第57話 真逆の意味

 楽しく話している時でも

 心のどこかで

 この関係が

 いつか壊れるんじゃないか

 感じてる俺がいる


 天邪鬼あまのじゃくなのか

 笑顔を見ながら

 照れ隠しで友達と話しながら

 距離がちぢまったとしても

 何かに怖くなって

 距離を置いて

 上手くいかないのが

 いつものことと安心して

 上手くいったら

 怖くて進めず

 悪いのは俺のせいだとなげ

 いつものように飲んで忘れる


 はじめの一瞬は

 すぐに楽しい時間になっても

 軽かった時間が重くなって

 上手くいっているようで

 頭で考えて行く中で

 かくしていたコンプレックスが

 徐々じょじょ身体からだを押さえ付けていく


 嫌いじゃないのに

 ダメなんじゃないかって

 合わないかもしれない

 根拠こんきょのない基準が頭の中をまわって

 悪い事ばかりが

 気持ちを離していく


 誠実な本当の気持ちは

 未熟な俺のせいで裏腹になって

 衝撃的な結末を迎えることも無く

 フェードアウトに向かう


 この連鎖れんさち切るには

 真逆でいなきゃいけないのに

 遊べる時は楽しいのに

 冗談も、いくらだって言える

 シリアスになると怖気おじけづく


 本当の俺は

 臆病おくびょうゆえ

 かくそうと、ふざけてしまい

 恥ずかしさから、嫌われるようなことを

 こんなんじゃないのにと真逆を目指す

 不器用者ぶきようもの





















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