第558話 日本に到着

一行は無事に日本へ帰ってきた。

遼香と朱莉は一旦本部へ戻り、

緑箋と代田とカレンは荷物を持って鳳凰寮へと戻った。


寮ではたえとザゴーロとゾードが待ち構えていた。

たえは代田の元へ走り、

ザゴーロとゾードはカレンに抱きついた。


「よかったです、カレン様。

ご無事で何よりです」


「ありがとう二人とも、

私は大丈夫だから安心して。

それにとても有意義な旅行になったわ。

これもみなさんのおかげだし、

二人も留守を守ってくれてありがとう。

沢山お話ししたいことがあるから、

あとで聞いてくださいね」


もしかしたら、このように三人が離れるということはなかったのかもしれない。

三人はみんなが無事でまた揃ったことを喜んでいるようである。


そしてたえも嬉しそうに代田と緑箋を迎えてくれた。


「お帰りなさいませ」


代田と緑箋は可愛い挨拶に笑顔が隠しきれなかった。


「たえもありがとうな。

留守中何か問題はなかったかな?」


「はい、ザゴーロさんとゾードさんも一緒に、

寮のことをやってくださいましたから、

とっても助かりました」


「二人とも、いろいろやってくれたんですね。

ありがとう」


その話を聞いてカレンも嬉しそうである。


「さあ、みなさんお土産も沢山ありますから、

ゆっくりしましょう」


「そうでしたね。

みなさんお疲れですものね。

では食堂にお集まりください」


たえはそう言って食堂の準備をしてくれた。

お茶を飲みながら、イギリスで起こった出来事を話していく。

シルヴィアのこと、

エルフのこと、

ダークエルフのこと、

講演のこと、

そして魔女のこと、

話しているといろんなことが詰まった旅だったなと実感できた。


遼香の予言のことも、

大っぴらにする必要はないが、

隠すようなことじゃないからと、

寮のみんなには情報を共有した。

一応遼香の近くで何が起こるかわからないからである。

まあ基本はいつでもどこでも遼香の近くでは、

命が狙われる危険があるのだが、

遼香という存在がそれを忘れさせている。

しかし今回のような明らかな警告が発せられているので、

その緊張の度合いは高まらざるを得ない。

共に生活している寮のみんなには情報を共有しておいた方がいいという判断である。


最後の遼香の予言の話になるとやはり暗くなってしまうが、

カレンについての貴重な情報や、

代田の新装備なんかの明るい話題もあって、

なんとかみんなは冷静さを保っていた。


そしておまちかねのお土産披露である。

今回もお土産は沢山。

食べ物や洋服なんかも買ってきていた。

そしてダークエルフから買ってきたアクセサリー。

これにはたえもザゴーロもゾードも驚いていた。

かなり値が張るものだったが、

ハルダヴェルグはただ同然で持って行けと言ってくれた。

アクセサリーはハルダヴェルグの見た目とは違って、

と言っては失礼だが、

可愛い繊細な模様が描かれている。

見た目にも美しく、

そしてエルフの加護がある実用性も兼ね備えているということで、

かなり喜んでくれた。


そして最後はウィズダムの羽である。

これは非売品であり、

魔女の魔力も込められている貴重なものである。

三人の胸にも綺麗に張り付いて、

みんなお揃いということになったのも嬉しい。

お土産を見ながら土産話に花が咲いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る