　注※再臨の剣神の前作である変革の剣神のネタバレが少しあります。変革の剣神が気になっている人は先にそちらを見ることをオススメします。

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「ハハハッ、デュラン達は本当に人気（にんき）だねぇ！　私生活（しせいかつ）を放送（ほうそう）するだけでこんなに儲（もう）かるんだから！！　お陰様（かげさま）で研究（けんきゅう）費用（ひよう）に悩（なや）まなくて済（す）むよ！！！」

https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16818093082763201571

　リーベは世界中の国々がデュラン達の旅（たび）する姿を見たいという理由（りゆう）で、毎月（まいつき）途方（とほう）もない金額（きんがく）を自身へ払（はら）っているという事実（じじつ）に笑（わら）いが止（と）まらなかった。

　研究へ熱中（ねっちゅう）しすぎて機人族（きじんぞく）の国を追放（ついほう）されたことを思えば調子（ちょうし）に乗（の）るべきではないのだが、このおバカさんにそんな学習能力（がくしゅうのうりょく）があるわけもなく。高笑（たかわら）いし続けているのでした。

　……何でもいいからこのバカが不幸（ふこう）になりますように！！

　そもそもこれだけ人気が高いのはデュラン達が多種族（たしゅぞく）が差別（さべつ）される暗黒（あんこく）時代（じだい）を終（お）わらせてくれた推（お）しの英雄（ヒーロー）であるという理由もあるが、世界中の子供達（こどもたち）が昔（むかし）から見てきた『変革（へんかく）の剣神（けんじん）――欠落（けつらく）の剣士（けんし）は救世主（きゅうせいしゅ）』という物語（ものがたり）の登場人物（とうじょうじんぶつ）であるという点が一番（いちばん）大きい。

　どういうことかというと、アリスがデュランの死後（しご）『変革の剣神――欠落の剣士は救世主』というタイトルでデュランとの旅路（たびじ）の詳細（しょうさい）を小説（しょうせつ）として出版（しゅっぱん）したのだが――その小説が世界中（せかいじゅう）で大（だい）ヒット！！　アニメ化や漫画（まんが）化もされる大人気（だいにんき）作品（さくひん）となってしまったのである！！！

　その副産物（ふくさんぶつ）として人族（じんぞく）と多種族（たしゅぞく）の溝（みぞ）が埋（う）まり、デュランが願（ねが）っていたアリス達が幸（しあわ）せに暮（く）らせる世界へ近（ちか）づいたのはとても面白（おもしろ）い事実（じじつ）であり。それが原因（げんいん）でデュランはこの小説を認（みと）めるしかなかったという笑（わら）い話（ばなし）もあるが、デュランへの武士（ぶし）の情（なさ）けでこれ以上（いじょう）書（か）くのは止（や）めておく。

　……ちなみにデュランが五歳児（ごさいじ）の未熟（みじゅく）な姿（すがた）でアリス達と会（あ）う決意（けつい）をしたのは『僕の最愛（さいあい）の剣士（けんし）、デュランの生涯（しょうがい）をここに記（しる）す』という冒頭（ぼうとう）の一文（いちぶん）を目にしたのが大きいらしいぞ。勿論（もちろん）、私の変革の剣神にはそんな一文はない。