夜更け (詩集)

第45話 日常

　同じ繰り返しの中で

　飽（あ）きるを通り越してやってきた

　まだ身体は休まってなくても

　家から出て一日を始める

　食べて行くのに

　必要なものは

　時間と自分でない自分

　大切なものが

　指の間からすり抜けて

　それでもやらなければ

　理屈（りくつ）なしで

　世の中は待ったなしだから

　甘えたければ、いつでも帰れる

　頭の中で弱い心が叫んでる

　何でもない自分に、いつでも戻れる

　強がってる暇（ひま）はない

　やれることはやってきた

　それがここにいられる術（すべ）だから

　不安なのか自問することが増えて来た

　自信がなくても

　頭と身体を動かしてきた

　確かめる方法はないから

　そのまま来た

　これでいいのか

　挫折（ざせつ）という恐怖が肩を叩いても

　決して、振り向くな

　ただ引きずり戻されるだけだから

　ここまで、頭で考えて来たんだ　

　前に進む度（たび）

　訳分からなく怖くなってきた

　同じ日常を重ねて

　不安な中を、自分に言い聞かせる

　これで間違っていなかったという

　人生にするんだろうって