第3話 全裸で寝てた

「うーん……頭痛い」


 目が覚めると同時に激しい頭痛に襲われる。


 それでもゆっくりと目を開けると段々と意識がはっきりしてきた。


(あれ…………ここ、わたしんちじゃない。え? どこにいるの?)


 でもベッドに寝ているし、横を見ると昨日着ていた服も畳んでおいてある。と、いうことはと布団の中を覗くとショーツは履いているけどブラはつけていないという素敵な格好のワタシ発見!


 あ、ブラジャーはベッドのヘッドボードにご丁寧にかけてあった。寝るときまでブラするのわたし嫌いなんだよね。なんて呑気なこと言っていないですぐさまブラを取り寄せ装着する。


 周りを見回すと清潔感はあるが全く見覚えのない部屋にいる。とりあえずサチの部屋ではないことは確かなようだ(彼女の部屋はいつも散らかっている)。


 床の上に妙にきれいに畳んであった服を一つひとつ拾い上げ順番に着ていく。ベッドに入る前に脱いだ(若しくは脱がされた!)らしく幸いにもシワになっていないのでこのまま着て帰れそう。


 服を着ると恐る恐る、部屋のドアを開ける。と、そこに部屋の主らしき後ろ姿を見つけた。


「やぁ、やっと起きたのか?」


「え、あ、と、はう! 痛っつー」


 二日酔いの頭痛はそうは簡単には治ってくれなさそうだ。びっくりついでに激しい頭痛に襲われる。


「大丈夫? コーヒーでも飲むかい?」


「あ、はい。お願いします……」


 優しく気を使ってくれるのは昨夜無口で無愛想だった陣内さんだった。


 陣内さんは白のTシャツに麻のパンツと言うラフでありながら妙に似合っている格好をしている。昨夜はメガネをかけていなかったのに今はチタンフレームの丸メガネだ。


 さっきベッドの中の私はほぼ全裸だった。

 と、いうことは……。


「あ、キミが今考えていること間違っているからね」


「へ?」


「キミは昨夜、僕のベッドを自分のベッドと勘違いしたようで、いきなり服を脱いだらそのまま布団に潜り込んだんだよ。お陰で僕はソファーで寝るはめになったんだけどね」


「それは、どうもすみません……えっと、脱いだ服は……」


「シワになるといけないからね、余計なこととは思ったけど、畳んでおいたよ」


「お、お手数かけました……」


 やっちまったー。意識失うほど飲むのなんて初めてかもしれない。酔っ払いの醜態を見せた上、下着姿を見せてしまったのは百歩譲ってしょうがないとして、意識のないままヤッてなかったのはラッキーとしか言いようがない。ワタシ、これでも身持ちは堅いほうなので。

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