　本連載では二週間に一回、最も挑戦的であった作品にベストチャレンジ賞を勝手に贈らせていただきます。

金賞：「ねむるときこえ」作者：吉野茉莉　（　https://kakuyomu.jp/works/16817330659248738018　）

・奇妙な同棲生活を描き、そこにアイデンティティの問題や愛情の壁を描いた本作。こうしたAIに人間を模倣させるタイプの作品の定石を取り扱いながら、捻りをきかせた結末。どこを切り取っても素晴らしい作品でした。

銀賞：「シュレディンガーの猫屋VS転売ヤー」作者：葦沢かもめ　（　https://kakuyomu.jp/works/16817139556068380048　）

・利益追求型の転売ヤーと飄々とした猫屋アルバイトの掛け合いが面白い！　シュレディンガーの猫を巡るコメディ（もう何を言っているのか自分でも分からない！）

銅賞：「幻生生物考」作者：ひらり　（　https://kakuyomu.jp/works/16817330665673918619　）

・世界に現れた幻の生き物を巡っての学術的な解説、注釈といった図鑑形式の作品。長編でたくさんの事例を読みたかったと筆者は思っていますが、短編でも十分にその魅力は光っています。

奨励賞：「われ、山にむかいて、目を挙ぐ」作者：吉野玄冬　（　https://kakuyomu.jp/works/16817330668808765316　）

・小説にはその作品でしか味わえないという質感があると、この作品を通じて強く思いました。聖書や芸術の言葉の構造のさきに確かに世界がきちんと成立している見事な点に賞を差し上げます！

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