新釈・ヘンゼルとグレーテル~ヘンゼルとグレーテルと…アイツ

夢月みつき

第1話「奴の名は」

継母に森に捨てられたヘンゼルとグレーテルは、自分の家から森へ来るまでにパンくずをちぎって、落としていました。


すると、途中で変な生き物がパンくずを食べて辿れなくしてしまったことに賢い妹、グレーテルが気づくのです。



兄のヘンゼルは、恐る恐る振り向こうとしました。

しかし、ヘンゼルは後ろから変な声が聴こえて来るので、兄に言いました。


「お兄ちゃん、振り向いちゃだめよ。このまま、早歩きで後ろの奴をまくのよ」

「なるほど。さすが、グレーテル」



後ろから、変な恐ろし気な声が本当に聴こえてくるのだ。

『おば、オバババ……』

「走るぞ。グレーテル!」

「うんっ!」

ヘンゼルは、びくびくしながらも、グレーテルの手を掴んで全速力で走りだしました。





しばらく行くと、ヘンゼル、グレーテル兄妹の目の前にお菓子で出来た家が建っていました。

屋根とドアにはビスケット、噴水はチョコレート、そして、ショートケーキの壁。

外に置かれているテーブルはスコーン、椅子はマシュマロです。

とても、お腹が空いていたヘンゼルとグレーテルは、お菓子の家を食べ始めました。



「おいしいっ!このショートケーキ、ほっぺたが落ちそうだあ~っ」

「このマシュマロも、チョコレートを掛けて食べると、とっても、おいしいわ」

その時、このお菓子の家に住む恐ろしい魔女が顔を出しました。



「お前たち、他人の家を食ったね?許さないよ」

その時です。ヘンゼル達を森の奥から追って来た奴が、姿を現しました。

『オバババ…お前の若さを吸い取ってやるぞえ~♡』

それは、時空を超え現れては、仲間を増やして去っていくと言う。

極悪非道の妖怪、ババンでした。



ババン婆は、金色の目をらんらんと光らせて獲物を見定めています。

「グレーテル、あいつから目をそらすな…ひるんだらこっちが殺られる!」

「うんっ、お兄ちゃん。私、負けない」

ピンと張りつめた空気の中、魔女がババン婆の放つ妖気で震えだしました。



その刹那、ババン婆が奇声を発したのです。

『ババッチャ!』

魔女は、ババン婆に飛びつかれてアリクイのような舌で、デス・キッスと言う名のディープキスをされ、若さを吸い取れられて行きます。




しもべ妖怪のババン婆と化した魔女は、妖怪ババン婆に連れられ時空の彼方に消えて行きました。

ヘンゼルとグレーテルは、この恐怖体験を元にお菓子の家を住家として、妖怪退治屋を始めました。ヘンゼルとグレーテルは、退治屋として名をはせ、幸せに暮らしましたとさ。



-終わり-


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

最後までお読み頂いてありがとうございます。

なんで、ババン婆が…( ´艸`)


あと、別サイトさまイベントお題あと、一つ…

書くかはわかりません。これも書く気はなかったのですが…( ノД`)

締め切り来年の1月……

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