最終話:平和に中華やってます。
その後、紅は霊場・
「紅、愛しい人を生き返らせることはできたようじゃな?」
「はい、おかげさまで彼は無事私のところに帰ってきてくれました」
「されはよかったのう」
「おまえにそこまで慕われておる人間は幸せものよ」
「と言ことは、紅はもうオーニガシマ国には帰らんということかのう?」
「はい、でも一度は実家に帰って私の気持ちを両親に伝えようと思います」
「一度は実家から逃げた私ですけど、このまま親と仲違いしたままでは親不孝だ
と思いますから・・・」
「うん・・おまえは健気で可愛い娘じゃのう
「紅、いっそここに残らぬか?」
「恐れ入ります・・・そのようなご冗談を・・・」
「冗談ではないが・・・そなたがここに残ってくれたら私の心にも少なからず
憂や癒しがそなたからもらえると思って言ったのじゃが・・・」
「私がここに残ったら私の福ちゃん・・・彼を生き返らせたことの意味が
なくなります」
「今の私にとって福ちゃんがすべて」
「彼に変えられるものは世界中探してもありません」
「お〜お〜・・・すごいのろけじゃのう」
「分かったわい・・・おまえの気持ちはよう分かった」
「いつまでも幸せにの・・・帰ってよし・・・とっとと男の元に帰れ」
紅は感謝のお礼を
紅が
里帰りした娘を両親は咎めることなく暖かく迎えた。
「なにも言わんでもよい・・・全ては
「ごめんなさい・・・お父さん、お母さん私のわがままを許してください」
「私には人間の世界で心に思う人がいてその人とともに生きて行きたいの」
「紅・・・幸せをつかんだのね・・・充実してるのね」
「はい、お母様・・・私今とっても幸せです」
「おまえの気持ちはよく分かった・・・好きにするがよい」
「じゃから、おまえが里帰りするとき時々でよいからおまえの思い人をここに
連れて来るがよい」
「精一杯の気持ちで、もてなしてやるゆえの?」
「はい、きっと福ちゃん・・・彼も喜ぶと思います」
舞台ぐるっと変わって中華料理屋「
「え?・・・俺、紅の実家に行くのか?」
「うん、一度はフィアンセとして挨拶に行ってくれたほうが・・・普通は彼女の
実家に挨拶に行くもんでしょ?」
「俺が?・・・鬼の国へ?・・・まじで?」
「福・・・人間の世界も鬼の世界もたいして変わらんわい」
「鬼の国がなんとなく近寄り難いって思うのは、おまえの先入観じゃ」
「まあ鬼の国のほうが
「おじいちゃんはたまにいいこと言うね」
「たまにじゃと?・・・毎回心に染みるようなことを言っとるじゃろうが」
「先入観ね・・・まあ紅を見てたら分かるっちゃ分かるわな・・・オーニガシマ国
の人たちはいい人なんだってさ」
「人じゃないけどな・・・鬼だろ?鬼」
「人の揚げ足をとるな、じじい」
「ふん、揚げ足ってどんな足じゃ・・・なんちゅうくだらんギャグは言わんぞ」
「ところで紅・・・夜はちゃんとがんばってんのか?」
「もちろん!!・・・福ちゃんが私から逃げるくらい・・・」
そう言って紅は
おしまい。
鬼も十七番茶も出花。(わらわは紅姫じゃ) 猫野 尻尾 @amanotenshi
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