第603話 真っ直ぐに続く穴の中

カレンたちの情報によると、

魔王島はレヴィアタンとサタンによる統治が行われているようだが、

二つの地域に分かれながらも、

それぞれの交流は盛んで、

中心部は共同統治にようになっているようだ。

普段はそれほど厳しくなく普通の生活をしているが、

一旦戦争が起こったり、

レヴィアタンとサタンの関係者によるいざこざが起こると、

かなりめんどくさいことになるそうだ。


二つの陣営に分かれて戦闘が始まるということは流石にないようだが、

小競り合いはよくあるそうである。

どちらも自分の魔王を贔屓しているらしい。

それは人間の世界でも同じことである。

しかし圧倒的な魔力を持つレヴィアタンとサタンは、

二人が戦っても意味がないことをよく知っている。

しっかりと火種を処理しているようである。


「それにしても本当に長い穴ですね。

島まで繋がってると思いますか?」


「おそらくはそうだろう。

だがまだ繋がってるかどうかはわからないな。

追いついた後に穴を爆破されててもおかしくはない」


「もうすでにレヴィアタンがいなくなっているので、

命令系統は麻痺してるんだろう。

烏合の衆とかした奴らが、

この巨大なな穴をどうにかしようと考えるとは思えないな。

ただあのメイドの行方は気になるが、

おそらくあれもそれほどの大きな戦いを経験してないのかもしれない。

レヴィアタンを諌めることはできたのかもしれないが、

そのほかの行動や生活などろ考えられるまでの権限があるかはわからない。

だが用心に越したことは無いだろう」


わかりましたとみんなは遼香に返事をした。

穴に入る前は緊張していたが、

やはり同じ景色をずっと眺めてただ自動で進んでいるだけなので、

みんなも眠くなるし、緊張感も持たなくなっている。

しかしこれからいく先は敵の中枢部である。

周りには敵しかいない。

のんびりしていたらやられてしまう。


もし本当に魔王島から来たのであれが、

長い旅ではあるので気を引き締めなければならないのだ。


朱莉から連絡が入り、

カレンたちから魔王島の地図が送られてきた。


「本当にちょうど二つに分かれているんですね」


代田が地図を見ながら、レヴィアタンとサタンの統治している面積が、

東西に分かれてちょうど半分程度になっていることを指摘した。

レヴィアタンは西、サタンは東を納めている。


「なるほどな。レヴィアタン側から攻めてきたということになると、

この穴は魔王島の西側に浸かられているという公算が高いな。

そういえば夕乃は魔王島について何か知らないのか?」


夕乃は隠密である。

何か魔王島についての情報を知っていてもおかしくない。

夕乃はこんななりではあるが、

かなりの実力者であることを緑箋も感じている。


「遼香ちゃん。やっと私に質問してきたのね

いつ来るかってずっと待ってたんだから」


夕乃は嬉しそうに口を開いた。



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