第24話 死が二人を分かつまで
階段部分へと上がり、ようやく水面から出られた。そこでは涼野が待っていてくれて、早速俺たちの方へ手を貸してくれた。
「みんな、大丈夫!?」
「……ああ」俺は水面から出て、頷く。「でもまだ坂橋と杏子が残ってる」
「うそ、どうしてっ!?」
「俺らじゃ杏子を助けられなかったからな。全員でおぼれちまうよりは、ってんで、坂橋が残った」
「そんな……」
涼野は不安そうな表情を浮かべて、じっと水面を見つめる。水面から上がった秋希も、同じ表情でそちらを見ていた。二人はそれぞれ不安を少しでも和らげようとしたのか、手を握り合う。小暮も俺も、ただそこを見つめるしかなかった。
水面はそれ以上挙がってくる気配はなく、窓を見やると貯水槽からあふれた水もなくなっていた。変わらず豪雨が降りしきり、風も吹き荒れていたが水かさを増す要因にはなっていない。不思議な光景だった。この雨ならまだ水かさも増すだろうに。
俺たちは見守るしかなかった。水面へとライトを照らし続けて、人影が来るのを待つ。もどかしい時間だった。時折一秒が早かったり遅かったりするが、その感覚が同時に来るような状態だった。早く来てほしいという反面、時間が過ぎる度、迫る死に対する焦燥感。今更行くにしても、往復するだけで息をだいぶ使うし、息継ぎせずに戻るのも難しい距離だ。今さっきだって、ここまで来るときにはかなり苦しかったし。
二分くらい経過しただろう。そろそろ戻ってこないとまずいというのに、坂橋と杏子は現れない。
「……もうだめかもしれないな」
既に諦め状態の小暮。否定したかったが、時間がかかりすぎている以上納得できてしまう。いくらアイツが元運動部だからって、水中で二分以上息継ぎできるはずもない。
それからさらに何分か経過した。ギネス何かでは五分以上息を止められる人もいるだろうが、坂橋には無理だ。全員、既に諦めていた。
「坂橋くん……」
力なく涼野が呟く。傍らで、膝からゆっくりと崩れる秋希。べそもかき始めていた。
「最後位、二人とも仲良くしてほしかったな」
落胆しながら、惜しむように小暮が投げかける。
「そうだな」
何だかんだでいい奴らだった。あの二人のお陰で、俺たちがいても過言ではないと思っていたくらいだ。毎日会うたびに惚気て、そんなさまを傍らで見ているのは悪い気がしなかった。それももういなくなる。
悔しかった。もう少し早く戻っていれば。あの女子生徒と話し込んでいる暇なんてなかったのに。だが、悔いたところでもう遅い。俺は弔いの言葉を投げかけようと――。
したところで、動く二つの人影が水中に見えた。ライトを照らしてみると、金髪の男と女が泳いでいるのが見えた。正確には、女は男に支えられていた。
「おい、見ろ!」
悲嘆に暮れる三人を呼ぶと、三人とも顔を向ける。やがて二人は水面から顔を出す。男の方は勢いよく息を吐いたが、女の方は意識がなさそうだ。
「坂橋君っ!」
秋希の表情が変わり、これ以上ないくらいに微笑む。
「ちょっ、誰でもいいから手伝えって!」
坂橋も頑張りすぎて限界なんだろう。俺と秋希は手を差し伸べて、二人を引っ張る。坂橋は手を膝について呼吸を整えようとしたが、杏子の方は意識がなく、俺たちはその場に横にさせた。
「アン! 聞こえる!?」
秋希は杏子の頬を軽く叩いたりして、意識があるかを確認する。当然というべきか、反応はなかった。そこで心臓マッサージをしようと、手を重ねて杏子の胸部へと置く。リズムよく叩くように押したが、反応はない。そうすると次に人工呼吸をする必要があるが、秋希が行おうと杏子の鼻をつまんだところで、坂橋が制止する。
