第56話 理由

 無機質むきしつな毎日に

 理由を付けるとしたら

 人生があるから

 そこに仕事があって

 飯食って

 きれいな言葉は無くて

 ただ、ひたすら毎日を過ごしている


 夜の片隅かたすみで1人

 皮肉交ひにくまじりに考える

 疲れた身体に


 こんなはずじゃなかった

 思いつつ

 そんなことはないと

 すぐに打ち消す


 1人の晩御飯ばんごはんを食べて


 ライフイベントがあって忙しくて

 耳にするたび不味まずく感じて


 そんなの、とうの昔にとどこおってるよ


 あの子たちも大きくなって

 もう大人


 どこかで誰かが成長し

 喜びの間


 ずっと朝から働いていた


 かすりもしない喜びから抜け出し

 一服いっぷくする


 時の流れの早さと共感し

 きそい合って

 遠くで笑い声が、こだましている


 何も変わってないし

 きっと、これからも変わらない

 世間離れを突き付けられているようで

 行き場のない感情を

 いつものけむりに包んで、遠くを見つめる


 数々の幸せは

 何で成り立っているのだろう

 何で順番にまわって来ないのだろう


 そんなものは、もとから無かった


 ライフイベントをげたら

 次の番がまわってくるんじゃなくて

 最後まで、各々おのおののことだと

 気づかなかった


 自分の為に働いていると思ったら

 見えない誰かのために働いて


 その幸せや喜びの中に入るには

 どうしたらいいか


 わからない


 でも、これだけは思う

 どこかで同じく頑張っている者がいたら

 いつでも味方みかたでいたい

 








































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