『大輪祭』⑤ リフレイン

 ——その名は今や、全世界が知る悪名となった。


 半年前、湖畔世界フォーラルで発生した大氾濫スタンピード。その直接的なしい間接的原因とされる危険度5の魔物、ルンペルシュテルツヒェン。


 イノリとラルフは二度目。エトラヴァルトに至っては三度目の邂逅であり、その姿と腹立たしい嗤い声を間違えるはずもなかった。


 塵となって消える悪鬼を凝視しながら、ラルフが「ふざけんな」と呟いた。


「『庭園』に、いままで出現情報はなかったはずだ。なんで、今になって——」


「……すみません、エト様。さっきの魔物は一体?」


 悪鬼との交戦経験がないストラ並びにハルファたちの疑問に、エトは説明のために大きく深呼吸をした。


「ハルファたちは、名前くらいは聞いたことあるよな?」


「ああ。お前らが活躍したっつう『湖畔世界』の大氾濫スタンピードを引き起こしたって」


 伝聞では聞いたことがある。が、困惑気味に、申し訳なさそうにハルファが頬を掻いた。


「けど悪い、具体的な悪行とか、そういうのは全然知らねえんだ」


「ごめん、私も全然知らないわ」


「すみません、僕も」


「すまねえ、俺もさっぱりだ」


 ハルファの興味がなかった、というわけではないようで。彼ら四人全員、ストラも含めれば五人、ルンペルシュテルツヒェンに関わる情報を殆ど持っていなかった。


 魔物の危険性の割に周知されていない——そんな違和感を感じつつも、エトはつい先ほど切り裂いた悪鬼を忌々しげに見る。


「ルンペルシュテルツヒェン。欺瞞と偽証で悪意を振り撒く危険度5の魔物だ。アイツは、異界を利用する」


 よくわからない、とハルファが首を傾げた。


「異界の、利用?」


「早い話、大氾濫スタンピードを誘発する——ついでに異界主を偽証したりもする」


「なっ——そんなのクソやべえじゃねえか!!」


「ああ。クソやべえよ。そんで、そのやべえのがまだいる」


 エトは心底憎々しげに周囲を見渡す。


「ハルファ、視線は感じるか?」


「ああ、さっきからずっとこっちを観察されてる。ゾワゾワと気持ち悪い」


 二人を倣うようにイノリやラルフ、チカやグロンゾたちも辺りを見渡すが、二人ほど鋭敏な感覚を持ってない彼らでは大した把握はできなかった。


 チカが首筋に汗を垂らしながら問う。


「ねえ、これ地上に伝えるべきじゃない? さっきのやつ、ルンペル……その舌噛みそうな鬼がいたら、大氾濫スタンピードを起こされちゃうんでしょ? 一刻も早く伝えないと——」


「その点については問題ないかと」


 エトの背から降りたストラが自分たちを追従する小型カメラを指差してそう言った。


「わたしたちの現状はこのカメラを通して伝わっているはずです。仮に伝わっていないとすれば、それは異常事態。地上でもなんらかの対策が取られていると考えていいと思います」