「人工呼吸はオレがやるから、秋希は心臓マッサージ頼む」
「え? あ、うん」そんなのを気にしている場合じゃないだろうが、秋希は頷く。「やり方は分かる?」
「あー、どうやんだっけ」
おい頼むぜ。今は一秒でも無駄に出来ないんだから。すると秋希が一旦杏子の顔側へ膝を置いて、形だけを見せる。
「まず片手で鼻をつまんで、もう片手で顎をちょっと上げてあげてから、口をちょっと開ける。後はそのままめいいっぱい呼吸を吸いこんで、口を付けたら風船を膨らませるようにするんだよ」
「分かった。やってみる」
場所を代わって、早速坂橋が準備に取り掛かる。動作は秋希ほどスムーズではなかったが、まずは一息目。これでもまだ目が覚めない。
「くそっ。世話の焼けるヤツだぜ」
「余計な事言わないの!」秋希が突っ込む傍らで、坂橋はもう一度人工呼吸をやろうとする。「待って! 心臓マッサージと人工呼吸は交互にやるの!」
「お、おう分かった」
坂橋はその場でゆっくりと息を吐いて、秋希が心臓マッサージをするのを見つめる。四、五階ほどやってみたが、これでもまだ眼が覚めない。
「アン、頑張って! 眼を覚まして!」
もう一度坂橋が人工呼吸をしても、意識は戻らない。再び心臓マッサージ、人工呼吸と何度も繰り返し行われた。そうしているうちに、不安に駆られる。他も同じく、杏子が目を覚ますようにと念じるように呟いていた。
「お願いアン、目を開けて!」
必死の願いも空しく、秋希の心臓マッサージでも目を覚めない。坂橋がもう一度人工呼吸をして――丁度その途中で、杏子が咳きこむ。坂橋が口を離すと、杏子はめいいっぱい水を吐きながら咳をする。瞬間、場の空気が弛緩した。
まだ意識も朦朧としているだろうに、秋希がたまらず杏子の名前を叫び、抱き込む。しばらく目を細めたのち、意識がはっきりとしてから杏子は秋希の肩に手をかける。
「……あれ、あたしまた……」
「良かった……! ホントに心配したんだからっ……!」
たまらず涙をこぼす秋希。俺もわずかながら、涙腺が熱くなる感触がした。やがて二人は身体を放した。
「ごめん。なんかあたし、皆に迷惑かけてばっかで……」
「そんなの気にしなくていいって。無事で何よりだよ」
微笑む秋希の瞼からは、涙がこぼれていた。それを見て、杏子はひどく悲しげな表情になる。気にしなくてって言われても、きっと気にしているんだろうな。杏子はその辺律儀だし。
「やっぱり、アキとトオルが助けてくれたん?」
「それは……」
言われて、秋希は坂橋の方へ目を向ける。杏子もそちらを見て、怪訝そうな表情を浮かべた。
「まさか……ウソでしょ」
「んだよオイ、文句あんのか」
坂橋は照れ隠しか、そっぽを向いてしまう。
「いやいや、絶対有り得ないって」
「でもね、本当なんだよアン」
杏子は再び秋希を見つめる。その表情はぬくもりに満ち溢れていた。決して嘘ではないと知り、再び坂橋と目を合わせる。
「アンタ、ホントに?」
坂橋は答えなかった。あんまりにも照れくさいんだろう。俺たちも特に、それ以上言葉を付け足したりはしなかった。これは二人だけの問題だからな。
「それより、これからどうするんだよ」
話題を逸らすように、坂橋が尋ねる。今更だが、俺たちの状況もあまりよくはない。服はびしょ濡れだし、俺の考えた手立てもほぼ潰えたも同然。マッチ棒はもう使えないし、アルコールランプとスプレーもどっかしらで無くしてしまったようだ。
「ひとまず、どこか安全な場所がないか探そう。みんなびしょ濡れだし、何か乾かせそうな物がないか探したりしないとね」
