第370話 新しい任務っぽい話

新入隊員として日々訓練に明け暮れていた、

緑箋と代田は久しぶりに執務室へ呼ばれた。

部屋には遼香、朱莉、幽玄斎、緑箋、代田の5人が座っていた。

呼んだのはもちろん遼香だった。


「いつもご苦労様。

緑箋君も代田もそもそもの実力は申し分ないわけだが、

魔法軍、遼香隊の一員として基本的な情報なんかを学んできてもらった。

そんな二人に今日は経験してもらいたい任務ができたので、

それをやってもらいたいと思う。

じゃあ、ちょっと朱莉から説明してもらおうかな」


「今まで緑箋君もいろんな妖怪たちに会ってきてもらったけど、

今回も日本の中の力を結集する意味で妖怪たちに会ってきてもらいたいの。

昔は色々あったこともあったんだけれど、

今は基本的には有効的になって、

人間とも一緒に生活している妖怪もたくさんいるんだけど、

その挨拶みたいなものかな。

色々あって話を聞いて困っていることがあったら解決したりしてほしい。

もちろん私も同行するから、二人だけでは困らないようにするから、

そこは安心して欲しいし、

もし私でも無理な場合は、本部にしっかり話を掛け合ってから、

話を進めていきたいと思ってる」


「わかりました。

今回は僕と代田さんが一緒にということですね。

僕と代田さんが離れるわけにはいかないのはわかってるんですが、

外に出ても大丈夫なんでしょうか?」


「その件に関しても何かあればすぐに戻れるように手配はしておくけど、

今の所安定しているようだし、

この前もらった魔法銀の下着が魔法伝導効率を高めてくれているから、

比較的安心じゃないかなって思ってる。

代田さんはどうかな?」


「はい、私も最近は何も変化はありませんし、

落ち着いているのと、

幽玄斎さんとの訓練で少しは魔法に対しての理解力や、

魔力の向上も見られていると思いますので、

多分酷いことにはならないのではないかと思います。

ただ、たえが一人になってしまいます。

それが少し心配です」


「そのことに関しては大丈夫です。

ね?」


朱莉は遼香の方を見た。


「本来なら私も行きたいところではあるんだが、

まあ大将が出張りすぎという話は避けたいのでね。

今回は正式な交渉ということでもないので、

みんなに任せたいと思う。

なので鳳凰寮の留守は私に任せてもらいたい。

毎日寮には帰れるようにするから代田もそこは安心して、

しっかり任務を行ってもらいたいと思う」


本部にいればそれほど危険な目には合わないだろうが、

遼香が本当にたえとうまくやれるのかという方に少しだけ不安があると、

緑箋は思ったりもしたが、

遼香がやるというからにはやるだろうから、

そこは心配しないように切り替えた。


「じゃあこの任務は来週からということになりそうだから、

そこのところをよくよく覚えておいてね。

幽玄斎さんは悪いんだけど、

その日って今でに一応キリがいいところまで終わるようにしてもらいたいの」


「あ、それは大丈夫です。

任せてください」


「ありがとうございます。よろしくお願いします」


朱莉と幽玄斎は目を合わせて確認した。


「あのーそれはいいんですが、

結局どこへ行くんでしょうか?」


「ふふふ、それは当日までのお楽しみ」


朱莉はイタズラっぽく笑った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る