第25話 リーナ商会

 

 リナが、リーナ商会を立ち上げ、アーモンド侯爵領の経済を掌握すると、何故か、アーモンド侯爵が焦ってくる。


 早く、リーナとエドモンドを結婚させようと。


 今の状態は、ただの婚約者。だけれどもリーナは、金の成る木。

 エドモンド様は、リーナのストーカーに成り下がってしまってるので、最早、エドモンド様に、アーモンド侯爵は期待してないのかもしれない。


 ならば、リーナとエドモンドを、とっとと結婚させて、その息子に掛けると決めたのかもしれない。


 そんな感じで、アーモンド侯爵は、リーナに尋ねて来たのだ。


 リーナとエドモンドの結婚を早めては?と。


 なので、リーナは、可哀想なのでOKしてあげた。

 アーモンド侯爵には、居候させてもらってる恩もあるし、アーモンド侯爵の地位を、リーナに移譲させるのを交換条件として。


 そしたら、意外にも、アーモンド侯爵は簡単にOKしてくれた。


 リーナは、アーモンド侯爵夫人のマリア様と、エドモンド様と、シャーロットの命の恩人だからと。

 こうして、リーナは、晴れて、アーモンド侯爵になったのだった。


 勿論、エドモンド様とは仮面夫婦。


 一応、エドモンド様も、書庫部屋に住む事となったが、今迄通り空気として接する事にする。


 元アーモンド侯爵は、早くエドモンドとリーナの子供の顔が見たいかもしれないが、リーナは、男とチョメチョメするのは、絶対に無理なのである。


 なので、リーナは、エドモンドに赤飯を買って来させ、その赤飯を共同名義にすると誓わせる。


 エドモンドは、???と、思ったと思うが、ガン無視して、赤飯を鑑定すると、


『リーナとエドモンドの赤飯』


 もう、分かるよね!


 これを、【鑑定書き換え】スキルで、チョチョイとすると、


『リーナとエドモンドの赤ちゃん』と、なるのだ。


 まさか、赤飯から、リーナとエドモンドの赤ちゃんが生まれるとは、なんとおめでたいのだろう。


 なんか、つっこみどころ満載なのだが、どこかの宗教の聖母は、妊娠せずに子供を産んだらしいから、これはこれで有りなのだ。


 伝説にも成りそうだし。


 元アーモンド侯爵も、元アーモンド侯爵夫人のマリアお義母様も普通に喜んでたので、何も問題ない。


 因みに、男の子で、名前はライスと名付けた。赤飯から生まれたからという訳では無かったが、ただ、リーナが覚えやすかったというだけだとは、誰にも言わない。


 リーナも、エドモンド様も美形なので、きっと綺麗な男子に育つだろう。


 ライスの乳母は、サラさんに決定。まあ、サラさんの娘、ライムとも、ライスは、一応、血の繋がりもある筈なので、何も問題ない。


 元赤飯なのに、血の繋がりがあるのかって?


 多分、赤飯の赤が、血を示すのだろう。

 完全に、後付けのこじつけだけど。


 まあ、こんな感じで、アーモンド侯爵としての子供を残すという責務を成し遂げたリーナは、無敵の人となったのだ。


 もう、誰も、リーナを責める者などいない。

 子供を作ったから、エドモンドを、部屋から追い出しても問題ない。


 全てが、計画通り。


 リーナの書庫部屋に、また、平穏な日々が訪れたのであった。


 ーーー


 リーナが、アーモンド侯爵になってから、1年の歳月が過ぎた。


 リーナ商会は、他領にも進出し、現在では、マリリナ王国一の大商会に成長している。


 まあ、売ってるものが、全て達人が作る商品となってるので、当然なんだけど。

 しかも、その作ってる職人の給料が、子供のお小遣い程度、しかも、原料も、リーナが【鑑定書き換え】スキルで作った、湧き出るシーリーズなので、タダ。


 ハッキリ言ってボロ儲け。


 しかも、リーナは、マリリナ王国各地で、体が腐る奇病により荒廃した都市を周り、炊き出ししまくり、完全に、マリリナ王国全土で、聖女と言われるようになっちゃったし。


 そして、孤児も、各地で攫って来て、リーナ商会の従業員にしていったりして、社会貢献もしっかりしているのである。


 お小遣いで、働く従業員、本当に最高。

 そして、攫っきた孤児の食べ放題の食事の時に飲める、飲み放題の元気になるジュース。

 これ、実を言うと、タダの元気になるジュースではない。


 リーナに絶対服従するようになる、元気になる中級ポーションだったりする。


【鑑定書き換え】スキルで、何度も書き換えと、固定を繰り返し作った、美味しくて中毒性がある、リーナに絶対服従ジュース。


 これを飲めば、いつまでも、リーナが作った宿泊施設であるリーナ教会に住み続け、お小遣い程度の給料で、ずっと働いてくれるのである。

 まあ、歳をとったら、給料も上がるので、結局は、従業員も得するかもしれないけど。

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