神引き出来ない、俺のダンジョン生活。

第018話 穴掘り（２）＊

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【超極小破壊】

　・任意の地点を超極小規模に破壊する

　・最大破壊規模　レベルｘ１０ｍｍ

　・最大地点距離　レベルｍ

　・並列破壊数　レベル個

　・劈開（へきかい）性増幅　＋レベル％　ｘ１００

　・疲労性増幅　＋レベル％　ｘ１００

　・脆性（ぜいせい）増幅　＋レベル％　ｘ１００

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　ひょえー。

　一気に増えすぎた内容に固まる。

　そして狼狽えながらも咀嚼（そしゃく）していく。

　えーと。

　まず内容が『穴掘り』でなかったことに拍手。

　そこ何気に大切。

　うんうん。

　んで、本題の破壊。

　率直にその威力が如何程（いかほど）かが気になるところである。

　拡張工事でゴブ達が派手に岩盤をぶっ壊しているが、それらよりも上の上位互換スキルであることは明々白々（めいめい はくはく）。

　であるならば少なくともそれよりも破壊力があるとみて間違いないと言える。

　これはもしや願っていた攻撃手段が手に入ったか。

　使い勝手が良いかは分からないけどね。

　見た感じは任意の場所を破壊可能で、レベルの上昇に伴い距離や範囲が広がるっぽいな。

　あと、同時破壊も可能。

　ほうほう。

　素晴らしい。

　複数箇所の同時破壊とか、カッコ良過ぎ。

　俺の勝手なイメージだけどね。

　疲労性増幅？

　脆性（ぜいせい）増幅？

　なにそれってな感じだけど、劈開（へきかい）性増幅のように破壊を促すための補正だろうね。

　ボロボロに成り易い的な。多分だけど。

　色々と勝手に解釈しちゃったけど、小難し過ぎて正直分からない。

　理解し兼ねることに時間を消費するぐらいなら、一歩前進する方がましと言うことで、キューブを取り込んでいく。

　次はどうなるのか、ドキドキである。

　それも期待大。

　そして間を置かずに――

　――ピッコン♪

　吉報を告げる電子音が鳴る。

　高まるワクワク感。

　そして――

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『超極小破壊』がレベル１００に到達し、『極小破壊』に昇華しました

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　ありがたやありがたやの昇華お知らせメッセージが表示。

　んー、そっちか。

　名称から『超』がなくなっている。

　まあ、文言的に想像はできていたが。

　ではではと確認。

　　　極小破壊(New!!)

　んで、次は性能がどれほど上がっているかである。

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【極小破壊】

　・任意の地点を極小規模に破壊する

　・最大破壊規模　レベルｘ１０ｃｍ

　・最大地点距離　レベルｍ　＋３００

　・並列破壊数　レベル個　＋３００

　・劈開（へきかい）性増幅　＋レベル％　ｘ３００

　・疲労性増幅　＋レベル％　ｘ３００

　・脆性（ぜいせい）増幅　＋レベル％　ｘ３００

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　おお、上がってる。

　数値的にね。

　破壊規模の単位もｍｍからｃｍに。

　距離や並列破壊数は、初期値が３００ｍと３００個に大幅アップ。

　『劈開性・疲労性・脆性』のところの３点セットも１００倍から３００倍へ。

　壊れ易さ３倍増し的な感じかな。

　うんうん。

　イイね。

　増々強力なスキルに昇華。

　良きかな。

　ふと視線をずらす。

　『穴掘り』のスキルキューブの残りは、１５個。

　まだイケる。

　生唾を飲み込み、キューブを吸収していく。

　この流れ的に次の昇華は何となく予想できる。

　そして――

　――ピッコン♪

　幸せを告げる電子音が鳴り――

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『極小破壊』がレベル１００に到達し、『小破壊』に昇華しました

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　うんうん。

　これは予想通りである。

　字面的にもピッタンコ。

　そして確認。

　　　小破壊(New!!)

　んで、気になる内容は、

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【小破壊】

　・任意の地点を小規模に破壊する

　・最大破壊規模　レベルｘ１０ｍ

　・最大地点距離　レベルｍ　＋９００

　・並列破壊数　レベル個　＋９００

　・劈開（へきかい）性増幅　＋レベル％　ｘ９００

　・疲労性増幅　＋レベル％　ｘ９００

　・脆性（ぜいせい）増幅　＋レベル％　ｘ９００

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　破壊規模の単位も更にｃｍからｍに。

　うんうん。

　それだけで十分理解できる。

　これは、ヤバいと。　

　数値的にも非常に破壊性が向上していると思う。

　『晴れてこれでゴブ達に気兼ねなく穴掘りできるわーっ！』と気安く言って良いレベルではない。

　どう考えても周囲のゴブごと、全てを消し飛ばしそうである。

　どちらにしても検証が必須。

　破壊規模の調整が㎜単位で出来そうなので、機会があれば最小サイズから試してみることにしよう。

　ついでに残りの５個も吸収していき、

　　　小破壊Lv.５０(Up!!)

