第24話 リーナ、孤児を救済する

 

 炊き出し作戦により、アーモンド侯爵領民に、『聖女リーナ』を覚えさせた次のミッションは、ズバリ、孤児の救済。


 孤児を、妄信的なリーナの信者にする作戦である。


 でもって、天才メイド、ミミの作戦はこうだ。


 親が居なくなった孤児に、毎日食事を食べさせてあげると言って攫って来て、工場で働かせる。ただ、それだけ。


 そして、リーナの仕事は、綺麗な金槌や、綺麗なノコギリ、綺麗なハサミ、綺麗な包丁、綺麗なまな板など、綺麗にした道具を鑑定するだけ。


 まあ、無理矢理、『綺麗な』という文字を出す為に、最初に汚すんだけど。


 例えば、『綺麗な金槌』と鑑定できたらしめたもの。


 最近、『鑑定書き換え』がLv.40になり、文字を4文字、消したり書き加えたり出来るようになったのを、最大限に利用する。


『綺麗』という2文字を消して、代わりに、『達人に』と『る』の4文字を、上手い具合に付け加えると、なんと、『達人になる金槌』となるのだ。


 そしてこの『達人になる金槌』や、『達人になるハサミ』を量産して、孤児に持たせ、アーモンド侯爵に命令して作らせた巨大工場で、リーナが請け負った色々な物を

 量産させるのである。


 人件費は、食事代だけ。と言っても、食事が湧き出る鍋を使うから、最初に1回作るだけ。

 そして孤児の宿泊施設は、リーナ教会。


 リーナ教会では、毎日、聖女リーナを称えてお祈りしてからご飯を食べるのだ。


 食事は、毎日、豪勢なステーキとか、ハンバーグとか、元気になるジュースとか食べ放題、飲み放題。


 毎月、お小遣いも、年齢別にあげちゃうし。


 5歳の子には、5000マーブル。6歳の子には、6000マーブル。12歳の子には、12000マーブル。

 庶民のお小遣いとしては、多いぐらい。


 なので、実際は、それ以上に稼いでくれてるのだが、孤児達も大満足してしまうのである。


 ミミは、上手く行き過ぎて満足顔。


 それにしても、達人になる金槌、凄すぎる。

 だって、初めて金槌やノコギリを持った子達が、街の凄腕職人を越える、テーブルや椅子を作りあげてしまうのだ。


 料理を作らせても、とんでもない料理を作ってしまうし。


 で、こんなとんでもない物を作ってしまう孤児を手に入れたミミは、リーナ商会を立ち上げる事を宣言したのだ。


 なんか、ミミに全て任せてたら、簡単に世界征服出来てしまう勢いである。


 多分、最初に金を稼いで、金の力で世界を牛耳るつもりなのであろう。


 リーナが、ミミに、『超記憶』スキルを与えて天才にしたのだが、ミミの物凄さは、留まる事を知らないようである。


 そして、リーナの仕事は、そんなミミの頭をヨシヨシ撫でる事。ただこれだけ。

 違った、一緒ににお風呂に入って、洗いっこする事だった。


 可愛い美幼女を、イタズラし放題って最高じゃん。石鹸使うので、滑ってハプニングとかも結構、起こってしまうしね。


 そして、3ヶ月後には、リーナは、完全にアーモンド侯爵領の経済を掌握する事に成功していたのだった。


 ミミの体を、綺麗に洗い上げただけでね。

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