第368話 魔界とは

新人研修が行われる中で一番重要な情報の一つ(変な言い方だな)が、

魔界についてである。

ここでいう魔界とは前の世界では地獄と呼ばれるような、

人間世界とはまた別の世界というものではない。

この世界には現実として魔界が存在する。

魔界は5つ存在している。

日本に一番影響が高いのが日本とアメリカの間、

ハワイの北側ににある魔王島である。

ここが一番力のある魔族が暮らしている。


ヨーロッパ大陸と北アメリカ大陸の間にある暗黒島。

ここは古くからヨーロッパと関わりがある島になっている。

アメリカにも攻めに行くこともあるので、

アメリカは西も東も戦場になっている危険地帯である。


その南、南アメリカ大陸とアフリカ大陸の間にある幻魔島。

原始的な魔法を使う魔族が多いそうである。


インドの南でオーストラリアの北西に位置する獄炎島。

常に熱く燃えているような島で、

特に交戦的な魔族が多いという。


そして最後が暗黒大陸、

前の世界では南極大陸である。

暗黒大陸の様子は今もってよくわかっていない。

あまりにも危険なため調査団を送ることは禁止されている。


ちなみにどの島にも魔王が存在して統治している。

一番最初に魔王と名乗る魔族がいたことから、

魔王島と名前がつけらたようで、

そう言った意味では全ての島が魔王島ではある。


この5つの島に関しては、

魔族は自由に行き来できるようになっているらしい。

我々が転送して移動できるように、

魔族も何らかの方法で移動できるようである。

一部地下で繋がっているという話もあるが、

大陸を通過するような地下空間の存在は確認されてはいないので、

今の所、地下から魔族の攻撃を仕掛けられるという心配はないし、

歴史上そう言ったこともなかったとされている。


ということで魔族は我々の世界に対して海から攻めてくるのが基本である。

沿岸部が一番危険なことになるが、

かといって飛行して攻めてくるものも多いので、

内陸部への戦闘行動もないわけではない。

逆に防衛施設のない内陸部の方が襲われて、

深刻な被害が出ることもある。

現在はかなり沿岸部への結界効果も高まっており、

また監視体制も整えられているので、

内陸部が敵に襲われるということは少なくなっている。

しかし沿岸部への攻撃はいまだに止むことはない。

本格的な戦争は日本は数十年前が最後ということになっているが、

今後いつ魔族の襲来があるかはわからないため、

常に緊張感を持った対応が軍には迫られている。


以前緑箋が対応することになった魔族との戦いだが、

実を言うとあまり珍しいものではない。

関東や東北の沿岸はもちろん狙われやすいが、

魔族の気分次第では、

九州や四国といった方面も狙われることが多い。


和歌山の潮岬も出っ張っている場所なので、

魔族の襲来が多いところである。

台風と共に被害が多い場所の一つである。

緑箋にとっては初めての魔族との戦いになったが、

最近では少し大きい規模の戦闘となった。

緑箋のことは報道で取り上げられることはなかったが、

軍の内部ではかなりの大きな話題になっていたらしく、

それが今回緑箋が軍へ入ることになるきっかけの一つになったのは言うまでもない。

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