第19話 オプティマ発動
『まず、どの様に説明するべきか?』と考えていたナッシュは急に目眩を起こした・・・スケルトンになってから今まで、こんな事は今まで経験が無かった。
正確には目眩ではなく、膨大な知識、魔法式、方式、力の流動・・・様々な何かが同時に見えた始めた。
いや、見えたと言う事も正確ではない・・・。
右目と左目でそれぞれ違う物が計算された答えらしきものが映し出され、さらに、頭の中には膨大なラボ室らしきものが映し出され、様々な事が大量に行われている・・・。
段々と、周りの時間が遅くなる様な感覚に襲われる・・・。
俺は周りを確認した・・・。
近くには隊長がいる・・・が、隊長は、ピクリとも動かない。
いや、全ての人、物、空気さえ動かない・・・全てが動かない。
見えている状態は異常なのに、何故かそれが正常と頭の中では理解してしまう・・・。
俺は言葉を発する・・・。
「 」
・・・?
俺は確かに言葉を発した・・・が、それは音としてなのか、別な何かなのかが分からない。
言霊とは違う何か・・・理解が出来ないが、それに変わる何故かだと理解出来る。
右耳と左耳それぞれ別な何かが聞こえる・・・言語は分からないが理解してしまう。
頭の中からも、沢山の何かが聞こえる・・・一つ一つ膨大な意味が込められていて・・・それも完全に理解する。
エネルギーの流動を感じる・・・目から手の指先、見えない何かも含めて・・・。
とてつもない範囲の力の流動経路が何故か分かる・・・そして、その流れをいじる事が出来る・・・しかも簡単に。
時間が物凄く永く感じる・・・が、同時に非常に短く感じる。
狂気を感じるが、同時に適正化された何かも感じる。
狂っている事を理解する・・・が、同時にこの先必要な何かが出来始めている事も理解する。
今いる領土の情報が集まり始める・・・その情報は正しいか分からない・・・が、ゆっくりと様々な情報が集まり始める。
病気で危機的な状況なのに、不思議となんとも思わない・・・何故か、その状況を打開する答えがまとまり始める。
非常に不思議な感覚だ・・・今までこの様な感覚を経験した事は一度も無かった。
しばらく経つと頭の中から「オプティマ正常化確認・・・ラプラス発動完了」と言う声が聞こえた様な気がした。
そして、手には、一冊の本を握りしめていた・・・。
隊長がその本はどっから出したと聞いてきた。
どうやら、時間も不思議な現象も収まった様だ・・・手元にある本を除いて。
俺は「よく分からんが・・・何かヤバい力を感じる、とりあえず、安全の為、俺のみで確認する」と答えた。
隊長は「中身は教えてくれるのか?」と聞いてきた。
「知るべき事は教え、知って災いとなる事は俺の中で封印するよ・・・なにせ、こんな事は初めてだ」と答えると、隊長は「・・・そうか、分かった、出来る範囲でいいから教えてくれ」と言った。
さて、この本は一体どんな物なのだ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます