第6話「護衛」

私とリーさんで助けた1団が襲撃を受けた2日後ぐらいにリーさんに担がれていた女性がボスに提案をしていた


その女の名前はメリッサといい15歳で身長は私より20cmほど大きい140cmほどある


ボスの部屋で私とリーさん、ボスとメリッサの4人だが喋っているのばボスとメリッサだけだ


私とリーさんは一応救ったので同室しているが私がいる意味は無い


話を聞いているとメリッサは東国の王様の娘であり、王都の学校での長期休暇で帰ろうとしたところを襲われたらしい


「私たちを救ってくれたことには感謝します

しかし私達には自衛手段もなければ馬などの足もありません、ですのであなたの盗賊団の人を少し借りたいのですが」

「いいぞ、だが条件がある、そこのシオリをお前の従者兼護衛として連れて行ってくれ」


私は関係ないためのんびりとりんごの味がするジュースを飲んでいたが思わずのどに詰まってしまった


「ゴホッゴホッ、え?私!?」

「あぁ、お前はもっと世界を見てこい」


私はこの盗賊団にしばらくいるつもりだったがこんなに早く街に行けるとは思ってもいなかった


「それにお前はかなり強くなった、今のお前ならこいつの護衛も任せられる」

「私なんか全然まだ森の中を覚えてないんですよ?」

「そこは安心してくれリーにも行ってもらう、お前はあっちでこいつの護衛としてしばらく働いてこい」


私は急遽街に行けることになった


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私が護衛することが決まったあとトントン拍子で事が進んだ


まるですぐにでも行かせたかったかのようだ

私としてはまだ残ってスキルや模擬戦をしたかったのだが

私は護衛として行く前日にボスに呼び出された


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「スキルを見せてみろ」


私はボスにそう言われスキルボードを見せる

個人情報なので知らない人には見せないのがこの世界の常識だがボスにはすぐに見せる


スキルの欄も私がこの世界に来てからかなり増えた


スキルは【聞き耳】【ナイフ投げ】【魔力闘気】【変装】【ピッキング】がある


称号は《転生者》〈人殺し〉の2つだけだ

街に入るのにこの人殺しの称号は物騒過ぎるかと思ったが街に入る時には専用の魔道具に手をかざすだけでいいらしいので安心した


「お前のスキルと経験はどこに行っても活躍出来る

胸を張って護衛の仕事をしてこい」

「はい!お世話になりました!

また戻ってきます」


これで終わると思ったがボスが指輪のようなものを持ってきた


「これは俺が毎回特注して作ってる魔道具だ

これを常に身につけておけ、なにかあった時にお守りになるはずだ」


私は早速ボスから受け取った指輪を中指に付ける

効果は何かは教えてくれなかったがボスがくれるということは大事な物だと思う


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指輪を受け取ってから2日後ついに東国に行くことになった東国までの道は整備されているのでボスが倉庫から持ってきた馬車で3日ぐらいで行けるらしい


