第010話 魔力操作
『幸運』値が300を超えた当たりから引きが良くなり、更に500を超えてからは、欲しいと思っていたスキルが当たり始めた。
1,000を突破してからは、俺的に無双状態へ。
他人からしたら普通じゃんと言われるかもしれないけどね。
今までの俺の引きは最低最悪の状態だったから、色々なスキルが当たるだけで幸せホルモンがドバドバで、多幸感マックスになってしまう。
そんな中、『魔力操作』は当たり続けていたが精神的にもホックホックなので、ショックは受けない。
ノーダメなのです。
最終的な『幸運』値は、
【幸運】 150 → 1,670
掲示板からの情報では、100前後が多かったはずだ。
ユノカは200を超えていたが。
褒賞や特典によって同期達もスキルガチャを回しているはずだが、少なくとも『幸運』値に
因みに、他のステータスは、まだ『ダン倉庫』に入れたまま。
それがいつでも使えると思うとニンマリ。
まずは因縁の『魔力操作』のスキルキューブかな。
魔力操作Lv.20
現在はレベル20。
それがレベル100になったらどうなるのか、実は気になっていた。
被り1個当たりレベル10ほどアップしていたので、キューブ8個を消費して確かめてみようと思う。
それで丁度レベル100になるはず。
それでは、いざ検証開始。
早速、『ダン倉庫』から取り出したスキルキューブを右手の指で掴み、眼前に持ち上げ見回す。
形状は、球体。
大きさは、ピンポン玉ほど。
黄色を帯びて、宝石のようにキラキラと光を反射している。
もう少し見ていたいが、『使う』と意識する。
キューブが光で覆われ、輝きと共にスッと消えた。
不思議な光景だが、
余韻を振り払い、ステータスを確認。
魔力操作Lv.30(Up‼)
よしよし。
想定通りに10上がって、レベル30に。
うんうん。
問題なし。
予定通りのレベル100を目指し順番に取り出し使用していく。
*
*
*
魔力操作Lv.90(Up‼)
次でレベル100である。
ドキドキ。
ワクワクである。
何か新たな展開があるかもしれないが、何もないかもしれない。
期待通りにならない可能性もあると分かってはいるが、心が躍る。
逸る気持ちを理性で抑えつつ、キューブを使用。
そして固唾を呑む。
――ピッコン♪
お!
突然の電子音にビックリ。
--------------------------------------------------------
『魔力操作』がレベル100に到達し、『精密魔力操作』に昇華しました
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更に目の前には、メッセージが表示。
そして読み終えると自動で消える便利機能付き。
唐突だったので、ちょいビックリ。
それよりもステータスの確認である。
精密魔力操作(New‼)
おお。
やったー。
やっほい。
スキルが進化した。
メッセージには『昇華』とあったが。
ついでにタップして内容をチェック。
---------------------------------------------------
【精密魔力操作】
・魔力の操作が極めて上手に扱える
・魔力が見える
---------------------------------------------------
おお、明らかに性能がアップしている。
能力が上がっている実感はないが。
でも気持ちが良い。
『魔力が見える』とある。
これは所謂、魔眼ですかな。
どのように見えるか早速確かめたいのでキョロキョロするが、コアルームには俺しかいない。
また後でと諦めかけたその時、視界の片隅で――
お怒りのようだ。
置物ことオブジェとしての立ち位置が宜しくなかったのかもしれない。
ぞんざいには扱っていないつもりだったが。
取り敢えず『ショップ』で厚めの偉そうな雰囲気の座布団を購入。
早速、怒り心頭なコア様をヒョイっと持ち上げ、下に座布団を置いてあげる。
サイズ的にピッタリ。
少し貫禄もアップしたかもしれない。
これで心を鎮めてくれると良いのだけどね。
うんうん。
改めて見る。
良い感じ。
冗談はさておいて、これが魔力のようだ。
コアを取り巻くオーラ。
ユラユラと揺らめいている。
見ることはできても触れることはできない。
なるほど、なるほどね。
そう言うものであると取り敢えず納得することに。
あとで、ゴブ達を見てみるのも面白かもしれない。
この勢いのまま検証再開。
幸先は良い。
引き続き、キューブを取り出し使用を試みる。
ん!
