復してるかどうかは分からなかったがここは効果があると信じて付け続けようと思う


食材は収納魔法に入れる

収納魔法の中に入れたものは時間が過ぎないので食材を入れておく


私はまだ早めに食材を冷やせるように氷魔法を早く覚えれるようにしようと思った


今日はものを買うのとギルマスとの戦闘でクタクタだったが収納魔法の中の野菜を早く出したいので初級の氷魔法の魔導書を読んでから寝る


明日は学校初日なので引き締めて行きたい

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