　この先も気になりはするが、残数０のため終了である。

　その後は特に突飛（とっぴ）なことはなく、必要そうな各種の性能向上パッチを取り込んで強化終了。

　そして成長した現在のステータスが、

-----status-----------------------------------

【名前】　太桜（たお）　己己己己（いえしき）

【種族】　人族（ノーマル）

【年齢】　１５歳　♂

【位階】　Lv.１

【体力】　２００　→　４１０

【魔力】　１９０　→　３５０

【筋力】　２１０　→　３９０

【耐力】　１７０　→　３１０

【俊力（しゅん）】　１７０　→　３７０

【巧（たく）力】　１９０　→　３３０

【知力】　１８０　→　３３０

【幸運】　　２０　→　　１，６７０

【物攻（物理・攻撃力）】　１０　→　１２０

【物防（物理・防御力）】　１０　→　１５０

【魔攻（魔力・攻撃力）】　１０　→　１００

【魔防（魔力・防御力）】　３０　→　１６０

【物貫（物理・貫通力）】　０　→　６０

【魔貫（魔力・貫通力）】　０　→　５０

【スキル】

　　ダンジョン・メニュー(Up‼)、

　　言語理解、簡易鑑定、アイテムボックス(Up‼)、

　　投擲（とうてき）術Lv.１７０(New‼)、体術Lv.５０(New‼)、

　　剣術Lv.２３０(New‼)、短剣術Lv.１２０(New‼)、

　　大剣術Lv.４０(New‼)、棍（こん）術Lv.６０(New‼)、

　　矛（ほこ）術Lv.７０(New‼)、斧術Lv.５０(New‼)、

　　小破壊Lv.５０(Up‼)、

　　魔訶不思戯

【称号】

　　ダンジョンマスター、死屍累々(New‼)、

　　蠱毒（こどく）の王(New‼)

【ユニーク称号】

　　ゴブリンの導き手(New‼)、９死に１ゴブ(New‼)

