第528話 エルフとの別れ
一行はダークエルフの村から戻って、
マイトリンの元へ報告しに行った。
「武器のことはやはり専門家に聞いてよかったですな。
じゃあ私にも一つ武器を見せてもらえますか?」
緑箋と遼香はマイトリンに武器を見せる。
「これは確かに見事な武器ですね。
私もこれほどの武器を見たことがありません」
マイトリンは無月と砕星を手に取ると、魔力を込めた。
「さあ、これで私の魔力も武器に入りましたね。
どんな武器に育っていくのか、
私も楽しみになりました」
マイトリンはわざわざ武器に魔力を込めてくれたのだった。
緑箋と遼香はありがとうございますと、とても感謝していることを伝えた。
「それから、カレン。
先ほども言いましたが、いつでもここにいらっしゃい。
あなたが来たい時にいつでも私たちは歓迎します。
こちらの方でもフロールーンのことは探しておきますから、
もし何かわかったら連絡します。
いつか、二人が揃って会える日が来ることを願っていますよ」
「マイトリン様、ありがとうございます。
いつかきっと、また帰ってきます」
一行はマイトリンに挨拶をした後、
森へ出て、ナルエルとも別れた。
これでとりあえずの緑箋たちのイギリスでの目的は果たせたことになる。
「じゃあ、今度はこっちの番ですね」
「ああ、わかってるよシルヴィア。今度はこちらが力を貸す番だ」
遼香とシルヴィアは目を合わせて頷いている。
朱莉は流石に知っているのだろうが、
緑箋と代田はまだ何が起こるのかを聞いていない。
「遼香さん、シルヴィアさん、何かこれからやることがあるんですか?」
代田は素直に質問した。
「そうだな。まあシルヴィアは今は私的な活動としてきてくれているが、
私とシルヴィアが揃ったんだから、
一応正式に会談は行なっておきたい」
「ああ、そういうことですね。
じゃあ私たちは宿で待っていたほうがいいでしょうかね?」
「いや、代田と緑箋君は同行して欲しい。
カレンと朱莉は悪いが宿で待機してもらいたい。
危険なことはないと思うが、
カレンはまだ何があるかわからないから、
いつでも連絡が取れるようにしておいて欲しい」
流石にカレンを本部まで同行するということはできないだろうから、
朱莉と共に待機ということになった。
カレンがいつ狙われているかということはわからないので、
念の為朱莉をつけておく形になる。
またUKの方でも警護をつけてくれることになった。
緑箋たちとカレンたちはロンドンで、
お互いに気をつけてといって別れた。
緑箋たちはUK魔法軍本部へと招かれ、本部の応接室へ案内される。
シルヴィアは公務になるため、準備をするということで、
一旦別れることになった。
色々あった一日であったが、
ここでようやく人心地つくことになった。
「遼香さん色々ありがとうございました。
無月のこともよくわかりました」
「まあついでが色々あったからな。
こういう時は素直に流れに乗っておくといいよ」
「代田さんも思わぬ武器が手に入りましたしね」
「そうですよ、まさかこんなことになるとは夢にも思いませんでした」
代田も興奮冷めやらぬ感じである。
「な、そういうことだよ」
遼香はこの奇妙な流れを楽しんでいるようだった。
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