プロットツリーの作り方

富本アキユ(元Akiyu)

第1話 プロットツリーの作り方

はい、どうも。こんにちは。

富本アキユです。


今回は、富本アキユ流のオリジナルのプロットの書き方を紹介するよ。

プロットってどうやって書くの?

何書けばいいのか分からないよ。どうやって書いてるの?

そんな人に需要があればいいなと思って書いてみます。


では、まずプロットって何?って話。

プロットというのは、物語の設計図だと思ってくれたらいいです。

家を建てるとしましょう。

はい、では早速、家を建てましょう!!


とは、ならないですよね。

家を建てるには、ここにトイレが欲しい。あそこを風呂場したい。リビングはこれくらいの広さが良い。そんな感じで間取りを決めたりして、まずは設計しますよね。

そう、設計図がいるんですよ。

後からやっぱりリビングをもっと広くしたい!!とか建ててから言われたら、大工さんも困っちゃいますよね。


物語も一緒です。

「はい、じゃあ早速書いてみましょう!!」


と、いきなり書き始めます。

それじゃ、書いてたらぐちゃぐちゃになるんです。

途中で辻褄が合わなくなったりして、結局その作品は、修正に大きく時間を取られる。ついには、作品を完成させられず没になる。

その作品に費やした時間と情熱、勿体ないですよね??


そうならない為にプロットを作りましょうねって話なんです。

まあ行動も大事ですが、まずは、どう動くか決めましょうねって事です。


それで?

プロットが大事なのはわかったけど、どうやって作るんだい?

アキユちゃん。


そういう話なんですけどね。

アキユちゃん、プロットの作り方を沢山勉強しました。

20冊くらいの創作理論の書籍を読んだんですよ。

その結果、分かった事。


”プロットに形式や決まりはない。作品が完成するように理解できるように書ければそれで良い”


ええー!?

俺の努力何なん!?


ね?お金も時間も費やして分かったのは、こういう結論。

それじゃ、あんまりじゃないですか。


それから試行錯誤したアキユちゃんが辿り着いたのが、オリジナルのプロットの作り方であるプロットツリーという方法。


プロットツリーって何なのよ?

早速説明しましょう。


ステップ1

まずは、大きな白い紙を用意してください。


はい。用意しましたか?

その中に地面と大きな木の絵を描いてください。


これは、あなたの作品という大樹です。

この木に名前を付けましょう。これが作品のタイトルになります。

例えとして、富本アキユが今、頭に浮かんだもの…。

「罠の結晶」とでもしましょうか。


そうだ、俺の新作のタイトルは「罠の結晶」だな。

はい。これでまずプロットに必要不可欠な作品タイトルが決定しました。


ステップ2

地面と木のてっぺんを書く。


次に地面と木のてっぺんを書きます。

地面っていうのは、スタート地点です。

物語のオープニングですね。どんなオープニングにしよう。

うーん、そうですねー。罠の結晶だからな。

「冬」、「雪の結晶」、「冤罪」

そんなワードが思い浮かびました。

書いてみます。


~オープニング~

雪の降る寒い日。男の元に一通の手紙が届く。

<私はあなたを許さない。人殺しのあなたに必ず死を持って罪を償わせる>

そんな脅迫めいた文章が届く。

そして事件に巻き込まれていく。


地面は、まあこんな感じにしましょう。

地面の部分(紙の下部分)に、今考えた事を文字で書いておきます。


続いて、木のてっぺんを書きます。

これが物語のエンディングになります。


~エンディング~

事件を解決し、主人公の男は殺人事件の犯人でない事を自ら証明する。

誤解を解いた一週間後、ポストを見ると一通の手紙が入っている。

あの手紙と同じように、差出人の名前はない。

だけど今度は、誰の仕業か想像はつく。

<私はあなたを許さない。あなたのせいで、大嫌いだった冬が、忘れたいと願っていた冬を忘れられなくなってしまった。次にあなたの前に現れる時には、もっと魅力的な女になって、私を振った事を必ず後悔させてあげます>

手紙を読んだ男は、思わず笑ってしまった。

冬は終わる。そして春が来る。

春は桜の季節だ。桜色の服が似合う素敵な大人の女性になった君と、また逢える日を楽しみにしているよ。

男はそんなことを思いながら手紙を大事に折り畳んで、机の引き出しの中に入れて保管した。


よし、こんな感じで終わろう。

木のてっぺん(紙の一番上部)に文字で書きます。

ここがエンディング。最終的に目指すゴール地点です。


ステップ3

木の幹を書く。


木の幹とは何か。

地面から木の一番高いてっぺんの場所まで伸びる太い部分の事。

つまりてっぺんまでの太い道ですね。

ここを物語の本筋として書きます。

メインストーリーですね。


(メインストーリーの流れ)

手紙の差出人は、女子高生だった。

女子高生の父親は、自宅に押し入った強盗によって殺された。

女子高生は、犯人の首にある特徴的な傷の形を覚えていて、首に傷がある男を捜していた。

女子高生は、電車内で首に特徴的な傷がある主人公を見つけ、自宅まで尾行して家を特定していたから脅迫文をポストに入れた。

一方、強盗殺人犯である女子高生の学校の男性教師は、女子高生を殺すチャンスを窺っていた。

そして女子高生は、男性教師に襲われて殺されそうになる。

男性教師が犯人であると突き止めた主人公は、女子高生に身の危険が及んでいるかもしれないと思い、急いで助けに行き、女子高生を間一髪のところで助ける。

男性教師は逮捕される。


ステップ4

枝を書く


木の幹から枝が生えています。

枝は何本あってもいいです。むしろ沢山あればある程良いです。

これはサブストーリーのアイデアとして、置いておきます。

採用するかどうかは分からなくても、とりあえず思いついたアイデアを木の枝として書いておきます。

邪魔な枝は、後で切り落とせばいいんですよ。

とりあえず枝を沢山増やしましょう。


枝の例

・主人公が甘党で、冬のスイーツである、ぜんざいを食べて女子高生にぜんざいの魅力を語る

・女子高生と和菓子か洋菓子かで揉める

・主人公の首の傷は、幼稚園の時に遊具から落ちた時にできたもの

・カフェでぜんざいを食べていたところで、女子高生に話しかけられて出会う


ステップ5

沢山の木の枝の中から、使えそうな木の枝(サブストーリー)を木の幹(メインストーリーの流れの中)に組み込む。


一本の大樹としてみた時、地面から木の幹を通って、てっぺんまでまっすぐ伸びた道筋が不自然じゃないかをチェックする。


これでプロットツリーの完成です。


つまりですね。

プロットを一本の木の絵として描いて、可視化するわけですね。


小説は文字で書くものなんだから、プロットも文字だけで書かなければならない。

そんな固定観念をなくせば、違ったものも見えてくるのではないでしょうか。




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