4,弓道部のルーティンにせまる(高校+大学)

 知られざる弓道部の生態についてつづります。


 そもそも部活で弓道部はあるけど、学校内で袴姿の部員を発見した事はありますか?「弓道部ってどこにいるの?」だいたい構内の隅っこのほうにいますよ。

 基本的に矢をバンバン射ってますから、隅っこのほうにいないと危険なんですわ。それゆえ隠れキャラ的な扱いを受けていた、なんて話はよく聞きましたね。

 学校によっては弓道場がないからと、土を盛って的を設置していたマジの「青空弓道」で稽古していた学校もありました。そちらの生徒さんは、みんな日に焼けて黒かったです。もちろん女の子も。


 問→弓道部の練習って何すんの?

 解→矢を射ってます、あとは的貼りかな。

 

 そうそう、これはどの部活動でもおそらく共通であろう挨拶のようなもの、これは練習の開始と終わりに必ずします、「ゆう」と呼ばれる浅い礼を道場にある神棚にむかってします。

「え、神棚がない場合?」まぁ、たまにレアな場所にあったりなかったりする場合もありますが、長くなるのでまた今度で。

 矢を射るわけですから、安全祈願のようなものなんですね。なんか武道っぽいですね。


 で、ここでは学校の部活動とし、私の学校を参考に部活動のルーティンを作成してみたいと思います。ひとまず箇条書きで練習メニューを分けてみます。ちなみに、同じ練習内容でも、学校によって呼び方が違ったりもしますから、ひとまず私の経験を基本としますね。


 1、射込いこみ稽古。一つの的に数名が矢を交互に射る練習法。

 2、たち稽古。試合形式でチームを組み、順に矢を射る練習法。

 3、基礎練習。主に初心者からはじめ、期間は学校によって様々。

 4、的貼まとはり。穴が開いた的を新品に貼りかえます。

 5、掃除。


 ほい、まずは高校弓道から。


 練習時間はあまり記憶にないんですけど、平日16:30~19:00頃、土曜日は9:00~16:00頃。日曜日や他の時間は各自で自主練習。ちなみに部活として朝練はありませんでした。

 自主練習がね、また楽しかったんですよね。厄介な先輩がいなくて、同期だけでやってる自主練習はウハウハでしたわ!


 稽古の具体的内容に関しては、これまた学校によって全然違いますね。私の高校の場合、平日は①を基本に1日60本程度。土曜日は②を基本に60本~80本。試合シーズンで多少内容は変化しましたが、基本は矢を射ってるだけですね。

 初心者はよく28メートルで弓を引く前に、基礎練習をひたすらやってました~って方もいましたね。幸い私の学校は最初から弓を引きつつ、段階的に射る距離を伸ばしていく稽古法でした。高校に入学して夏休みが終わる頃かな、普通に28メートル引いてました。


 タイミングによって部員みんなで土曜に④をやってました。先輩も後輩もみんなです。上下関係はありましたが、そういったのは部員みんなでやってたんですよね。

 私の場合、1年生の冬頃にあった試合で初出場。上手い子だったり人数の関係で、早くても夏に初出場って感じでしたね。ちなみに「立稽古はなんぞや」ってのはまた違う回でつづります。だって長くなるから……今回のテーマはルーティンなので。


 そうそう、ちなみに的貼りってのは、高校弓道の場合、的のシールみたいなやつを木の枠にピンッとさせつつ貼るんです。つまり太鼓みたいなものなので、張り具合が悪いと音が鈍るんですよね。理屈はわかりますかね?

 これが弓道部アルアルな現象で、的貼りの完成度が悪いとやり直しを命じてくる先輩がいましてね、これはどの弓道部でも高確率で出現する先輩かと。


 ほい、お次に大学弓道。


 高校弓道と違う部分が多い大学弓道ですが、ここではルーティンにしぼりますよ。違いに触れると長くなるので。


 1、射込いこみ稽古。一つの的に数名が矢を交互に射る練習法。

 2、たち稽古。試合形式でチームを組み、順に矢を射る練習法。

 3、基礎練習。主に初心者からはじめ、期間は学校によって様々。

 4、的貼まとはり。穴が開いた的を新品に貼りかえます。

 5、掃除。


 基本的に高校とやること同じですわ。やっぱり構内の隅っこにある弓道場でした。

 ただ違いがあるとすれば、大学の場合、①の射込み稽古のことを「乱射らんしゃ」って呼んでましたね。あとは④の的貼りで使用する紙の材質が変化して、テープではなく工作で使うような、液状のりになったこと。

 そしてやっぱり出現するのが「的貼り奉行ぶぎょう」この場合同期にいました。そして達人級の的貼りの腕を持つ強者つわものでした。


 あと部活としての練習時間はありましたが、高校よりは少な目でしたね。用事がある人なんかは1日のどこかで弓を引いて記録を残してください、ってのもありましたね。それは、主に私が3年生の頃ですね、あまり部活に参加できなくなってきたので(主に単位とバイトが原因)夜中や早朝、昼休み等に弓道場にいって、稽古していた時期もありましたね。


 ほんでもって、高校と大学では的で使用する、紙の模様や材質が違ってたのを記憶してます。

 

 高校は霞的かすみまと。的の中心から白、黒、白といった円形の模様となってます。だから多少中心がズレても気がつきにくい的だったんです。それにナイロン質で破けにくい素材だったので、多少張りが甘くても、パァンと風船が割れたような音が鳴ります。


 大学は星的ほしまと。的の中心が黒丸、あとは白色の無地です。多少中心がズレると見た目が悪いのでやり直し、それに素材はただの紙なので、新聞紙と張り合わせて使用するんです。これがまたやり方によってはシワになったり……。それにすぐ破けるし、張りが甘いといい音が鳴りません、ポスってなります。でも私は正直音とか気にならないタイプだったんですよね。

 そのかわり、同期の「的貼り奉行ぶぎょう」は他大学の選手からも大絶賛される程の腕前だったんですね。バランスって大事ですね。

 私はバイトや他の用事でほとんど的を貼ってなかったので、とある悲鳴を聞くことしか出来ませんでしたが……優しい後輩達がヒイヒイ言ってたのを覚えてますわ。ごめんね。


 それゆえ、大学の試合で使う専用の「試合的」と呼ばれるやつ。それには高い完成度を求められるんですね、夏休みなんか試合シーズンですから、「なんか昼から的貼りして、終わったのが夕方になったわ」てな話をよく聞いてました。「ありがとう、みんな!」


 豆知識ですけど、霞的と星的の明確な違いとして、同じ距離から的を射るにしても、霞的のほうが小さく見えて、星的のほうが大きく見えます。実際は同じ大きさなんですけど、おそらく模様の関係ですね。

 聞いた話だと、「狙いにくいことから、霞的かすみまとと呼ばれるんですね」


 なんか的貼りの事ばっかりでしたね。肝心な稽古内容ですが、やっぱり矢を射る事だけですね~。ただその稽古法に関しては自分自身で考え、色々試しながら矢を射っていたんですね。試合のたびに人の射形(人が矢を射る姿)を朝から晩まで見て研究していたのを覚えております。


 あとは「巻き藁まきわら」を使用した練習だったり、「ゴムきゅう」と呼ばれる道具を使っての練習だったり。あと体操する学校なんかもありましたね。でも結局メインの稽古は矢を射るだけですからね。ほんとシンプル。


 結局のところ、顧問の先生が凄くても、そうでなくても。

 最後は自分で考えて引いて、悩み、鍛えた技術のほうが身になりますし、そうしないと上達しないのが弓道なんですね~。

 

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