第474話 代田VSゾード
岩石弾が飛んでくる土煙の中、
ゾードは一旦距離を取って下がって岩石弾を交わしていた。
「ローズスパイク」
ゾードは呪文を唱えると、
ゾードの手の先から棘のついたツルが代田に向かって伸びていく。
岩石弾を受けてもその中に根を張って、
ツルは止まらずに一直線に代田目掛けて飛んでいく。
代田は土壁を作り、距離を取ろうとするも、
バラのツルは止まらない。
代田は自分の目の前に土壁を作り、
バラのツルが自分の目の前に現れた瞬間、
土壁ごとバラのツルを拳で弾き返した。
ゾードの遥か後方へ飛んでいき、ドーンという大きな音を立てて砕け散った。
しかし気がつくとあたりはピンク色の霧で覆われていた。
ローズスパイクに気を取られていた隙に、
ゾードのピンクミストが代田の周りに広がっていた。
代田は即大きな手を使って「砂塵嵐」を放って霧を飛ばした。
そしてその砂塵嵐の石礫がゾードを襲う。
ゾードは防護壁を展開するが、
石礫が容赦なく壁を破壊していく。
代田はさらに手を振り続け、
砂塵嵐を大きく強力にしていく、
流石のゾードもこの物量になすすべなくなっていき、
防護壁が展開できなくなっていく。
ゾードは意を決して砂塵嵐の上まで飛びあがろうとする、
しかしそれを見越していた代田は、
すでにゾードの上に巨大な岩の壁を展開しており、
上空に逃げることを防いでいた。
ゾードは最後の力を振り絞って、
バラの壁を展開する。
岩を飲み込んだバラだったが、
石礫の小ささには対抗できずに、
どんどんとツルを切り刻まれ、
ゾードはついに奥の手を出す。
「ピンクドラゴン!」
ゾードの姿が巨大なピンクのドラゴンへと変化していく。
巨大なドラゴンは口からピンクの息を吐き出すと、
砂塵嵐を吹き飛ばしていく。
そして先ほどのピンクミストを体に纏って、
ピンクの霧で侵食するように攻撃してくる。
しかし巨大な敵ならば代田も対抗がしやすい。
代田は自分の枷を外し、
自らの体を巨大化していく。
ダイダラボッチの覚醒である。
なんとピンクドラゴンの二倍程度の大きさになると、
代田は巨大な手でピンクドラゴンに殴りかかる。
またまた巨大怪獣大決戦である。
流石のピンクドラゴンもダイダラボッチの巨大さには勝てなかった。
「降参だ!」
ゾードは大きな声でそういうと負けを認めた。
代田は大きく息を吐いて、
どっかと地面に座り込んだ。
代田も初手から攻撃を仕掛け続けていて、
すでに限界近くまで魔法を使っていたのだ。
緑箋と幽玄斎が代田の近く駆け寄ってくる姿が見えた。
代田はそれを見ながら、
みんなが喜んでくれていることを嬉しく思い、
なんとか勝てたことを喜んでいた。
というところで代田の目が覚めた。
「大丈夫ですか?
目が覚めましたか?」
先ほどまで喜んでいた緑箋と幽玄斎が、
代田を寝かせて心配そうに顔を覗き込んでいた。
「あれ?どうしたんですか?
あれ?なんで寝てるんですか?
今、私勝ちましたよね?」
混乱している代田の顔を心配そうに見ていた緑箋と幽玄斎は、
代田が起きたことにまず安心した。
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