第3話「思い出」

大学の卒業アルバムを見て。

「あの時は輝いていたな……」と黄昏ていた。


「それに比べて今は」

「あの時に帰りたいな……」


そんな思いが渦巻いてきて。


次の瞬間、アルバムをビリビリに引き裂いた。


「ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう!!!」


感情の爆発が抑えられない。


「認められるか、認められるか」

「こんな惨めな今なんて」

「ちくしょう」


「思い出なんかいらん!」


卒アル「だったもの」をゴミ箱に捨てる。


僕は、今を生きることにした。


(205)

(2023.12.15)

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140字小説「滑稽」 ケイキー @keikey

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