第28話 静けさ

 楽しく過ごした夜の帰りは

 余韻よいんひたりたいのか

 まだ物足りないのか

 歩いて一人時間をつぶ

 携帯の充電も気にしないで

 これも時間の無駄遣いなんかな

 ふとき出た寂しさをまぎらわせる為に

 遠回りして帰る


 あとどれくらい一緒に楽しめるんだろう

 それぞれ大切な人ができたら

 喜ばしいことと同時に寂しさが出てくる

 優先順位は変わっても、歩む方向が変わっても

 楽しんだ時間は思い出に変わっても

 また一緒にどこかで巡り会えるだろうか


 大変な思いをしていたのは

 一人だけじゃなかった

 語り合えば語り合うほど

 痛みや悲しみも分かち合えた


 孤独を何度味わっても

 強くならなくて

 弱さをひた隠して

 笑えなくて

 平気なフリも出来なくて

 泣いてしまって

 最後は笑顔にしてくれて


 折れた心に手を差し伸べて

 やけになるのを止めてくれる

 笑い声や、語り合った声が耳に残って

 まだ、そばにいて欲しくて


 自分の静けさに帰れずに、さまよっている

















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