秋希は立ち上がり、上着を脱いで軽く絞る。ブレザーとズボンはそこまででないにしろ、シャツはぐしょぐしょだった。俺の場合、靴下にパンツずぶぬれで、出来ればどっかで脱ぎ棄てたいくらいだ。他も多分そんな感じだろう。涼野は耐えきれなかったのか、靴下を絞ったもののそのままはき直す。
ひと心地ついて、俺たちは階段をのぼり二回へと上がろうと立ち上がる。そこで松葉杖を無くした杏子が、立ちすくんでしまった。だがそこへ坂橋が、渋い顔をしながら肩を貸していた。
「……ありがと」
坂橋は鼻を鳴らすだけだった。とりあえずはこの形で移動するようだ。それを見て、早速二階へと上がる。水かさはあれ以上まして来ないようで、ひとまず二階は大丈夫らしい。
ふと横に並んでいた秋希が、速度を落として坂橋の隣へと行く。
「坂橋君、よく無事だったね。あれからもう五分以上は建ってたのに」
「別に大したことじゃねぇって」照れ隠し――という素振りは見られない。あきれたようにため息をついていたからだ。「浸水したのは一階だけだろ? だから窓開けて、水面まで上がったりしながらやったんだよ」
翌々考えれば当たり前の話だった。俺たちがこれまで窓を閉めたりしていたのは、風が来ないようにするためだった。窓を割り、机が舞う程の強風を避けるため。だが水の中では、風など意味をなさない。なら普通に窓を開けられるし、二階まで水は来ていない。そうすりゃ、近くで息継ぎもできるな。
「確かに……」
涼野も納得したようで、頷く。
「っても、こいつはマジで危なかったけどな」
坂橋の言葉に、秋希と杏子が興味深そうに顔を向ける。
「アンはどうしたの?」
真っ先に知らないと首を横に振る杏子。だが質問は坂橋に向けられたものだった。
「息継ぎした度に空気を送ってたんだよ」すると恥ずかしそうに、唇へ手を置きながら顔をそむける杏子。「効果あったかは知らねぇけど」
「でもそういうのは結構大事だよ? だからきっと助かったんだと思う」
少しでも空気を送った方が、送らないよりは助かる確率も増えるしな。だから五分以上戻ってこなくても平気だったってか。しかし坂橋め、よく気が付いたな。普段からそれくらい賢けりゃ、赤点になんてならないだろうに。
「そのお陰で助かったんだし。本当に心配したんだよ……?」
涼野も瞼を潤わせながら微笑む。それに答えたのは、杏子だった。
「ホント、あたしみんなに迷惑かけてばっかだね。何か、マジでごめん」
「アンは何も悪くないって。だから謝らないで」
杏子はうん、と力なく頷く。これ以上自分を責めても余計心配させるだけだしな。秋希もそういう性格だし。
四人の話はそこでいったん途切れて、再び廊下が静まり返る。俺は窓へと顔を向けた。さっきは僅かな間ながら、外の景色がはっきりと見えた。だが今はもう見えない。もしあの時逃げてたら、杏子は助かっただろうか。まあ俺は何もしてないけど。
それより、俺は小暮の方が気になった。あれ以来ほとんどしゃべってないからだ。
「小暮、どうした」
試しに声をかけてみると、小暮は力が抜けたようなまなざしを向ける。
「……おれ、今夢見てるんだろうか」
「なら良かったけどな」
これまでに感じたあらゆる感触は、夢にしては現実的すぎる。感情すら、寝ているとは思えなかった。
「信じられれねぇよ。幽霊だとか、怪奇現象だとか」
相変わらず否定――というよりは、信じたくないのだろう。声色も弱々しく、べそをかくようにかすれていた。
「あの人体模型はどう説明尽くんだ? 中に誰か入ってるとでも?」
「でも……」
「それに一階が浸水した理由は? 氾濫が起きたって感じじゃないだろ」
もしそうなら、一階を進水させたところで水が止まるのもおかしい。それに原因は、屋上のタンクが破裂あるいは倒壊したせいだ。
