第599話 情報収集
やって来たのはカレン、ゾード、ザゴーロの三人だった。
「カレンさんたちも同行してもらいました」
「わざわざすまないね。
直接現場を見てもらいたかったんだ」
「いえいえ。
お役に立てることがあれば……」
そう言いながらカレンたちは辺りを見回している。
「何か感じることや、穴の様子からわかることはありますか?
なんでもいいので教えてください」
朱莉が情報を引き出そうと促す。
「私はあまりこう言ったことに疎いのですが、
確かにレヴィアタンの魔力を感じます。
それとレヴィアタンに使える魔族の魔力も残っていますね。
ただ気になるのは、
海の魔族の魔力が感じられないことです。
私たちが亡命した時にもレヴィアタンに仕えていた魔族が一緒に亡命したんですが、
そのような海の魔族がレヴィアタンの主戦力ですので」
確かに内陸地ということもあったのか、
レヴィアタンは海の魔族を連れて行きていなかった。
と言うことは主力はまだ残っていると考えられる。
「この地下を通した思われる穴ですが、
これは我々にもできないことはありません。
土木建築系の作業は魔族でも行われますので。
ただこれだけ大規模なものは聞いたことがありませんね」
ザゴーロは答える。
「どちらにしてもおそらくは魔王島とこちらで呼ばれている島から、
ここまでつながっている地下通路だと思います。
私たちが魔王島から亡命した時には、
まだレヴィアタンは一画を統治してましたから」
ゾードも答えてくれた。
地下通路がどこにつながっているかというのはおおかた予想はできていたが、
しっかりとその情報を得られたのは大きい。
そしてちょうど咲耶も未来を見終わったようだった。
「魔族に関しては読みづらいところがあるんで、
今回は緑箋君の未来について見てみた」
「なるほど、それはいい読みかもしれないな」
「そやろ、遼香ちゃんにそう言ってもらえれば安心やな。
それで見えた未来は、
多分そっちの寮やと思うんやけど、
緑箋君と龗が無月と喧嘩してるところやった」
「よし、それで安心した。
ありがとう遼香ちゃん。
それにカレンとゾードとザゴーロもありがとう」
遼香と緑箋は咲耶の未来視を聞いて少し安心した。
なぜなら未来があると言うことだからである。
「一旦情報を整理する。
代田の不安もわかるが、
おそらくまだ魔族たちは魔王島まで戻っていない。
と言うことはまだ魔王島には、
レヴィアタンが倒されたと言う情報が渡っていないはずだ。
そもそもレヴィアタンが倒れたところを見ていた魔族はいないしな。
それが向こうに逃げて情報が伝わった後に、
地下通路をいくとしたら、
本当に罠や敵が配置されるか、
もしくは穴が塞がれると言うことになるだろう。
ならば魔王島にいくなら今行くしかない。
もちろんサタンと全面戦争をするわけではない。
情報収集ということが目的だ。
今回は夕乃もいるから諜報活動にはうってつけなんだ」
「まあ確かに遼香ちゃんのいうとおりね」
夕乃はひょっこり顔を出した。
「ということで最終確認をするが、
緑箋君、代田、夕乃、今回の作戦への参加はどうするか決めてくれ」
遼香は真剣な表情で三人に迫った。
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