第4話 なんで、わかるのかな?

「当たってる?」


……………………………………どうしよう?


暫し固まった後に、彼に握りしめてしまってクシャクシャになった新聞紙を渡す。


『当選』を確認した彼も、固まってしまった。


「………………………………どうしよう?」 

「………………………………どうしよう?」


「合計、3口、有るのよね?」


「1等当選金、3倍だな。」


「………………………………どうしよう?」 

「………………………………どうしよう?」


「…………………………これで、お金の心配なく、心置きなくラブホテル行けるね!」


「…………………………そういうレベルじゃ、ないぞ?」


「………………………………どうしよう?」 

「………………………………どうしよう?」


「でも、これで、二人とも奨学金受けないで大学行けるね!」


「ああ、医学部でも大丈夫だな!」


「頭がついていかないけどね!」


「そうだな!」


「………………………………どうしよう?」 

「………………………………どうしよう?」

「………………………………どうしよう?」 

「………………………………どうしよう?」


グタグタしてたら、あっという間に3時を過ぎてしまった。


「明日、銀行行かないとね!」


「そうだな。早起きして、行こうな!」


「誰にも、言えないよね?」


「………………………………………暫くは、お互いの両親にも、言わないほうが良さそうだな。」


「うん、そうだよね、ところで、銀行行くのに何を用意すればいいのかな?」


「ん、調べておくよ。ところで、昨日宝くじ買おうと思ったのは偶然だよな?」


「………………………………………実は、」


彼は、こういう所が鋭いんだよね。

隠す事では無いと思って、昨日頭の中に思い浮かんだ情景を彼に伝えてみた。

数字が、具体的に浮かんだ事。

先程のように、新聞紙を握りしめて震えていた事。

そして、今さっきまでの彼とのやり取り。


絶句して、呆ける、彼。

暫し固まった後、


「………………………………………それだけじゃ、無さそうだな?」


「っ、なんで、わかるのかな?」


「そりゃ、付き合い、長いしな。」


そうよね、長いというよりは濃いんだけどね?


「説明するの、長くなるんだけど?」


「…………………………………聞こうか。」


長い長い話しを、終えた後、二人して、呆け続けた。

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