6、弓道に体格差や運動神経は関係ない? なぜ言いきれるのですかー!!
弓道に運動神経がいらない、体格差は関係ないと、聞いたことはありますか?
なんだか、関係あると言う人もいれば、関係ないと言う人もいるんですよね。
私の場合、関係ないと思っているタイプです。
でもね。
駆け出しの弓道家は思うんですよ。
なんで関係ないと言いきれるの?
関係あると思ってます! とね。
つまり、体格差の違いから、的中に差を感じてしまう場面があり、あの子にはセンスがあるんだ……と思っている人がいるのは理解してますよ。
ここで決めゼリフ。
〝弓道にセンスは関係ありません!〟
なぜ私が関係ないと言いきるのか?
この理屈を知れば、納得するかも!
でもやっぱり私論、そこは曲げません。
───ここで、よくある誤解。
28メートル先まで矢を飛ばしはじめ、成長しようと稽古をしている人には、体格差を感じてしまう。それは、錯覚ではなく理由があります。
細かい事を言えば、ある程度まで弓が引けるまでの間、技術的には抱えなくていいメリット、その差ってのはあるんですね。
あ、デメリットはありません。
ちなみに、一定の的中数を仮に基準として設けた場合、それを越えたあとは個人の稽古次第で結果はいくらでも伸びますから。
その観点から、体格差や運動神経は関係ない、と結論づけている。
といったわけですわ!!
だから、逆に体格差などによる違いを把握しておけば、私の体格だから上手くいかないんだ……と、そんな風に悩むことなんてありませんからね。
ただ、運動神経はマジで関係ないです。
「結局のところ、屁理屈じゃないんですか?」
屁理屈じゃないです、ちゃんとした理屈がありますから!
問→弓道の体格差の違いはありますか?
解→最終的には、なくなる。
うん。
矛盾していると思われないために。
まずは体格差に関する部分のうち、よくある疑問を並べますと。
1、筋力量
2、身長
3、体のゴツさ
これは主に、的前に立ち始めた弓道家に影響する部分ですからね。
さっそく、いってみましょう!
◯筋力量の違い、特に男女の差。
その差→『弓を引く強さに影響する』
結果→『的に届きやすいか、そうでないかの違いはある』
弓を引くのに筋力はいらないと言われますけど、初心者の人なんかはどうしても筋力を使い引いてしまうものなんですね。
反発力の違う弓により生まれる、矢の飛距離の違いってのはどうしても発生しますからね。
和弓ってのは、反発力が強ければ強いほど、的より下のラインに外れにくくなりますし、弓が弱いと的まで届きにくくなりますから。
──ワンポイント。
〝的の下に飛ぶ矢は、何やっても絶対中たりません〟
逆に、的よりも上、左右のラインで外すならば、たまたま、でも的に中たる可能性があります。
ここで、狙いを上げるよりも、弓を引きまくって筋力量をつけ「並でも伸でも13」を基準にする。
この弓力の基準は、個人的な感想です。強いと思うならば、練習で射る矢数が少ないと思ってください。
基礎練が完璧だとしても、もともと弓が持つ力の差ってのは、技術で埋めようとしても、かなり難易度が向上するんですね。
──え、技術的な根拠ですか?
例えば、上を狙えば狙うほど、弦を引く力のベクトルが下向き、つまり斜めになり、右手の離れの方向は下になりやすい。そうなると、〝矢を射る瞬間の親指の向き〟は、離れを真っ直ぐに出そうとするほど、弧を描くような軌道になりやすいんです。するとね、矢が弦から飛び出す瞬間、矢をつがえた部分にだけ注目すると、親指がつがえた部分を持ち上げ、矢の先端が下を向くんですよ。
とかね。
それにね、弓を引いてれば勝手に筋力はつきますからね。ただ練習環境もあるでしょうけど、矢を射る本数の目安としては、毎日最低40本くらいかな?
それくらいなら、立稽古が中心の学校でも引ける矢数かなって。矢数は多ければ多いほど、いんですよ。
男子のほうが筋力がある、その結果は使う弓力の違いに影響する。だからこそ、たまたま的に中たる確率が高くなっている、と考えてください。
筋力がつけば、たまたま、的中する確率も上がっていくと考えるならば、女子のほうが不利と考えがち!
