第516話 ダークエルフとは
ダークエルフである。
前の世界の北欧神話においてダークエルフは、
スヴァルトアールヴ(闇のエルフ)と呼ばれている存在である。
スヴァルトアールヴヘイムという世界の住民である。
エルフと対立したり、
人間と対立した存在として見なされている。
そしてその存在はドヴェルグつまりドワーフと同一視されている。
というかどちらかというとドワーフこそが闇のエルフである、
という指摘がされることが多くなっているそうである。
地下や洞窟に住み、
そして鍛冶が得意という性質を持っている妖精の一族である。
元々はそういう感じだったダークエルフだが、
現在ではその様相は大きく変わっている。
完全にエルフに対立するものとして、
ダークエルフは悪の存在として形作られてきていた。
エルフに対抗するように肌は黒や褐色になり、
より魅惑的で魅力的な容姿を求められるようになった。
人間を誘惑するために、
サキュバスのような要素も取り入れられている。
そしてさらにダークエルフは進化をしていき、
単純な悪ではなく、
魅力的な部分が増幅されていき、
単純に肌が褐色の魅惑的なキャラクターとして描かれるようになってきている。
エルフがより高貴で近づき難いのに比べて、
ダークエルフはもっと近づきやすい存在として受け入れられてきている。
要するに世俗的なエルフとしてもってこいという感じなのだろう。
マイトリンは遼香の願いについて話してくれた。
「我々エルフは確かに衣服や装飾品、鍛冶や彫金が得意なものも多いですが、
やはりどちらかと言うと植物や動物などを材料にしたものの方が得意です。
ダークエルフはその分、地下に住んでおりますので、
鉱物や宝石の方を得意としております。
ただやはり武器や防具を鍛造することに関しては、
ドワーフの右に出るものはいないでしょう。
ダークエルフは魔法効果のある武器を作る方に長けているかもしれません。
そういった意味で、
今回遼香様の疑問をもしかしたらダークエルフが解決してくれるやもしれません」
「みていただけるだけでも結構です。
私たちでは会うこともできなかったでしょうから、
お話を通していただいて感謝しております」
「いいんです。
こちらも可愛い家族に出会えましたから。
こんなに嬉しいことはございません」
マイトリンはカレンと見つめ合った。
「ではダークエルフの方にご案内いたしましょう。
ここから地下に行けますので、
案内させていただきます」
ここまで案内してくれたエルフがまた地下まで案内してくれるようだ。
遼香達はマイトリンに何度も頭を下げてお礼を言った。
カレンはマイトリンともう一度抱擁した。
「カレン、また自由に来れる日が来たら、
いつでもここに来なさい。
私たちは家族ですから」
「はい、ありがとうございます。
必ずまた参ります」
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