第9話 雑音

雑音にかこまれて生きてきた

やること、なすこと

耳障みみざわりに飛び込んで

耳をふさぎ心を閉じていた


自分の音を

いつも心の中に

今にも、かき消されそうな音を

小さく鳴らしていた


音を出せば

否定を共鳴きょうめいした雑音が

不協和音ふきょうわおんとなって

鳴らした音を、かき消して鳴り響く


その度にかくし閉じ込めていた自分の音

時に静かな雨音と踊って

時に晴れた日にひびかせて

自分にしか出せない音を

誰の手にも止められないように


いくつかの小さな音が重なって

ハーモニーをかなでて

誰にも邪魔されないように

色んな人と踊って


過ごした時の思い出とともに


また誰かの心に

小さな音を残している















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