第5話 検証、する?

夜。

彼の家。

彼の部屋。


友也とのお泊りデートの後、彼は家に帰ってなかったので挨拶に伺ったらそのままお泊りになってしまった。

友也の両親も、私達がお泊りデートしてきた事には何も聞かずにいつも通りに接してくれた。

まあ、彼の母からはお泊りデートの事前報告の時に、コッソリと私に『私達(彼の両親)は高1の時にもうはお泊りデートしてたのよね〜!あなた達は遅すぎるわよ〜。』と言われてしまったけど。


両親との夕食の後、彼の部屋で、密談。


「話しを整理しようか。」


彼が話し始める。


「予知とでも言うのかな?当選番号が浮かんだんだよね?」


「チョット違うよ?私が『当選番号を、いつも買っている同じ番号を確認して震えている様子から、友也が同じく当選番号を確認して慌ててる様子』が俯瞰しているように『見えた』んだ。」


「て事は、『未来透視』かな?今迄にそういう事は有ったのかな?」


「無いわね。初めてよ。」


「………………………………何か条件が有るのかな?」


「何の条件?」


「その『未来透視』が発現する条件。」


「………………………………今迄と違うのは、『最後まで』した事だよね。」


そう、今迄もお互いの部屋でお泊りしても、『最後まで』しなかったから。


「………………………………そうだな、でも、俺は何も『浮かばなかった』からな。」


そう、私だけなんだよね。


「それに、昨夜、『浮かんだ事』なんだけど?」


「………………………………信じ難いしな。」


昨夜、彼に抱かれた後に浮かんだ事が、『まだ到来していない未来の出来事』だったから検証出来ないんだよね。

その出来事が、『彼の親戚のおじさんへの経営指導を私がしている』事だったから。


自分でも、『何それ?』ってなる出来事だしね。

しかも、その指導が大当たりして評判を呼び、彼と二人で『経営コンサルタント』を始める、それこそ夢のようなご都合主義な場面を『遠くから眺めているような』私の視点で見えていたんだから。


「そう、『信じ難い』のよね。」


「『その場面』を見る前に、何か思ったことは無いのかな?」


「………………………………そうね、宝くじの場面は、ホテル代の話からだったからお金が欲しくて宝くじを思い浮かべたわね。昨夜は、私達の将来を考えてたかな?」


もう一つ、彼には言ってないけど、今朝、彼と致した後に浮かんだのが、明日彼と銀行の待合室で通帳を手に大慌てする私の場面が見えてた事。

その時に思った事は、銀行でどんな手続きするんだろうという、疑問だった。


「そうか、検証するには同じ条件で試すしか無いかな。」


「………………………………そうね、試してみましょうか。」


彼の意図が、わかってしまった。

まあ、私も大歓迎なんだけどね。


でも、私、コンドーム切らしたままなんだけどな。

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