第43話 よそみ

 昼下がりの黒板に

 文字と共に小刻こきざみに軽く響いて

 どんな時よりも長く感じる

 後ろから見るながめは

 一生懸命な姿が段々、遠く小さくなって

 追い付くのが難しくて

 脳が休みたくて眠気を誘う


 退屈たいくつさせないために

 外の景色が誘ってくる

 小さな発見を見つけて

 油断をすると怒られるから

 ひたすら前を向く


 真っ直ぐ、同じ方向に進めないから

 たまに違う道に進んでみる

 同じ道は、もう他の人が行っているから


 よそ見して、寄り道して

 好奇心こうきしんに手を引っ張られて

 無駄むだの中をめぐって

 何もなかったとしても

 気づいたら一日が終わってて

 面白おもしろかったと

 こっそり夜の月に話して

 眠りにつくのじゃだめか


 周りは無駄にしないように

 よそ見なんてしないで

 一生懸命、貴重な時を過ごしている


 よそ見だらけで歩いて来たから

 無駄むだなことだらけの中で

 面白おもしろいものをひろって笑ってた

 それが貴重だと思ってた


 ここまで来たら

 大きな伸びだって、あくびだって出来る

 歩きたいところに進んで行ける

 降りかかる言葉は、振り払って


 笑って過ごしたことが

 大人になった僕を支えている























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