第98話 RTAレベリング

 10月5日、土曜日。今日から早速上級ダンジョンだ。とはいえ、あそこは獣系モンスターばかり。空を飛んでいる限り、やられることはない(ファイアラットを除く)。魔石も十分に濃縮して来た。さあ、目指すは最速レベル100。リアル・RTAリアルタイムアタックだ。


 今回は秋津装備ではなく、魔道具の飛翔フライスキルで飛んで行く。領都の門を出て、人気ひとけのない場所から上級ダンジョンへひとっ飛び。と思いきや、思ったほど速度が出ない。秋津装備の「重量-100」の恩恵を思い知る。普通に飛ぶだけなら、飛行速度はプレイヤーのAGIすばやさ依存だからね。


 ダンジョンに侵入したら、爆炎、爆炎、爆炎。前ループは、Lv8の業火ヘルファイアを使ってたけど、大は小を兼ねるんだから最高位の火魔法でいいだろう。かなりオーバーキルだけど、DEXきようさ不足で当たっていない敵にも、炎がかすめてダメージが通っている。僕はふわふわと上層を周回しながら、ネズミに先制するだけのAGIすばやさ、そして氷嵐ブリザードを当てるためのDEXきようさを伸ばして行った。


 覚えてる。4周目、レベル14でAGIを100まで上げてネズミに挑んで、DEXが足りなくて酷い目に遭ったんだ。DEXも同様に100は欲しい。今の僕はこんな感じだけど、




名前 アレクシ・アペール

種族 ヒューマン

称号 アペール商会令息

レベル 5


HP 200

MP 30

POW 20

INT 3

AGI 24

DEX 3


属性 土


スキル

+体術Lv2


石礫ストーンバレット

(ランドスケイプ)

(ロックウォール)

(ゴーレム作成)

(剣術)

(槍術)

(弓術)

(斥候術)

(身体強化)


E 私服

E 魔道具・飛翔フライ

E 魔道具・爆炎エクスプロージョン

E 魔道具・氷嵐ブリザード


ステータスポイント 残り 0

スキルポイント 残り 20




 AGIとDEXを100にするためには、その辺の雑魚敵でレベル23まで上げなければ。しかしそれは、そう遠い道のりではない。ここは上級ダンジョンだし、僕はソロだ。パーティーで経験値を按分あんぶんされることもなく、全てごっそり入ってくる。モンスターによって経験値は異なるが、大体50匹も倒せばあっという間に目標レベルに到達。さっさとネズミーハウスへ足を運ぶ。


 後はネズミを休まず蹂躙。前来た時は、レベル33くらいまで上げたんだっけ。しかし今日は、前よりずっと多く回ったのにレベル41だ。レベルは上がれば上がるほど上がりにくくなる。もっと効率の良い狩り場に移らなければ。




名前 アレクシ・アペール

種族 ヒューマン

称号 アペール商会令息

レベル 41


HP 1,000

MP 1,000

POW 100

INT 100

AGI 100

DEX 110


属性 土


スキル

+体術Lv2


石礫ストーンバレット

(ランドスケイプ)

(ロックウォール)

(ゴーレム作成)

(剣術)

(槍術)

(弓術)

(斥候術)

(身体強化)


E 私服

E 魔道具・飛翔フライ

E 魔道具・爆炎エクスプロージョン

E 魔道具・氷嵐ブリザード


ステータスポイント 残り 0

スキルポイント 残り 380




 10月6日、日曜日。引き続きスピードレベリング。今日はプレオベールの飛行モンスターダンジョンへ。DEXきようさが上がると、魔道具作りもはかどる。木金二日掛けて、やっとの思いで作った飛翔フライ爆炎エクスプロージョン氷嵐ブリザードの魔道具。しかし土曜一晩で、ロックブラスト、加速アクセラレイト風壁ウィンドシールドが簡単に作れてしまった。やってることは毎ループ同じなのに、DEXのパラメータを上げただけでこうも難易度が変わるのが、納得行かない。


 さて、プレオベールまでは加速しながら飛翔。風がキツいので、風壁を飛行機のように尖らせて身を包む。かつてウルリカが、精霊魔法で守ってくれたことを思い出す。彼女と別れて巻き戻ってから3年半。何だか既に懐かしい。


 獣ダンジョンも飛行モンスターダンジョンも同じ上級だ。何が違うかというと、獣ダンジョンはファイアラットのモンスターハウスで一度に36匹のネズミを倒せるのに対し、こちらは階層全体を見渡せるダンジョンで、もっと多くのモンスターを一度に相手に出来るということだ。プレオベールまでの移動時間のロスや、ドアの開け閉めと違って階層を行き来する手間もあるけど、一日あたりの経験値効率を比べれば、プレオベールの方がわずかに軍配が上がる。しかもここは、風属性の素材の宝庫だ。飛翔、加速の魔道具に、風属性強化の付与エンチャントを施すと、モノにもよるが性能が爆上がりする。小型エーテル化装置で授業中に濃縮も行うから、僕に死角はない。


 それともう一つ。飛翔の効果が付くのは、実はトンボだけじゃない。プレオベールにもルフという大型の鳥モンスターがいて、コイツの羽はトンボの上位互換に当たる。トンボのように1,000枚単位で濃縮して限界付与しなくても、100枚もあれば飛翔の効果が得られることが分かっている。いっぱい狩って行こう。


 結果、今日はレベル61まで上昇。頑張ったけどこんなもんだ。来週はフォートの魔道具でも作って、泊まりがけで超級を攻めよう。




名前 アレクシ・アペール

種族 ヒューマン

称号 アペール商会令息

レベル 61


HP 1,000

MP 2,000

POW 100

INT 200

AGI 100

DEX 210


属性 土


スキル

+体術Lv2


石礫ストーンバレット

(ランドスケイプ)

(ロックウォール)

(ゴーレム作成)

(剣術)

(槍術)

(弓術)

(斥候術)

(身体強化)


E 私服

E 魔道具・飛翔フライ

E 魔道具・加速アクセラレイト

E 魔道具・風壁ウィンドシールド

E 魔道具・ロックブラスト

魔道具・爆炎エクスプロージョン

魔道具・氷嵐ブリザード


ステータスポイント 残り 0

スキルポイント 残り 580

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