第29話 神聖教会

 

 リーナ教の現人神になったリーナは、ますます引き籠もりになって行く。


 神ともなると、気軽に人々の目に触れる訳には行かないのだ。


 そんな理由を付けて、快適なプールやプライベートビーチまである王城で、ぐーたら過ごす。大好きな素っ裸で。

 神ともなると、存在自体が神々しいので、服などの装飾物など邪魔になるのだ。そんな理由を付けて。


 相変わらず、ミントが足のケアをしてくれている。本当に、足の指の間をマッサージしてくれるのは気持ちいい。


 そんな快適ライフを送ってる間にも、天才メイドのミミは働いている。


 そう、リーナ教の布教に、躍起になってるのだ。

 リーナ神聖国の国民は、全てリーナ教の信者になったが、王位継承権のドタバタ中、アマン貿易国を乗っ取ろうとしてきた隣国は違う。


 元々あった。宗教の力が強いのだ。

 その宗教は、回復魔法を餌に信者を増やしてた宗教で、高いお布施を払うと、怪我や病気を治してくれる感じ。


 まあ、ありがちな宗教なのだけど、この宗教が、カマリカ大陸を牛耳ってるからタチが悪い。


 リーナ教を敵視し、どうやら刺客までも、リーナ神聖国に送りこんで来てるようである。


 しかしながら、これは、リーナが『鑑定書き換え』スキルで作った『リーナの敵を感知する指輪』のお陰で、全員、リーナに辿り着く前に、撃退されてたりする。


 一応、補足として、現在、リーナの『鑑定書き換え』スキルは、Lv.100。

 リーナ神聖国の国民を全て知る為に、全員、死ぬ気で鑑定したら、いつの間にかLv.100に達していたのである。

 それにより、消せる文字も、書き加えられる文字も10文字になったのだ。


 とは言っても、刺客は後を絶たない。

 面倒くさいので、『リーナの敵は侵入不可』丁度、10文字を、城とリーナ教総本山を鑑定して書き加えてやった。


 やはり、10文字になると楽。

 昔は、3文字以上の書き換えは、鑑定固定期間?『鑑定書き換え』スキルで、名前が完全に、そのものに馴染んで安定するまで、次の書き換えが出来なかったのだけど、10文字だと一発で終わってしまうのだ。


 これで、リーナがいつもフラフラしてる城にも、リーナ教総本山にも敵は入ってこれないので、安心して素っ裸で行動出来るのだ。


 基本、リーナ神聖国は、南国だから暑いしね!


 とか、やってると、ミミが、リーナが引き篭ってる王城の書庫部屋に飛び込んで来た。


「大変です!神聖教会の軍隊が攻め込んできました!」


「なんで?!」


 リーナは、意味が分からない。

 神聖教会とは、例の、リーナ教を敵視してる教会。


「リーナ教が、神聖教会の取得権益を奪ったからと思われます!」


 そう、最近、ポーションの原料の魔聖水だけでなく、ポーション自体を扱うようになったのだ。

 それも、リーナ商会でじゃなくて、リーナ教の各地の教会で。


 しかも、神聖教会に勝つ為に、神聖教会の治癒の魔法より、安くね。

 しかも、神聖教会の治癒魔法より、少しだけ効くように細工して。


 しかも、神聖教会では、どこの教会にも、治癒魔法を使える者を司祭として配置しなければならないが、リーナ教の教会の場合、レアな治癒魔法士を置く必要がない。

 だって、ポーションだし。


 誰でも、司祭が出来ちゃうのである。

 ポーションだって、お金が掛るだろ?


 ノンノン。『ポーションが湧き出るヤカン』を使ってるから、タダなのです。

 しかも、環境を考えて、瓶も回収してる。

 1瓶50マーブルと設定したら、喜んで、使い終わったポーションの瓶を持ってきてくれるし。


 そして、そんなリーナ教会に脅威を感じた、新聖教会が、悪魔リーナを討伐する為に、リーナ神聖国に戦争を仕掛けて来たのだ。

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