夜更け (詩集)

第53話 期待

　朝、起きて

　同じことを繰り返す

　何かが起きるかもしれない

　歯を磨（みが）いて

　前の嫌な出来事だって

　もしかしたら、今日は違うかも

　期待を持って一日を迎える

　もし、今日が終わって振り返って

　何もなかったら

　疲れた身体で

　重い足で歩いて

　ふと帰る時に悩んだり

　今日の後悔を明日の期待で

　埋（う）め合わせをするかのように

　気持ちを見失ってしまう

　変わらなかった日々を希望に期待して

　その期待が無かった時の

　終わる一日は

　ただ、虚（むな）しい

　何かに期待していかないと

　次に進むことも出来ない

　もし、期待と言う変化がなくても

　何もなかったとしても

　何に落ち込んでいるのか

　それすら分からなかったとしても

　迷って、悩んで

　でも分からなくて

　期待だけはしていて

　それでも諦めが出来なくて

　今日を後悔しても

　また、明日に期待している

　それが、生き方になっていくのだろうか