第15話 掲示板回
ダンジョン探索配信総合スレ 3875
117:名無し探索者さん
おまえら、昨日の竹駒プロの配信見た?
118:名無し探索者さん
もちろん!
いやぁ、ヤバかったな……
119:名無し探索者さん
今北産業!
なんかあったん?
120:名無し探索者さん
ネット用語が古いぞおっさんwww
121:名無し探索者さん
竹駒プロにすげぇ新人(中二病)が出現したんだよ!
122:名無し探索者さん
オレ、あんな集団戦初めて見たんだけど
3人で数百体のモンスターを狩るとかどんな新人だよ
123:名無し探索者さん
数百体!?
さすがに盛ってるだろ?
124:名無し探索者さん
ダンジョン協会の公式記録に載ってんぞ
125:名無し探索者さん
ファーーーーーーーwww
126:名無し探索者さん
地脈容量が太いんか?
いくらゴブリンクラスのモンスターとはいえこのダンジョンヤバくね
127:名無し探索者さん
ドラゴンもおったで
128:名無し探索者さん
ヤバすぎだろ……
129:名無し探索者さん
話を新人に戻すぞ……パーティのリーダーって穴守家の人間だろ?
宣伝のために新人扱いにしたんじゃ?
130:名無し探索者さん
穴守家は最近運営側に回っていて現役はほとんどいないからな
次男の息子くらいか?
それも低級クラスだけど
131:名無し探索者さん
穴守マニア現る笑
焦った穴守家が売り込んできたとか
132:名無し探索者さん
無いだろ
本家はダンジョン探索配信に否定的だぞ?
ダンジョン探索は国の基幹産業であり、安定的に運用されるべき……娯楽にするなぞ言語道断!
ってな
133:名無し探索者さん
アタマ固いな
利権護りたいだけだろ
134:名無し探索者さん
そんなことよりこの姉妹ちゃん可愛くね?
135:名無し探索者さん
こっちは流石にガチ新人だな
136:名無し探索者さん
お?
竹駒プロからお知らせ
正式にプロダクション所属になったってさ
137:名無し探索者さん
プロフィールが更新されてる
って、穴守 統二のレベル65!?
138:名無し探索者さん
姉妹ちゃんも30超えてんじゃねーか!!
139:名無し探索者さん
新人の概念壊れる
技名はあんなに中二臭いのに
140:名無し探索者さん
2週間前にレベル2で探索者登録してこれってあり得んのか?
141:名無し探索者さん
プロフィールの更新きた!
『俺たちこのダンジョンで鍛えて強くなりました!
来月から狩り場として正式オープンします。
日帰り10万円~、1泊2食付き15万~
君も倉稲村ブートキャンプでムキムキになろう!
探索されない方にもおすすめ! 凄腕探索者の美技を眺めながらカフェで優雅な休日を! 探索者カフェ、近日開業予定(憑神様の解説付き)!!』
142:名無し探索者さん
絶妙に怪しくて草
143:名無し探索者さん
なんか安くない?
狩り場ってランクにもよるけど1日数十万が相場だろ?
魔法使うと別課金されるとかじゃね?
144:名無し探索者さん
雑誌の裏表紙広告かよwwww
しかも住所岐阜の超山奥じゃねーかwwwwww誰が行くんだよwww
145:名無し探索者さん
短期でこんなに強くなれるなら行ってみようかな……
146:名無し探索者さん
勇者現る!
147:名無し探索者さん
>>144
岐阜バカにすんな!
148:名無し探索者さん
144は名古屋民
149:名無し探索者さん
あの姉妹と憑神コンちゃんに会えるなら行ってみたいな
150:名無し探索者さん
確かに!!
*** ***
「「おお~」」
PC画面に映し出されたネットの反応に興味津々の理沙と礼奈。
「トージ兄ちゃん、サイトから何件か予約が入りましたよ」
「「「すげー!」」」
配信の最後でアピールした通り、俺たちのダンジョンに潜ってみたい人を募集しようという事で、笠間家の末っ子である純がちゃちゃっと予約用のホームページを作ってくれた。
htmlとか詳しくないから助かるぜ!
「純は凄いのう! ねっと奉行じゃ!」
「へへっ」
コンに褒められ、純は得意顔だ。
「あ、あたしだってインターネット作れるんだから! 文字を点滅させたり!」
「礼奈ねえさん、BLINKタグはとっくにサポート外になったよ?」
「ぐえっ!?」
「礼奈はインターネットを作れるのか。大事件だな」
「あ~、トージにぃ今あたしのことバカにしたでしょ!!」
「わたしなんかこないだスマホ触ってたら画面が消えたもんね。
インターネットを壊したかと思ったよ!」
「……電源ボタンを長押ししただけだぞ?」
「ぬはっ!?」
インターネットの破壊と創造ができるらしい理沙礼奈はともかく、美里さんから提案を受けた俺たちは比較的状態の良い空き家を使って、宿泊施設を作ることになった。
建物の外壁補修はダンジョンスキルを使えるから楽である。
笠間夫妻の協力もあって、数十名分の宿を整えたのだが、早速予約してくれた探索者がいたみたいだ。
「万一、予約が増えだしたら人手が足んなくなるかもなぁ」
今は笠間夫妻を中心に俺も手伝っているが、農繁期になると大変そうだ。
「お父さんが、むかし倉稲村に住んでたみんなに連絡を取ってくれてるみたいですっ!」
「おお~っ!」
昔……と言っても俺が倉稲に住んでた学生時代の事だが、その時点ではまだ村には200名以上の人が住んでいた。
だが、人口流出を加速させたある事件が……。
「みんなが戻ってくるといいですね……昔みたいに!」
事件のことを思い出したのだろう。
眉を下げてしまった理沙の頭をわしゃわしゃと撫でてやる。
「んんっ♪」
すぐに笑顔に戻ってくれた。
村に仕事が出来れば、本当に戻ってきてくれる人もいるかもしれない。
ぴりりり
隆さんに状況を聞いてみようか……そう思っていたら俺のスマホが着信音を奏でる。
相手は、雄二郎だ。
ぴっ
「おう、残念だったな雄二郎。
美里さんはもう帰ったぞ」
地元に帰ったタイミングで彼女が来るとか、ついてない奴である。
『ぐっ……まあそれはええねん!
あの丸の内OLさん、竹駒美里って名前やったんか!』
「そうだけど……言ってなかったっけ?」
やけに興奮気味の雄二郎。
そういえば配信後、一瞬でフォロワーが5万人を超え、メンバーシップ登録も数百名を超えた。
それだけでなく、俺のメアドにたくさんの勧誘、スカウトが届いた。
困惑した俺は、理沙たちの同意も得て美里さんの会社と契約することにしたのだが……。
『竹駒美里といえば、表にほとんど顔は出しとらんが……今の配信ブームの基礎を作った凄腕のダンジョンコンサルタントやで!
どうやったんや、トージ!!』
「……へ?」
『そもそもやな……』
なんか彼女、凄い人だったらしい。
俺は困惑気味に雄二郎の話を聞くのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます