第017話 穴掘り(1)
んー、残念。
やっぱり、無いのね。
先の『魔力操作』と違い、体術や剣術などの戦闘系には昇華がないようだ。
その代わり、レベルが増え続ける仕様かと思う。多分だけどね。
確かめようにも同一のキューブをそこまで持ってないので、あくまで推測でしかない。
掲示板でも多々ある被り情報を精査したが、俺同様に被りまくってる事案はない。
被っても3~5個程度。
んで、吸収した戦闘系はこんな感じに。
・
・体術Lv.50
・剣術Lv.230
・短剣術Lv.120
・大剣術Lv.40
・
・
・斧術Lv.50
掲示板を賑わしていた双剣術・双棍術・双斧術がゲットできなかったのは残念。
二刀流、カッコ良過ぎだろ。
羨ましい。
でも鍛錬して自力で習得する道はある。
どれ程の時間を必要とするかは知らないけど。
そもそもスキルを自力で生やしたことがないから、難易度も分からない。
となるとなんだかんだで、ガチャで当たるのを待つのが最短かも。
堂々巡りから思考を戻して、内容を確認。
---------------------------------------------------
【投擲術】
・物を投げるのが上手になる
・理解度 +レベル%
・ダメージ量 +レベル%
・物理貫通力 +レベル%
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ん!
なるほど。
レベルが上がる毎にダメージと物理貫通力にプラス補正が入る感じなのね。
ほうほう。
と言うことは、被りの効果はデカいな。
例えば、
・投擲で相手に与えたダメージ量:100
・投擲術がレベル10
その場合、相手が喰らうダメージは、110となる訳だ。
被りが一番多い剣術Lv.230だったら、
・剣で相手に与えたダメージ量:100
・剣術がレベル230
この場合、相手が喰らうダメージは、330となる。
他の要素も絡まってくるから一概にそうなることはないと思うが。
そして何よりも有り難いのが物理貫通力のプラス補正。
小さい頃、家の玄関先によく蟻が歩いていて食べかけのお菓子を偶にあげたりしていた記憶がある。
沢山集まった蟻達が一生懸命にお菓子の欠片を運ぶのを指で通せん坊して遊んだりもしていた。
相手からしたらたまったもんではなく、当然、俺の指に対して退けようとしたり攻撃をしてくる蟻も少なくない数いたが、ダメージを受けたことはない。
その蟻達が毒とか特殊な攻撃手段を持っていれば話が違ったかもしれないが。
通常の攻撃手段である
だがここでもしその蟻達に物理貫通力があったらどうだろうか。
その貫通力値にもよりけりとなるが、少なくとも俺は幼いながら泣き叫ぶことになったと思う。
相手の防御力値うんぬんもあるので、そう単純な話ではないが。
兎も角にも俺自身の攻撃手段にプラス補正が付く訳だから、有り難い話である。
そして次は、『穴掘り』。
おそらくゴブ達の必須スキルだと思う。
拡張工事をしているゴブ達全員が持ってるからね。
あんなに堅い岩盤をいとも容易く破砕していくゴブ達が気になり聞いたことがある。
最初に聞いた相手が悪かったのか要領を得るのに時間が掛かったが、スキルを使用しているとのこと。
それでそのゴブと周囲にいたゴブ達にお願いして、スキルを使わずにピッケルを振るってもらったところ、ものの見事に弾かれたのだ。
何度も試してもらったが、岩盤に傷を付けること適わず。
その後お喋り上手なゴブからそれが『穴掘り』スキルであることを教えてもらった。
そして目の前の『ダン倉庫』にある『穴掘り』のスキルキューブの残数は――
56個。
ガチャで当たり続けたときは、このスキルでゴブ達の手伝いをしろという
魔法を欲していたのでせめて土魔法だったら溜飲の下がりようもあったかもしれない。
でも時間が経てば怒りも治まり、ゴブ達にあげよっかなと方針転換。
しかし、実際には未だあげてない。
なぜならば『魔力操作』が予想を遥かに超え、破格の性能へ成長したためだ。
ゴブ達がこよなく愛する『穴掘り』。
実際はどうか知らないけどね。
もしこれが『魔力操作』同様に昇華を繰り返すタイプのスキルならば――
たかが『穴掘り』、されど『穴掘り』となる。
それにゴブ情報から『穴掘り』の次は『掘削』であると既に知れている。
更にその後があるかどうか。
試す価値は十二分にあると思う。
と言うことで、まず1個を使用することに。
これでスキルが生えるはずである。
穴掘り(New!!)
