第7話 怪物
時刻は午後4時半を回ったところ、放課後の学園には蠢く怪物の姿があった。
「なにこれ!めっちゃ怖いんだけど!」
由香里がそう叫ぶ。
「ひい、ひい、も、もう疲れてヒレ、じゃなくて足が動かないよ〜!」
由香里とくじらの2人は怪物に追いかけられていた。
「ウガアアア!!!」
怪物の走るスピードはさらに増し、もうダメかと思ったその時、怪物は凍ってしまい動きを止めた。
「え!?なに!?なにが起きたの!?」
由香里は慌てふためいている。
廊下の上を見ると、排気口からガタガタと音がしていることに気づいた。
「よいしょっと!大丈夫ですか先輩?」
排気口からはヒカリが出てきた。
「まさか、ヒカリちゃんの仕業?」
くじらが問いかける。
「そうですよ、いやー危なかったですねー」
ヒカリの手には銃が握られていた。
「その銃は?」
「これですか?瞬間冷凍丸っていう銃ですよー」
(ヒカリちゃん、発明はすごいけどネーミングセンスは無いんだ、、)
「いやーまさか人魚のDNAがこんな働きをするとは思わなかったです」
「え、人魚のDNAってことはつまり..」
嫌な予感がする。
「先輩のDNAですよ。」
やっぱり。
「まあ人魚じゃなくてどっちかっていうと魚人になっちゃったんですけど」
言われてみると体は鱗で覆われていて、顔も凶悪な顔をしている。
(怖くて見る暇なかったよ)
「あ、そろそろ銃の効果切れちゃいますね」
「ええ!?じゃ、じゃあもう一回凍らせてよ!」
由香里がまた怯え始めた。
「それがこの銃一回撃つともう一回実験室でチャージしないといけないんですよね」
「それじゃあまさか、、」
「為す術なしですね」
ミシミシと音を立てて魚人の氷が砕け始めた。
くじら・由香里「「もうダメだー!」」
次の瞬間、バキンという音と共に魚人を覆っていた氷は完全に砕け散ってしまった。
「ひえええ!」
魚人はゆっくりと口を開いた。
「さむっ」
「へ?」
「寒いっすねー」
よく見ると魚人はプルプルと震えていた。
「襲ってこないね、、」
「襲う?やだなぁそんなことしないですよ」
「え?じゃあずっと追いかけてきたのは?」
「マッドサイエンティストに殺されると思ったんで、逃げようと無我夢中で走ってたらちょうどお二人が出てきて、、ってゆう感じです」
まさかの人語を喋れる魚人だった。
2人の矛先はヒカリの方へ向いた。
「「ヒカリちゃん!!」」
「あ、あはは、、」
その後は一部始終を見ていた眠目先生に連れて行かれて、こっぴどく叱られて反省文を書かされた。
ちなみに魚人は実験室に住むことになったよ!
続く。
誰得?魚人プロフィール!
名前:ファイ
種族:魚人(人魚の遠縁)体が青色の鮮で覆われている。歌は音痴。
性別男
身長体重:180cm、60kg
趣味:料理
くじらにちょっとだけシンパシーを感じている。
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