四章 資料編

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資料:南極卿財団信仰根絶局神聖世界監査部報告・『訓戒』調査資料

資料作成・調査:南極卿財団信仰根絶局・局員V・666号

資料作成・更新日:西暦1096年11月27日・最終更新日:西暦2022年3月14日12時25分

1.【訓戒】とは

 訓戒とは、主としてローマに位置する教皇領(現ヴァチカン市国)の統治機構である法王庁(聖座)の下部組織。祓魔師、神父による組織でありエクソシズムと呪術師からの信徒の防衛、異教徒の殲滅を目的とした機関である。

 教義としてこの機関を管理する大司教以外は世俗に対して聖職位を示すことは禁じられている。また、この機関に所属する祓魔師、助司祭、司祭は他機関への配属は永久に禁じられる。正しき教えに反する者への聖戦を法王から認可された軍団であり、法王不可謬説から任務は絶対である、任務に反抗したものはその場での『背教』が決定され、粛清される。2022年現在1部隊12名、枢機卿団員数と同じ208部隊が世界各地に点在、神聖世界の防衛・警護を行っている。

伝統的にイスカリオテのユダを示す12番を忌み数としており、12番はユダに代わってキリスト復活後に使徒となったと使徒言行録に記される【マティア】と呼称される。

 最も古い記録である十字軍遠征の選抜部隊としての訓戒では組織の目標としてヨハネ黙示録に登場する『ベールア』および『赤龍』の支配の破壊を目標としていた。これは当時活動していた南極卿および月の民を黙示録の獣になぞらえて指すものであり、『訓戒』と『南極卿』はこの時点で敵対関係にあった。

2.【訓戒】の支配構造と有力構成員

 訓戒は特例的に法王より直接指名された大司教が総指揮権を任じられる。基本的に任務の無い場合は枢機卿の警護と各地の聖遺物、禁書、宝物の監視を任務としており、各枢機卿任地において魔力観測者による24時間体制の魔力監視などが行われている。

 訓戒の任務は大司教の権限を通して訓戒の部隊に通達される。枢機卿個人、枢機卿団による指令は大司教を通さなければならないが法王による勅命はその限りではない。

 現在、訓戒の総指揮権はシモーネ・デ・メディチ大司教にある。指揮権を有する大司教はヴァチカン市国サン・ピエトロ大聖堂地下のサン・ピエトロ・メンシスと呼ばれる聖域(魔界とほぼ同じ環境)に居住しており、教区を持たない。

 訓戒の中でも特に有力であり特別指定級術師にのみ交戦が許されている術師を以下に挙げる。

 ・アレッサンドロ・アンドレア神父(42)

訓戒による特別運営訓練施設『聖ペトロ殉教記念院』出身の訓戒構成員。訓戒構成員の多くは魔界に関連する私生児、孤児や、魔術的才能をもつ者であり、志願者は極めて少ない。彼はイタリア、サルディーニャにて暮らす一般的な神父であったが地元マフィアの抗争により自身の修道院を失う。復讐に向かった神父であったが、抗争の中心に居た地元マフィアは隠者の薔薇より呪物を購入し違法にそれを利用していたために魔術的な攻撃による傷を負った。地元マフィアを一人で殲滅した後、『聖ペトロ殉教記念院』に加入。3年後に訓戒第25部隊に編入。『ソヴィエト赤軍特殊超能力部隊・スヴャトゴルの泡』のエージェント3名の殲滅。以後、第1特務部隊へ昇進。『隠者の薔薇』北イタリア支局の壊滅。『アルゼンチン・アラウコ魔界』襲撃事件、アルゼンチンにおけるアラウコ川流域に発生している魔界が破壊される。これにより特別指定級術師一名、第一級術師3名が交戦し殉職。これらの戦歴から南極卿執務室は特別指定神聖術師に指定。存在が確認された場合特別指定級術師二名以上での交戦を義務付けている。


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