おお、使えた。
ステータスの確認。
精密魔力操作Lv.10(Up‼)
うんうん。
良いね。
レベル10になっている。
『精密魔力操作』もレベル100で、昇華してくれるだろうか。
そうなれば言うこと無しなのだが。
レベル上限での打ち止めも可能性としては十分あるが。
まあ、やってみれば分かることである。
『魔力操作』のキューブは沢山あるからね。
それではとキューブを連続で取り込んでいく。
*
*
*
そして次でレベル100。
すると再び、
――ピッコン♪
---------------------------------------------------
『精密魔力操作』がレベル100に到達し、『超絶魔力操作』に昇華しました
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おお、やった。
やっほい。
昇華、待ってました。
「うっしーっ!」
嬉しさを噛みしめ、右手の拳を握り小さくガッツポーズ。
そして、ステータス確認。
超絶魔力操作(New‼)
透かさず、タップ。
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【超絶魔力操作】
・魔力の操作が超絶巧みに扱える
・周囲の魔力も同様に扱える
・魔力消費量-50%
・魔力自動回復50倍
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ん!
えっ!
ええー。
マジか。
すごー。
想定の遥か上の内容に震えてしまう。
地球でやっていたスマホゲームだったら、ぶっ壊れ確定案件だ。
運営が急遽、下方修正するほどではないだろうか。
実感はないが、読んだけで強くなった気がする。
それほどの内容である。
只、実際に使ってみないと分からないから、俺の勝手な夢想だけどね。
落ち着け、俺。
今は夢想より、検証である。
鼻から息をゆっくりと吸い込み、自律神経を整える。
そして、掌に再び、キューブを。
更に取り込めたらヤバイと思うと、ドキドキが止らない。
勇みながら『使う』と意識すると――
先程と同様にキューブが光で覆われ、輝きと共にスッと消えた。
即、確認。
超絶魔力操作Lv.10(Up‼)
きたっ!
きてしまった。
うっほい。
嬉しいが、困惑もある。
ダンジョンではなく、俺自身が強化されていることに。
俺が強くなって、ゴブ達を守ってやるのもありかもな。
いやいや、それはない。
俺は遥か後方で応援する方が似合うし、そう有りたいと思っている。
思考がそれてしまったが、そのまま進むの一択。
『一旦、置いて』などの
『アイテムボックス』からコーラを取り出し、カラカラになった喉を潤す。
喉越しのシュワシュワの炭酸が、気持ち良い。
小さな幸せを嚙みしめる。
「よしっ」
気持ちを入れ直し、検証を再開。
レベル100を目指し、キューブを順次使用していく。
*
*
*
そして――
――ピッコン♪
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『超絶魔力操作』がレベル100に到達し、『魔訶不思戯』に昇華しました
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緊張のあまり、感嘆はでず。
代わりに息を飲む。
透かさず、ステータス確認。
魔訶不思戯(New‼)
間を置かずに、内容を確認。
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【
・魔力を自由自在に扱え、変換できる
・周囲の魔力も同様に扱える
・魔力消費量-90%
・魔力自動回復300倍
・魔力攻撃力300倍
・魔力防御力300倍
・魔力貫通力300倍
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頬にスーっと垂れた汗を拭う。
これは……。
更に拭う。
再度、内容を読み直す。
そして一呼吸。
うーん。
やってしまった感が半端ないかも。
んー、でも。
額面通りとは限らない。
嬉しいけど、どうしよう。
漠然と凄い何かが欲しいと望んでいたのは事実。
切に切に。
心の底から。
それが唐突に飛び込んできたら右往左往してしまう俺。
小市民な俺としてはね。
あ、そうだ。
取り敢えず、忘れよう。
今だけ。
大分時間が過ぎてしまったけど。
そろそろ散歩をしないとだね。
日課を
誰かが言っていた大事な言葉。
おっと、その前に救済ガチャをしちゃおっかな。
これも日課だからね。
幸運値1,670の無双状態の俺。
どんな結果がでてしまうか怖いぜ。
とうとう真の力を見せる時が来たようだ。
両肩を交互にに回し、準備運動をする。
血の巡りが良くなってきたので、スタンバイOK。
よし。
本日の救済ガチャ3連、いざ尋常に勝負。
輝かしい未来を手に入れるために。
「おりゃーっ、行って来いっ!!」
・(R)ゴブリンx7
・(R)ゴブリンx7
・(R)ゴブリンx7
恐怖のゴブ
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