出発の日の前日にスーツケースのような服などを入れる物を受け取ったので荷物整理が大変だった


スーツケースは私でも持てるような小ささだったがマジックバックと言う魔道具で見た目の数倍はものが入るらしい


マジックバックの上位互換としてあるのが収納魔法があるこれはリーさんが使えるため教えてもらおうとしたが結局タイミングを逃して教えて貰えなかった


今回の東国に行くまでのどこかで教えて貰えたら嬉しいが多分無理なので街で教えてくれる人を探そうと思う


街に着くまでに一波乱あると思ったが特に何もなく予定通り3日で街についた


門番に要求されて魔道具に手を乗せる、手を乗せた時少し衛兵が驚いたように見えたが少しすると安心した様子で通っていいと言われた

多分称号に驚いたと思う


街は中世のイギリスような街並みで所々に魔道かと思われるものがある


街灯なども魔道具だ


この世界では魔法が発達しているせいで化学などの日本では発達しているものが発達していない


街を色々見てみたかったがまずは護衛としての仕事を終わらせる


街の真ん中には大きい城があるこの城はメリッサの家でもあるので


私とリーさんは部外者なので別室に連れて行かれる


メリッサは少し待ってと一言だけ残して言ってしまった


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私は早速時間が出来たのでリーさんに収納魔法を教わる


「リーさん!私に収納魔法を教えてください」

「ああ、いいぞ」


リーさんとは私が死にかけた以降親しく接してくれる


「収納魔法は魔力量によって容量は変わるがとりあえず少しだけでもものが入ればいいほうだ

収納魔法に入れたものは時間の概念が消えるから食料などを入れるのがいいな

感覚としてその場に収納を出す感じでやってみろ」


私は目の前に箱を出す勢いで魔力を集める


幸い魔力闘気を纏えるようになっていた私は魔力を集めることぐらいはできるようになっていた


集中して5分ほどしたらなにか目の前にみえてきた


収納魔法は人からは見えないので私がさらに集中するしかない


集中を初めて時間感覚を忘れた時に箱の感覚が出来た


「出来た!リーさんなにかわかんないけど何か入ると思う」

「ついに感覚を覚えたか」

「どれぐらい時間かかった?」

「10分ぐらいだな」


私は自分が集中により時間感覚が遅れた事に驚いた


アイテムボックスにどれぐらい入るか調べているとメリッサの従者が私たちを呼びに来た


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さすがは城の中と言うだけか中は豪華な装飾に彩られていた


少し歩いていると大きな扉がみえてきた

扉には豪華な装飾が施されている


扉を開けるとメリッサの隣に玉座に座ってる人が居た


私は宮廷での作法や喋り方を知らないのでリーさんの真似をする

とりあえず膝まづいてリーさんを待つ


「表をあげよ」


王様が一言言う

少ししたらリーさんが立ち上がった


「さて、サプライの方々には大変世話になった

褒美をさずけよう」


王様がそういうと左右から布がかぶさった板を持ってくる2人が居た


2人は私たちの前に来て布を取った瞬間に板の裏に隠して見えていなかったナイフを持って私たちに向かって刺そうとしてくる


私はリーさんにぶつからないように左に避け私にナイフを誘うとした人に足をひっかけて転ばせる


リーさんは手馴れた手つきで即座に手首を掴みナイフを取り上げる


「失礼ですが王様、なぜ我々に刃を向ける必要が?」

「いくら娘が自分を救ったと言ってももしかしたら娘がお前らに脅されているかもしれないと思ったからだが、それほどの実力があれば娘をわざわざ脅さなくてもここに来るほどの力があることを認めよう」


リーさんは私でもわかるぐらい殺意を王様に向けていたが収まった


「そこのお前、シオリと言ったな

お前を我が娘メリッサの護衛として学校に行ってもらう」

「え!?」

「王様として命令だから断ることがないように」


私はこの仕事が終わったらいつものところに帰るつもりだったのだか王様の命令では否定しずらい


リーさんを見ると何やら収納魔法の中を探している

収納魔法の中も広いと探すのが大変そうだ


収納魔法の中から手紙のようなものが出てくる


なんの手紙かと思っているとリーさんが私に無言で渡してくる


私は気になり即座に開けて中を見る


中にはボスの筆跡で書いてあった


---

シオリお前は強いが世間を知らない

しばらく街で冒険者になるか学校に入って勉強してこい

---


と簡潔に書かれてあった


「え?リーさんは戻るんだよね?」

「あぁ、お前は街に残って頑張れ」


私はボスや仲間のところに戻れない気持ちが強くなってしまい思わず泣き出してしまった


---


私は手紙がしわくちゃになるまで泣いてしまった

ボスに捨てられたような気持ちになってしまったのだ


最初に通された場所にリーさんに抱っこしてもらいながら戻り


部屋でリーさんが慰めてくれた


「ボスはお前に旅をしてもらいたかったんだよ

決してお前を捨てたわけじゃない

旅が終わったらしっかり帰ってこいよ」


この言葉で私は学校に行くことを決めた

本音は帰りたかったがボスにそう言われて帰る顔もないのでここに残こり冒険者としてダンジョンに潜ったりして強くなってからまた帰ると決めた


もう一度長い廊下を歩き王様に報告に向かった


「王様ご子息メリッサ様の護衛をさせていただきます」


そうすると王様は満足そうな顔で話し始めた


「よかろう、お前には寝泊まりできる場所、身分の保証と学校への編入、ある程度様々なことに融通をきかせてやろう」

「では王様、私に装備と冒険者としての身分を頂きたいのですが…」

「装備は行きつけの場所を教えてやる、冒険者の身分は少し難しいが何とかしてやろう」


とりあえず生活に必要な物を手に入れられた


---


私の住む場所が見つかるまで城の一室で過ごすことになった


城にいる間はリーさんも一緒にいてくれたが家が2日ぐらいで私の新しい家が見つかるとリーさんサプライに帰ることになった


門の出口まで行き


「俺が帰っても元気にやれよ」

「はい、リーさんも頑張ってください」


お別れの挨拶は簡潔に終わったが私はリーさんが見えなくなるまで手を振って見送った


リーさんのお見送りが終わると私は新しい家のところに向かった


私一人だけが住むのだが二階建てのしっかりとした一軒家を貰ってしまった


1階にはリビングと勉強部屋があった

勉強と言っても本棚と椅子と机が置いてあるだけで本棚にびっしり魔導書が置いてある以外は普通だ


この家は普通にくれるらしいので私好みに改装してもらいいらしい


台所は魔法と薪で火を付ける

リビングの机の上にはこの国の地図と王族行きつけの装備屋の場所、袋いっぱいの金貨と冒険者ギルドへの推薦状が置いてあった


それと装飾が施されたナイフが置いてある

紋章が持ち手のところに付いてありこの紋章は王族の側近や特定の人しか持てないある程度の権力を示せるようだ


かなり私のことを信用してくれているらしく嬉しい気持ちになった


この世界のお金は少し変わっておりギルドに発行してもらえるカードの銀行から直接振り落とされるのと普通にお金を使う方法がある


この世界には白金貨、金貨、銀貨、銅貨の4つある

白金貨は1枚10万もする庶民は見る機会すらない、大抵は王族が献上したり、大商人などが使う


金貨は1枚1万円でこれもあまり使う機会がない

銀貨は1枚1000円で最も多く使われている

銅貨は1枚100円だ


二階には服などを入れるウォークインクローゼットと寝室、物置のような何も入ってない部屋だけだった


今日は疲れてどこにも行きたくなかったので魔導書を読んで寝ようと思う

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