第55話 道

 ふと、不安になって

 立ち止まって

 何も間違っていないのに

 まわりの否定ひてい

 本来ほんらいは、らないはず

 じゃあ、見せてよ

 否定したその先を


 道は、いくつもあっていいはず

 なのに静かに走れるのは

 ここだけだと

 上手くいかなかったのは

 聞かなかった、お前が悪いと


 そう言われて、ずっとこの先の道を見て

 考えていたんだ


 本当にそうかな


 良い、悪いも無いはず

 だって、試験じゃないから

 もっと、自分の物にして良いんだから

 上手くいかないことは悪いことって

 どこに書いてあるの


 僕を評価するなんて

 無いはずだから

 未熟者みじゅくものでも世間知せけんしらずでも

 あるがままに行くよ


 きびしさやつらさ、さびしさしかないのなら

 ひとすじの勇気をにぎりしめて


 僕の気持ちだけが味方だから


 経験や知識なんて持ってなくても


 ここにいるのは何?

 立っているのは誰?


 僕が持っている唯一ゆいいつの光


 何にも邪魔じゃまされたくないんだ

 あきらめた理由が、それだとくやしいから

 ずっと、考えて悩んでいたんだ

 もしかしたら、とんでもないことを

 いけないことをやってるんじゃないかって


 そうじゃなくて

 違うとか合っているとかじゃなくて

 それが良かったと

 胸を張って歩いて行くこと

 難しくても納得いくまで進んで


 大丈夫だよ

 その恐怖と不安は時と共に

 たくましさに変わって


 振り返った先には

 いた否定ひていでなくて

 自信に満ちた肯定こうてい

 道が待ってるから




































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