第5話 お友達?
頭はまだ痛いが、気持ち悪いとかはないのでモキュモキュと美味しくいただく。
「めちゃ美味しいです。今度作り方教えてください」
「いいですよ。でも、そうするとまた会うことになりますけどいいのですか?」
「どういうことでしょう?」
「合コンの場で女性を楽しませる事もできず、独り勝手にお酒を飲んでいるだけの男ですよ。一緒にいても面白くもなんともないでしょう?」
確かに合コンといえばワイワイと大騒ぎしながら親交を深めるって感じのものだけど、そういうのが合う合わないって言うのもあるだろうし。
「それ言われると昨夜のわたしはどうしようもない女になっちゃいますよ。陣内さんこそいいんですか? わたしみたいなへんてこな女と」
「是非に」
「ではわたしも、是非に」
食後に
「じゃあ帰りますね。ラインも交換したし、いつでも連絡くださいね」
「送っていきますよ。車あるで」
「そんな。申し訳ないですよ」
「どうせ買い物に出ないといけないので、ついでですよ。気にしないでください」
「そうですか。ではお言葉に甘えます」
「では行きましょう」
運転する陣内さんの横顔をちらりと見る。
「どうかしましたか?」
「あ、いや。面白いものだなぁって思ったんです」
「何がですか?」
「昨夜の合コンじゃほぼ全く話さなかったじゃないですか。でも今はこうやって家まで送ってもらっています」
「言われてみるとそうですね」
「えっと。敬語で話すのはお互いに止めません?」
「そうですね。いや、そうだね。お互い堅苦しいのは無しで」
いつまでも敬語で話をしているとなかなか仲が良くなっていかない気がしているのよね。
どうせなら気軽な間柄になりたいじゃない?
「さっきサチからラインがあったんだけど、昨日の人とはワンナイトワンショットで別れたんだって」
「サチさんと一緒に行ったのは水木だったかな。へー、案外と合っていそうな気がしていたんだけどなぁ」
「他の二人も似たりよったりだったみたい」
「じゃぁ、仲良くなったのは僕らだけってこと?」
「そうみたい」
「合コンじゃはみ出しものだった二人が一番なんて面白いね」
陣内さんもわたしと仲良くしてくれる気満々なんだね。よかった。わたしだけその気だったらどうしようって思っていた。
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