クリスマスのご褒美

Grisly

クリスマスのご褒美

12月25日。

プレゼントを配り終え、

家に帰って来た、サンタクロース。

「レベッカ、キャサリン、ビッキー

 入りなさい。」


普段、誰も招き入れない家の扉を開ける。

一般には知られていない、秘密の儀式。

通称「サンタへの捧げ物」







暖炉の前、思い出を語る。


「お前達とは、雪の中を走り回った。

 3年前の吹雪なんかすごかったな。

 

 だがもう、お前達とは走れない。

 ごめんな。今までありがとう。」


目には涙を浮かべている。

弱ったり、老いたりした個体が選ばれるのだ



気付いた人もいるだろう。

いかに空を飛べる魔法動物といえど、

その寿命は永遠ではない。


また、

魔法は決して無から生まれるものではなく、

毎年このようにして、

彼は来年の分の魔力を蓄えるのだ。



彼は祭壇に向かい、

その血を余すことなく飲み干した。

その後で、全身余すことなく平らげるのだ。






※皆さん、いかなる些細な幸せも、

 何かしらの犠牲によって

 成り立っているのだ。

 我々にできることはただ感謝のみ。

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クリスマスのご褒美 Grisly @grisly

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