第30話 スケルトン、目覚める。

うぅ・・・ここ、どこだ?


あれ? ここは? ベットの上か・・・? なぜ?


今までのは夢・・・ではない様だな。


大きな部屋で、なんか神々が集まっている様な・・・気がするのは・・・気のせいか?


さて・・・身体の方は・・・マナが満タンになっているな。


身体の支障は無い様だ・・・良かった。


・・・


しかし、この力の波長は覚えているぞ・・・。


「また会ったな小僧・・・」


あの神と名乗る爺さんがそこに居た・・・が、姿が前回と少し違うな。


まぁ・・・神だから、姿は自由か? 気にしても仕方が無い。


しかし、随分と今回は真剣な表情だな・・・あの時の様な戯れている様な様子でない。


周りを見と、人と猫が合体している様な娘や巨大なオオカミ、エルダーリッチやレイスらしき者までいて、皆、神と名乗る爺さんに向けてひざまずいている。


・・・眷属けんぞくか?


よく分からん。


ナッシュは「ここは・・・どこなんだ?」


「お前が所属している領の主の館だ・・・粉々に消し飛んだが儂が再建した」


・・・そうか。


結局、隊長も副隊長も・・・仲が良かった仲間も・・・みんな死んでしまったのか。


また、救う事が出来なかった・・・のか。


・・・なんで、報われないんだろうな。


「ナッシュ、無駄話は無しだ・・・あの後に何があったか説明する【   】」と情報を流してきた。


・・・慣れてきたのか、変異し過ぎたのか分からんが、圧縮された情報を受けとっても、苦痛は無い。


ナッシュは圧縮された情報を受け取って速やかに展開した。


・・・


・・・


・・・は?


・・・なに?


・・・マジか!!


みんな生きてる! イヤイヤ・・・良かった。


そうか・・・空間障壁魔法か・・・へぇーそんな使い方あるんだ・・・知らなかったわ・・・使ったの俺の様だけど。


ダメージアブソーバーか・・・しかもその規模の立体魔法陣を・・・ほぉー凄い凄い!


なるほどねぇ・・・エネルギーを一定量貯蓄している間にマナに変換し、他のゲートなどに逃がすか・・・。


つまり、上手く迂回やマナに変換したエネルギーを貯蓄させたんだろ・・・イヤイヤ・・・そんなこと可能?


でも理論上は・・・出来るか?


現実的に考えると、普通は無理だろうな・・・。


【アルティマ】が作動して時間稼ぎ出来たので、その間に爺さんが来てゲート開放した際に壊れたモノを全て復元したと・・・へェ~、やるじゃねぇか!


【アルティマ】すげぇな・・・えっ、マジで。


【アルティマ】って、本来使ったら、神ですら死んでしまうぐらいなのか?


・・・俺、生きているけど?


・・・よく分からん?


まあ、生きていたんだし、良しとしよう・・・。


眷属に属さない別の神のミスで、ここいら一体が消滅しかけただと!


なになに・・・つまり、あの爺さん以外の上位神の眷属がミスで、この惨事が起きたと・・・ほぉ・・・そりゃムカつくわ!


相手側から謝罪は無く・・・『前に、お前もこちらにやった事あるだろ? しかも、謝罪が今だに無い・・・だから、文句言うな、クソ爺!』と言われたと。


・・・おい爺さん! あんた、それ、駄目だろ!


・・・前にやった事あるのかよ! ちゃんと謝罪ぐらいしろよ!


・・・ん?


爺さんの眷属と孫を救ったってなに?


孫・・・?


しかし、なんか五月蠅うるさいな・・・外から、なんかドアが蹴り飛ばされた様な音が段々と近づいてくる・・・。


そして、ついに隣の部屋まで吹っ飛ばされた様な音が聞こえた・・・。


ナッシュは嫌な予感がしたので、扉からなるべく離れようとベットから身体を起こそうとした瞬間、この部屋の扉が吹き飛び、ナッシュに直撃した。


ドアを殴り飛ばした銀髪のツインテール少女は、入って来て早々「私を助けてくれた白骨の騎士様はどこ?」と聴いてきた。


部屋の中にいるモノた全員が一斉に瓦礫に埋まった俺を指差す。


思わず爺さんが怒鳴る!


「ライラ! 何でお前は、何時も、何でも、『衝動的』に行動するのだ!?」


孫のライラは答える「ん・・・本能におもむくまま・・・駄目?」


爺さんと眷属の顔が引きつる・・・。


瓦礫の中から出てくるナッシュ・・・「一体何なんだ・・・何が・・・あった?」と言いながら。


ライラはナッシュを見つけた瞬間、ものすごい勢いで近付き、思いっきり抱きしめた!


その瞬間、ナッシュの背骨から『ボキィッ!』と物凄い音が鳴り、背骨が砕けた。


『ぐはぁ! 何が・・・起きた?』と混乱しながらへし折れるナッシュ・・・。


爺さんと眷属の顔が『うわぁ・・・』という様な顔で引きつる・・・。


ライラは「あれ? ・・・大丈夫?」とナッシュに問いかけると「・・・ダ、ダメ、ダメージがエグい・・・無理」とナッシュは答える。


「そう・・・お爺ちゃん・・・治して」とライラがお願いする・・・が、「いい加減、自分で何とかしなさい」と断る爺さん。


『おい! 俺は実験用の教材じゃねぇんだから、やらせる前に、お手本見せろよ! こいつ信用ならねぇ!』と心で叫ぶナッシュ。


「わたし・・・こういうの苦手だから・・・『クロウ』『クラウ』彼を治しなさい・・・直ぐに」と銀髪猫耳の二人に命令する。


「「かしこまりました」」と答える二人


鮮やかな詠唱で、立体魔法陣を形成し、分析と治療を開始する。


『とりあえず、何とかなりそうだ・・・良かった・・・。 しかし、あんたの孫だろ どうにかしろよ! 無茶苦茶すぎるぞ、コイツ!』と心で叫んだナッシュだった。

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