「……ちきしょう。何でこんな目に……」
随分と弱気になってしまう小暮。さっきまでの強がりはどこへ行ったのか。まあ無理もないか。動く人体模型に、坂橋と杏子が陥った死の危機。これ以上責めるのも酷だろう。
残念ながら、俺たちが休める場所はなかった。服を乾かすにしても、暖房が動かない。そもそもない教室の方が多いため、服を濡らした感覚に馴れる他ない。火も使えないし。
あちこち回って、再び理科室へと来ていた。先ほど出立する際に、アルコールランプを消すべきじゃなかったな。他にマッチ棒がないかと探してみたが、全て空箱だった。ったく、誰だよこんなに使いやがったのは。しかもゴミくらい捨てろよ。
ガスバーナーという手も考えて、試しに組んでみたものの火は点かなかった。電気が通ってなけりゃ、ガスも通ってない。そもそもガスバーナーにもマッチによる点火は必要だ。つくづく最悪な状況だな。そういうワケで、俺たちは身体を冷やしたままでいるしかなかった。
唯一、俺たちよりもマシな二人がいる。坂橋と杏子だった。二人はこれといった会話もなく、なのにさっきと比べてもかなり距離が近い。互いに体を寄せあい、身を温め合っているようだ。俺たちはその様子を、ちらりとではあるが確認して次の行動がないかと様子を伺う。外野がはやし立てるのも何だか違うだろうし。
沈黙が続いた。もうすっかり窓に打ち付ける雨の音にも慣れてしまい、違和感を感じなくなってきた。というか、世の中に雨じゃない瞬間なんてあるんだろうか、などとくだらない与太話すら思いついてしまう。だからって口にはしないが。
他のヤツも何か思いついているだろうに、喋ろうとしない。さっきの疲れが残っているからだろうか。雰囲気自体は悪くないってのに、もどかしい。
「……ねぇ」
あまりの暇さに、うたた寝へ入りかけたところだった。杏子の声が聞こえたので、そちらを向く。しかし呼びかけは、俺ではなく坂橋に対する物だった。
「何だよ」
ぶっきらぼうな返事を返す坂橋。
「ホントなの? アンタが助けてくれたって話」
手伝った秋希と小暮は、顔を伏せたり背けたりする。
「だから、そうだってゆってんだろ」
「どうして助けてくれたの」
返事はなかった。まあ坂橋が何を考えているにせよ、それを口に出すのは難しいよな。こういう言葉を正直に話せないのは仕方がない。
「別に……なんでもねぇって」
「そう」
そっけない返事をする杏子。もどかしい空間だ。後一言だけでも付け足すだけでもいいと思うのに、どうしてもその一言が言えないんだろう。そこからまた沈黙が続き、ふたりの会話は宙ぶらりんとなった。こうなったら一言でも背中を押してやるべきか。そう思った矢先、坂橋が杏子に呼びかける。
「……悪かった」
「何が」
不機嫌そうに返事をする杏子。あえて機嫌悪そうに演じているだけだ。でも本当は、坂橋からの言葉に嬉しくてたまらないんだろうな。杏子はそういう性格だし。
「だから……」そこで坂橋は言葉を止めてしまう。あと一歩なんだよ、あと一歩。「……だから、約束したのに、平気で遅刻したりとかして……」
「ふーん」
「それと、駄々こねたりして……」
言葉は最後まで続かなかったが、それでも杏子には十分伝わった。後は、杏子の方か。
「どうしていつも遅刻したりしてたの」
坂橋は質問に答えなかった。あるいは答えられなかった。っても、俺はどうして坂橋がよく遅れたりするのかは分かる。多分杏子を前にしてかっこつけたいんだろう。よく連れションをする際、坂橋は便所を済ませた後によく髪をいじくったりしている。そのへんはうるさい方みたいで、とにかくこだわるようだ。おかげで何度か、授業にも遅れかけたりしている。杏子とデートする際に遅刻するのも、多分見た目を少しでも良くしようとしてしまうからだろう。