お!
生えてるね。
よしよし。
それと内容を確認。
---------------------------------------------------
【穴掘り】
・穴掘りが上手になる
・範囲拡大 +レベル%
・硬度低下 +レベル%
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ほー、なるほど。
掘る対象物の硬度も下げるのかな。
何気に便利スキル。
これならサクサク掘れそう。
でも掘らないけどね。
取り敢えずゴブ同様に『穴掘り』の取得に成功。
なぜか遣る瀬なさともどかしさもあるがスルーである。
それに『掘削』へ昇華することは分かってるので、そこまでスキルキューブを取り込んでいく。
――ピッコン♪
お!
きたきた。
お馴染みの電子音。
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『穴掘り』がレベル100に到達し、『掘削』に昇華しました
--------------------------------------------------------
そして、昇華お知らせのメッセージ表示。
んで、確認。
掘削(New!!)
そのままタップ。
---------------------------------------------------
【掘削】
・掘削が上手になる
・範囲拡大 +レベル%
・硬度低下 +レベル%
・
---------------------------------------------------
ん!
割れ目や
これでサクサク割ることが。
やらないけどね。
えーと。
これでゴブ情報の『掘削』に到達かな。
この先はレベルが上昇していくようではあるが、ゴブ達にレベル100まで達している者はいないとのこと。
なのでレベルが上がり続けるだけなのか、昇華するかは分かっていない。
期待通りの結果になることを願いつつ、引き続きスキルキューブを取り込んでいく。
そして――
――ピッコン♪
電子音が鳴り、
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『掘削』がレベル100に到達し、『大掘削』に昇華しました
--------------------------------------------------------
昇華お知らせメッセージの表示。
よしよし。
取り敢えず昇華で安堵かな。
えーと。
ステータスは、
大掘削(New!!)
それから、
---------------------------------------------------
【大掘削】
・掘削が極めて上手になる
・範囲拡大 +レベル% x50
・硬度低下 +レベル% x50
・
---------------------------------------------------
お!
これはこれは。
掘削が捗る内容か。
とうとう穴掘りは、達人レベル?
いやいや、嬉しくないからね。
でもお披露目するのもありかな。
お株を奪われたゴブ達のリアクションが気になる。
相当ビックリするよね。
と言うところで次に行きますか。
次は『穴掘り名人』かなと期待
それに昇華するとは限らない。
どうなることやら。
できたら穴掘り補正ではなく、やはり俺自身の戦力強化が良いんだけどね。
すると――
――ピッコン♪
電子音が鳴る。
--------------------------------------------------------
『大掘削』がレベル100に到達し、『超極小破壊』に昇華しました
--------------------------------------------------------
昇華お知らせメッセージの表示。
ん!
んー。
明らかに穴掘り系でない文言に、目が点になる。
破壊?
取り敢えず、確認。
超極小破壊(New!!)
お、やっぱり『破壊』。
接頭語に『超極小』が付いてるけどね。
内容が肝心。
脱『穴掘り』が出来ているか。
なので、気持ち多めでタップ。
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【超極小破壊】
・任意の地点を超極小規模に破壊する
・最大破壊規模 レベルx10mm
・最大地点距離 レベルm
・並列破壊数 レベル個
・
・疲労性増幅 +レベル% x100
・
---------------------------------------------------
ひょえー。
一気に増えすぎた内容に固まる。
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