第8話 シスコン現る

ヒカリには姉がいる。

名前は轟ヒビキ。

性格はおっとりで、研究にはことさらに熱心に取り組むのだが一つだけ問題があった。


それは,,,,,,


重度の、シスコンなのだ。


「ヒカリちゃん、この前言ってたヒカリちゃんのお姉ちゃんのことなんだけど!」

玲は机に突っ伏して寝ているヒカリに話しかけた。

「ん、ああ。お姉ちゃん、轟ヒビキね」

「そうそう!わたしも会ってみたいな~」

「いや~、どうかなぁお姉ちゃん働いてるし、忙しいんじゃないかな~」

小さな声でボソッと声をこぼした。

「それと、あまり会いたくないしな~」

「そうなんだ、ごめんね無理言って!」

「ううん、大丈夫だ,,,,」

そう言いかけたとき、理科室の扉がバンッ!と音を立てて開いた。

「ひーかーりー、お姉ちゃん会いたかったよー!」

唐突な展開に頭が追い付かない。

「え、なんでお姉ちゃんが学園にいるの!?」

「ヒカリちゃんのお姉さんなんですか!?はじまめして!星宮玲です」

礼儀正しく玲は挨拶をしたが、間違っている。

「,,,,はじめましてじゃない?」

「そうだった、また間違えちゃった」

「ご丁寧にありがと~、ヒカリの友達?」

「はい!そうです!」

「で、なんでお姉ちゃんがここにいるの!?」

「それはね~、学園に無理行って見学に来ちゃった」

(どういうこと?)

「何で来たの?」

「そりゃあもちろん可愛いヒカリに会うためでしょ!」

そう言って、ヒビキはヒカリの頭を撫で始めた。

「はあ、こうなるから会いたくなかったんだよね」

言ってる間にもヒビキは撫で続けている。

「二人ともとっても仲がいいんですね!」

ちょっと、ズレてるかも。

暫く経つと、また扉が開いた。

「ヒカリちゃん、来たよー」

そういえば、くじら先輩を呼んでいたのを忘れていた。

「あ、この子がこの前言ってた人魚の子?」

「うん。あ、先輩このシスコンは私のお姉ちゃんです」

「そうなんだ、初めまして!ってシスコン!?」

「ひどいなー、お姉ちゃんのことシスコンなんて呼ばないでよー」

事実だから、仕方ない。

「ねえねえ、お姉ちゃんも実験させてよ」

「い、嫌な予感が,,,,」

「そうだね!そうしよう!」

「マッドサイエンティストが二人もいるよー!柊雨くん助けてくれ,,,,」

しかし、助けは来なかった。


一方そのころ魚人のファイさんは、夕食のメニューを決めていた。

「今日は揚げ物かな、いや刺身でもいいかも」

狂気の実験が行われていることを彼はまだ、知らない。


続く。





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