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　不動のLv.１。

　残念過ぎる。

　ゴブのサポートが不安過ぎて、パワーレベリングできなかったのだ。

　でも現在はエンペラーまで進化したこともあり、要相談かな。

　今後に期待。

　そしてステータスは、ステ強化玉で吸収した上昇分のみ。

　レベル１のままなのでそんなもんである。

　例外として『幸運』があるが、更に突っ走ってもらいたいものだ。

　俺の未来のためにもね。

　それで次は、スキル。

　まず手に入れた『ショップ改』４個で、ダンジョン・メニューの『ショップ』をバージョンアップ。

　今までは１００均までだったが、それに２００均・３００均・５００均・コンビニが加わることに。

　まだラインナップを見ていないが、食生活が大幅にレベルアップしてしまうこと間違いなしだ。

　特にコンビニ定番のレジ横の揚げ物コーナーとかあればベストである。

　その次のアイテムボックスも『ボックス改』２個でバージョンアップ。

　そして収納数が３倍に。

　ポテチとコーラで直ぐに一杯になってしまうので、これは何気に有り難い。

　そして戦闘系スキル。

　手に入れることができて満足である。

　でも掲示板で使ってみて面白かったと言われる重撃や連撃などは来ず。

　それに耐性スキルもからっきし。

　せめて斬耐性・打耐性・突耐性は欲しかったところ。

　どこまでダメージを軽減してくれるか分からないけどね。

　それに付け加え、体調とか崩したくないので『健康』とかあったら是非とも手に入れておきたい。

　異世界に来て風邪とかは、嫌過ぎる。

　まあスキルはこんな感じ。

　同期達と比べると種類の豊富さでは負けているが、被りで巻き返せるようになってきたのではないだろうか。

　少し前までは、そんな被りまくる状況を嘆（なげ）き憤（いきどお）っていたが、スキル昇華により手に入れた『魔訶不思戯』や『小破壊』で、変わることができたと思う。

　検証をしていないので断言はできないが、以前よりかは遥かにマシだと言える。

　そいて最後の称号。

　何と言ったらよいか、通常とユニークの２種類があるようだ。

　字面（じづら）からしてスルーしたいところだが、バッドステータスや呪い系だったら嫌なので、諦め一つずつ内容を確認していく。

　トップバッターは、念のため『ダンジョンマスター』から。

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【ダンジョンマスター】

　ダンジョン・システムが承認したもの

　・ダンジョン・メニューが使える

　・配下魔物との意思疎通が何（なん）となくできる

　・配下魔物への好感度が上がり易い

　・配下魔物への信頼度が上がり易い

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　よしよし。

　以前と内容は同じ。

　変更があったら怖いなと思ったが、そうなら『Up!!』が付きそうだ。

　んで、次からが本番である。

　呪いでないこと切に願いながら確認する。

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【死屍累々（しし るいるい）】

　極僅かな間に多くの配下を自らの意志で死地へ赴かせ死なせたもの

　・固定ダメージ３００　ｘ直近１日死亡数

　・固定ダメージ２００　ｘ直近２日死亡数

　・固定ダメージ１００　ｘ直近３日死亡数

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　お！

　固定ダメージ。

　マイナス補正でなく、これは正真正銘の大当たり。

　でも称号の獲得条件に不穏なことが。

　配下って、ゴブのことだよね。

　取り敢えず死して尚、俺の糧になってくれたのである。

　感謝を込めて、『昇天ゴブさん、ありがとっ！』と合掌しておく。

　気持ちをリセットして、次の毒々しい称号へ。

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【蠱毒（こどく）の王】

　極僅かな間に多くの配下を自らの意志で死地へ赴かせ成長させたもの

　・成長補正３０％　ｘ直近１日生還数

　・成長補正２０％　ｘ直近２日生還数

　・成長補正１０％　ｘ直近３日生還数

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　うんうん。

　これも良きかな。

　成長補正とあるから、レベルアップ時にプラスされるってことだよね。

　レベルアップが俄然（がぜん）楽しみになってきた。

　でもその時にゴブの生還者が０とかないよね。

　それだと成長補正なしか。

　いやいや、頑張れゴブ。

　取り敢えず顔も知らぬゴブ達へエールを送っておく。

　そして次からユニーク称号。

　そもそもそのユニークが『特殊な・独特の・珍しい・唯一の』のどれを指しているか、それとも全く違う意味を持つのかは分かり兼ねるが確認していく。

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【ゴブリンの導き手】

　数多のゴブから尊敬され、尚且つ偶像崇拝の対象になる

　・配下ゴブからの好感度３０％上昇

　・　　　　　　　信頼度３０％上昇

　・　　　　　　　信仰度３０％上昇

　・　　　　　　　幸福度３０％上昇

　・　　　　　　　盲目度３０％上昇

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　ん！

　なるほど。

　名称は独特だけど、内容は理解し易いかも。

　要は、ゴブ達に慕われてるってことだよね。

　そして効果はゴブ達へ。

　俺の称号なのに。

　んー、考えさせられる。

　でもそう言うの込みでユニーク称号なのかもしれないな。多分だけどね。

　そしてフィニッシュは、

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【９死に１ゴブ】

　数多のゴブに絶対絶命の状況こと圧倒的格上に挑ませ奇跡的な生還をさせる

　・配下ゴブの会心３０％上昇　ｘ個別生還回数

　・　　　　　命中３０％上昇　ｘ個別生還回数

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　ほうほう。

　これは面白い。

　俺ではなくゴブ達に効果あるのは変わりないが、個々の生還回数で会心率と命中率の上昇値に違いが生じるようだ。

　俺にも効果が及んでくれたらより良かったのだが。

　ユニーク称号、侮り難き。

　取り敢えず、こんな感じかな。

　全体的にスキルと称号のお陰で、急成長できた感がある。

　それが何より嬉しい。

　丁度良いので、自分を『簡易鑑定』してみる。

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【名前】　太桜（たお）　己己己己（いえしき）

【種族】　人族（ノーマル、♂）

【戦力】　７１　→　２３０

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　うんうん。

　前回より上がってるし、ゴブの初期戦力１００を上回ることができたので良しとしよう。

　まあまあ、こんなもんよ。

　十分、十分と自分に言い聞かせる。

　ダンバト開始まで残り１日半、仮眠を取りたいところだが、今がおそらく頑張りどころだろう。

　疲労による眠気に打ち勝つため気持ちを奮い立たせ、手に入れた能力を試してやろうと勇み踏ん張るが瞼（まぶた）の重さに勝てず、ゆっくりとソファーに沈むのであった。