でも、その差はスタートダッシュの時だけ。自然と稽古量で埋まる差、ですから。場合によっては楽勝で越える。
◯身長の差。
これも基本的に、筋力量による差と似てます。的まで届きやすいか、届きにくいか、です。
要は、矢が発射されてから、的までの落下距離(高低差)までの位置が高いか低いか。
高身長→『高くなる』
低身長→『低くなる』
そんだけ。
あとは身長がある分、腕のリーチが長くなり、引き尺が長くなる。
つまり、身長による差は腕のリーチ。
──ワンポイント。
和弓が反る=反発するパワー量が変化する。
弓の「並、伸を選ぶ基準」は、腕のリーチも関係するわけですよ。
この違いから、身長とは別に、自分が引きやすいほうが伸ならば、伸を選んでも問題ありませんからね。
引きやすいってのは、わりとポイントだと考えてます。だって、他人がどう言おうが、自分が気に入った弓のほうが、モチベーションも上がりますしね。
要は、身長=腕のリーチとして考え。
並=リーチが短くても、反りやすい。
伸=リーチが長くないと、反りにくい。
「矢を遠くまで飛ばそうとすれば」を念頭に入れておけば、どっちがいいのかなんてのは、弓力が上がれば明確な答えはないんですね。
私はそう思ってます。
◯体がゴツいか、細いか。
これは、太っているというより、その人が持つ骨の太さの違いですね。
要は、太いほうが力の伝達ロスが発生しにくいので、矢が飛びやすいし、軸も歪みにくい。
つまり。
骨が太い『力の伝達経路が、曲がりにくい』
骨が細い『力の伝達経路が、曲がりやすい』
こうやってみると、骨が太い人のほうが有利に思えてしまいそうですが、ある程度のレベルまで上達すれば、関係ないですよ。
逆に骨が細い人のほうが、体の軸がよく分かりますから、姿勢の歪みに敏感になり、射の修正がしやすかったりしますよ。
同期に熊みたいな人がいましたけど、姿勢の歪みがパッと見分かりにくかったです。見てと言われて、やっと分かる、みたいな?
かねて言いますが、コレはデメリットではなく、特徴です。
と、いうわけですわ。
ありがちな疑問を3つ記しましたが、スタートダッシュって観点からなら、体格差を感じるそれは、錯覚ではありませんよ。
知らないと、わりと悩むでしょうから。
といっても、半年くらい28メートル先の的に向かって稽古してれば、それなりに弓力も上がり、自分だけの技術を身につけはじめる頃ですから、こうなると体格差は関係ないです。
【まとめ】
体格差を感じるのは、主に弓力の差により生まれるもの。体格の違いは有利不利などではなく、特徴の違いを把握し、それに見合った射を稽古すればいい。
だから、骨が太い人の射を、細い人が真似しても、うまくコピーできないんですよ。逆もまたしかり。
あ、ちなみにね。
これら以外は、道具を調整することで自分に合わせれる事が可能ですからね。ガンガン弓具を調整しましょうね。
他のエッセイでも書きましたが、手の内の形が〜なんてものは、握り皮の形を変えればいいだけのこと。
えっと、握り皮を剥ぐと出てくる、黒いかまぼこ、みたいなやつです。確か、名前は「握り下」。
──ここで、私が思う基準ですけど。
「立稽古」で4本の矢を射るとした場合。
2本はたまたまでも中たります。
3本以上は技術が必要です。
仮に基準を設けるならば、私の中ではそんな感じですね。20射引けば、10本はたまたまでも中たる。的中や技術に悩む人って、中央値だとここら辺をウロウロしてる感じがするんですよ。
試合とかでも、1立3中以上の人、2中以下の人で分けてみると、よく分かりますよ。
まぁ試合なので、練習だともっと中たっている人は多いのは理解してますよ。
予選……突破したい! みたいな?
ちなみにね、運動神経は関係ありませんが、両利きかどうかって事には、わりと左右されるかなって。
両手が器用なのは、私生活でトレーニングすれば、出来るようになりますからね。
まぁね、28メートルで弓を引くようになって、
あの子上手い! 負けたくない! とか、思う場合もありますよね〜。
体格が違うからかな~?
なーんて、そう思う時期が、私にもありました。
その気持ちの裏を返せば、楽しいって気持ちがあるからこそ。
私はそう思ってます。
もっと中てたい!
その気持ちが、技術力を向上させる、ひとつの調味料ですからね。
仕方ないや、と思ってしまえば、そこまでですから。
ですから、センスや体格差なんて関係ありませんから。
強い選手を目指して、楽しく稽古をしてくださいね!
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