第99話 氷の超級ダンジョン
10月7日、月曜日。今日も授業を受けながら、密かに内職。前ループ、トンボの羽を靴や装備に付与するのではなく、
属性の違う魔道具やタリスマン同士を、喧嘩させないで調和させる方法。それは、3周目にウルリカの次女オフェリアさんに教わった。彼女は裁縫という名の、衣類系の防具を作る研究者だ。この技術の肝は闇属性。全てを包んで覆い隠す闇属性の聖句を織り込むことで、相反する性質を同時に持たせることができる。僕は魔力糸を編み込んで、聖句のシンボルの入った紐を作り、ドッグタグ式のチャームをじゃらじゃらと首から提げることにした。
次に狙うのは、上級の上、超級ダンジョン。一番近いのは、北の山脈のど真ん中、氷の超級ダンジョンだ。水属性は途中から氷属性に進化するが、水の時には火属性に一方的に優位なのに対し、氷になると火属性も弱点になるのが面白い。水属性に対しては風属性も優位なんだけど、やっぱり火属性の火力には及ばない。さあ、爆炎を存分にブッパして来よう。
万一にもMP切れを起こさないように、週の半ばで一度スライムの核も集めに行って来る。ルフのタリスマンと
10月12日、土曜日。外泊届を出して、氷の超級ダンジョンへ。北の山脈は広い。国境を接すると言っても、向こう側は極寒の地、亜人種の住む領域だ。そして双方を隔てる数千メートル級の山々、その一番深いところに、ダンジョンがある。
全属性の中で、最も火力が高いのは火属性。だから、火属性が活躍できるダンジョンは、他のダンジョンに対して攻略が易しいというのが定説だ。だけどここは、来るだけで大変。元の世界だって、世界最高峰に挑んで命を落とす登山家が後を絶たなかった。こちらはこちらで、魔法やスキルがあるとはいえ、到着するまでの難易度は変わらない。ただし、飛んで来られるなら別だけど。
氷の超級も、フロア全体を見渡せるタイプのダンジョン。ここのモンスターは、水属性らしく状態異常を与えて来る上に、宙に浮いていても氷のブレスをバンバン吐いて来る嫌な奴らだ。だけど、優性属性の風壁に護られ、爆炎で一方的に蹂躙する爽快さったらない。毒々しいトカゲ、
ちゅちゅちゅちゅちゅどーん。
飛翔速度が大幅に上がった僕は、調子に乗って深夜まで周回した。残念だったのは、ちゃんと泊まりの用意をして来なかったこと。火鼠のタリスマンのお陰で寒くないとはいえ、マントすら買っていないので、石造りのベッドで私服のまま寝るしかなかった。しかも、食糧もお粗末。こないだプレオベールに行く前に買ったおやつの残りで
しかし、空腹を押してまで粘った甲斐があった。10月13日、日曜日。僕は、念願のレベル100に到達した。
名前 アレクシ・アペール
種族 ヒューマン
称号 アペール商会令息
レベル 100
HP 1,500
MP 3,000
POW 150
INT 300
AGI 150
DEX 300
属性 土
スキル
+体術Lv2
+斥候術LvMax
(
(ランドスケイプ)
(ロックウォール)
(ゴーレム作成)
(剣術)
(槍術)
(弓術)
(身体強化)
E 私服
E タリスマン-
火鼠のタリスマン+Max
ルフのタリスマン
ルフのタリスマン
ルフのタリスマン
E 魔道具・
E 魔道具・不死鳥
E 魔道具・
魔道具・転移
ステータスポイント 残り 0
スキルポイント 残り 420
よし、これで転移が使用可能だ。いつでもここに来られるように座標を計算、杖に登録。すると分かった。転移の
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