第44話 夜の雨

 ただ笑っていた時とは違う

 何もかもが変わって

 一人でいることも多くなった

 夜の静けさの中で響く雨音も

 気にならなくなった


 元気な日もあれば寝込んでいる日も

 下手に悩むことも

 感情に振り回されることもなくなった

 生きてることを、ひたすら感じて

 寝込むときは寝込んでる


 一人で考え込むことも大事だって

 分かってきた今日この頃

 答えが見つからないまま

 手を伸ばしても届かない

 それでも進めるって分かったから


 無駄に意地張って、肩に力入れて

 何度も背伸びして取ろうとした

 あの時のお菓子のように


 いつからか

 それさえも欲しいと思わなくなった


 広い空を見過ぎてしまって

 本当に欲しいものなんか

 とうの昔に見失って

 目の前の甘さにひたってる


 変わっていくことは当たり前だから

 しかたないだろう

 言い訳なのか励ましか

 分からないまま

 雨音の中につぶや


 良いか悪いかなんて

 分かるのは、ずっと先のこと

 この空模様そらもようが変わるのは、いつだろう 

 

 しばらくは後ろで

 静かに振り続ける夜の雨































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