「……あんま、かっこ悪いトコ見せたくねぇからだよ」
拗ねるように、坂橋は答える。杏子は一旦奴の方を向いてから、顔を逸らしてふうんとため息をつく。
「お前こそどうなんだよ。アイツと付き合うのか」
二人の関係が崩れた原因でもある、杏子の浮気疑惑。俺たちも詳しい情報は分からなかったので、耳を傾ける。杏子はしばらく黙りこくったのち、首を横に振った。
「コクられはしたけど、受け入れてないし」
「マジで?」
「そもそもタイプじゃないし。うるさいし汗臭いし、うざいし暑苦しいし」
杏子に告白したヤツの事なら知ってる。確かに熱血系って感じだな。良くも悪くも体育会系で、とにかくやかましいヤツだ。俺はあんまり嫌いじゃないけどな。裏表の差もあんまりないし、わりかし気を利かせられるタイプだからな。
「いつ断ったんだよ?」
「コクった翌日」
「何でそれ言わなかったんだよ」
「それは……」言葉を濁す杏子。少し間をおいてから、話を続けた。「……アンタがどーゆー反応するか見たかったから」
「オメェよぉ」
「だって、あたしの事大切にしてほしかったんだもん。別の男に乗り換えるって思わせたら、二度と雑に扱ったりしないかもって思ってたのに」
「だからって、思わせぶりな態度取るか、フツー」
「当たり前でしょ、そんなの」
坂橋は理解できなかったようで、乱雑に頭をかきむしる。俺はそういう経験こそないが、杏子の気持ちは理解できる。というのも、過去に何度か似たような相談をされたりしてきたからだ。その時から答えは変わらず、「自分の彼女なんだから大切にしろよ」と何度も言ってきた。まあこれは親父の受け売りなんだけどな。最初に相談された時、自分じゃ分からないんで親父に相談したら、あれこれ言った後でそう告げてきたんだ。だから俺も言葉を借りて、以降は同じことを伝えてる。
「でも……」杏子が顔を伏せる。「……アタシも、ごめん。結局アンタに嫌な思いさせちゃったし」
弱々しい発言に、坂橋も悲しげな表情になる。
「責めてんじゃねぇって。ただ……」
またしても歯切れの悪い部分で止まる。だが坂橋は、言葉の代わりに杏子の頭へ、軽く手を置いて優しくなでる。杏子は口元をほころばせながら、涙を流してゆっくりと坂橋の肩へ頭を預ける。
多分これで仲直りは済んだんだろう。お互い頭を寄せ合って、冷えた体を温め合う。ようやく俺たちも、片の荷を降ろせるな。
なんて感傷に浸っていると、涼野がわざとらしく咳払いをして二人の前へ向かう。
「その……仲直りできたのはすごくいい事なんだけど……」すると涼野は、腹黒い笑みを浮かべた。「ホラー映画だと、いちゃついてるカップルが最初の犠牲者になるから、注意してね」
「ちょっと、コトっちっ!」
ややキレ気味に声を上げる杏子。
「だ、だって本当の事なんだよ! それに二人には犠牲になって欲しくないし、注意してほしいって思って……!」
「だからって水を差すか、フツー。空気読め空気」
「ごめん……」
しゅんと肩を落とす涼野。坂橋は杏子と目を合わせて、首を横に振ってからわずかに微笑むと再びそちらを向く。
「まあ、忠告は聞いといてやるから」
「まだ迷惑かけるかもだけど」
「……うん」
涼野も心が晴れたように、笑みで返す。全くお騒がせな二人だ。でもこれで、今後はこいつらに心配をしなくても済むってのは有り難い。それにこいつらは似た者同士何だし、やっぱりべたべたしている方が合ってるからな。
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