第2話 夜道

 かます言葉を、かわしながら

 進んでいく

 見知らぬ、素知らぬ、人知れず

 行こうか


 あの時代や、先の時代に

 憧れをつのらせても、はかなく消えゆくまま


 無情むじょうの中

 手探てさぐりでつかめるほど、優しくないから

 気持ち一つ手繰たぐせ、つかみ取れ


 なぁ、どうする


 怖くて逃げだすなら、今のうち

 優しくて温かいかこいへ逃げ出すなら

 その気持ちは、ずっと絵にかいた餅


 気持ち一つで、どこまでいける

 気持ち一つで、どこまで耐えられる

 気持ち一つで、どこまで生きられる


 分からないまま、先を進む


 怖いなら、逃げてしまおうか

 振り出しに戻り、避けてしまおうか

 決めた気持ち一つ、置き捨てようか


 恥かき、傷つき、悔しさ胸に

 夜道を一人、歩いていく




















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