 決して楽観視したわけではないストラの言葉にチカは「……そうね」と落ち着きを取り戻した。


「……ここは、大会のことは忘れて協力といかねえか?」


 そう提案したのはグロンゾだった。


「おま、何をっ! ………………いや、」


 仲間の提案に、ハルファは拳を握りしめ唇を噛み切るほどに悔しさを抑えて頷いた。


「……そう、だな。それが、一番いい。エトラヴァルト、頼めるか?」


 エトは即座に頷いた。


「勿論。イノリたちもそれでいいよな?」


「もちろん!」

「問題ありません」

「異議なし!」


 仲間の勢いの良い返事にニッと笑ったエトは、《英雄叙事オラトリオ》を限定解放。闘気で五感を最大限研ぎ澄ませた。


「行こうハルファ。視線の主は後回しにして、まずは異界主の討伐を最優先にする。他のパーティーとも合流したい」


「わかってる! ヴィトウ、チカは温存してくれ! 俺とグロンゾ、ラルフの三人で前線を貼る! エトラヴァルト、殿を頼んで良いか!?」


「元からそのつもりだ! 行くぞ!」


『おう!』


 エトの掛け声に背中を押されるようにして、皆、異界主が待つであろう最下層へ意識を向けた。


 ——ほんの僅か、全周への警戒が途切れる。それを、悪意は見逃さなかった。



 ——バキンッ! と、音を立てて。


 エトラヴァルトたちが背を向けた瞬間、その背後の

 破けた空間の向こうから、数えるのも億劫になる程の、空間を埋め尽くす無数の魔物が姿を表しエトラヴァルトたちへ殺到した。


『——は?』


 全員、噴出した莫大な気配と殺意の厚みに驚愕し、動きを止めた。


「——止まるな! 走れ!!」


 いの一番に叫んだのはハルファ。

 本能を刺激する狼人の檄に皆の意識が再起動し、本来の目的を思い出し駆け出した。


 ——ただ一人、エトラヴァルトを除いて。



「エトくん!?」


 殿と言うにはあまりにも離れすぎた——否、そもそもその場から一歩も動いていないエトの名を、イノリは悲鳴のように叫んだ。


 声が届いてないのか、意識を割けないのか。

 エトは眼前に迫る無数の、本来の『庭園』に出現する植物系及び蛮族系統の魔物たちとは死霊系統の魔物の大軍を凝視して、一歩たりとも動いていなかった。


「世界よ——っ!」


 イノリは、躊躇わず眼帯を取り払って左眼をひらいた。


「——私を置いていかないで!!」


 イノリの左眼に時針が浮かび上がり、擬似視界に映るあらゆる事象の時間が停滞する。


「づっ……!?」


 視界内の対象生命体があまりにも多いことで魔眼に過剰な負荷がかかり、ほんの数秒の解放だけでもイノリは脳に激痛を覚えた。


「……ぁ、エトくんっ!!」


 が、瞳は閉じない。

 同時に時間魔法で自身の肉体を加速させエトの身体に抱きついたイノリは、そのまま反転——左眼を閉じ、最大加速でラルフの元へ戻った。


「ラルフくんお願い!」


「わかった!! 走れ! にげるぞ!!」


 思わぬアクシデントに足を止めた7人は、イノリの視界が切れたことで再び世界に追いついた魔物の濁流からの逃走を図る。


「エトくん! ねえどうしたの!? 返事してよエトくん!!」


 イノリは走りながらラルフに背負われたエトに呼びかける。が、エトは両目をあらん限りに見開いたまま、わなわなと唇を震わせるだけで一向に反応を示さない。


「どうしちまったんだよエト!? お前、なんでこんなに震えて——」


「…………ネラ」


「待ってください! 何か話してます!」


 苦手な身体強化を必死に構築しながら走るストラの指摘に、ハルファたちも含めた全員がエトの言葉に耳を傾けた。


「なんで、アレが……あり得ない。アレは、ガルシアが……アルスが……!!」


「アルス、さん……?」


 その名前が引き金になったのか、ハッとエトの瞳が正気を取り戻した。


「……っ! 俺は、」


「正気に戻ったかエト! お前何があった!? 精神攻撃でも受けたのか!?」


「ら、るふ……わ、悪い! すぐに降りる!」


 降りようとするエトをラルフは無理矢理背負い直す。


「いい! このまま運ぶ! お前あり得ないほど震えてるぞ!!」


「エト様、一体どうしたのですか?」


 ストラの問いかけに、エトは振り返り——そして、


「——ぁ」


 短い悲鳴を漏らす。

 聞いたことのない弱々しいエトの声にイノリが驚いたように目を見開く。


「……大氾濫スタンピードだ。アレは」


 躊躇いなくそう断言する。

 ハルファが弱々しいエトに食ってかかるように怒鳴った。


「んなこたぁ見たらわかんだよ! どうしたってんだよエトラヴァルト!!」


「……違う。アレは、『庭園』の大氾濫スタンピードじゃない。アレは……あの、魔物は——ラドバネラの、魔物だ」


 ハルファが「はあ?」と唸った。


「ラドバネラ? どこだそれ」


 エトの来歴を知らないハルファたち四人の顔が疑問で塗りつぶされる。

 対極的に、イノリ、ラルフ、ストラの表情は驚愕に支配された。


「エトくん、何言って——」


「——嘘じゃない!!」


 それは、普段のエトからは想像も出来ない、弱りきった少年の叫びだった。


「——間違いない!! 忘れるわけがない! 見間違えるはずがない! アレは、アルスが命を賭けて止めた——ラドバネラを滅ぼした大氾濫スタンピードだ!!」


 困惑が加速する。

 状況が、魔物が彼らを待ってくれるわけがない。


 とうの昔に終わった筈の、別世界の、別の異界の大氾濫スタンピード


 あり得るはずのない再演に一同は戸惑い、エトはかつての地獄に肉体の震えを抑えられずにいた。




◆◆◆




 ——忘れる筈がない。

 一年半と少し前、リステルはラドバネラに戦争を仕掛けられた。そして、そのラドバネラは大氾濫スタンピードに背後を取られる形で滅び、地平線を埋め尽くす死霊の軍勢がリステルに大挙して押し寄せてきた。


 ……ああ。今思えば、『湖畔世界』の大氾濫スタンピードはまだ


 世界をひとつ喰らった異界の大氾濫スタンピードの脅威は未だ世界の一つも潰せていないそれとは比較にならないものだった。

 それでも、アルスはそれを止めた。


 大氾濫スタンピードの核となる異界主を討伐した俺はリステルじゃ若き英雄だなんて持て囃されたが、それは違う。真の英雄はアルスだ。

 俺はただ、彼女に託された一振りの剣で弱りきった異界主にトドメを刺しただけ。


 最後の最後まで、アルスの横に並び立てなかった。俺は、約束を守れなかった弱い人間だ。


 だから……




◆◆◆




 ——『庭園』第二十九層。

 二度の階層移動を経て死霊の軍勢は大きく縦に伸び、結果先頭を適度にことで一応の落ち着きを見せたタイミングで俺はラルフの背から降りた。


「……ごめん、迷惑かけた」


 俺はすぐに全員に向かって頭を下げた。

 横からハルファの声。


「なあエトラヴァルト、説明してくれ。なんだってお前はあんなに慌てたんだ?」


「…………」


 俺は思わず押し黙った。

 語るべきだ。この異常事態を前に、情報を出し渋ることに利はない。少しでも多くの視点を得るために、情報は共有するべきだ。……でも、


「……異界主を倒しても、この異変は解決しない可能性がある」


 俺は、肝心な部分を誤魔化して話す選択をした。“異変の解決”という最重要事項を敢えて強調することで意識をそちらへズラす——俺の考えを悟ったのか、ラルフが即座にこの話題に乗ってくれた。


「どういうことだ?」


「さっきの魔物の軍勢、『庭園』の魔物とは系統が明らかに異なってた。——原因が、異界主じゃない可能性がある」


 ハルファが口をあんぐりと開けた。


「なんじゃ、そりゃ——意味、わかんねえよ」


 異界の異変とは、大元を辿れば大体が異界主に辿り着く。異界主とは無関係の異変は、せいぜい変異個体イレギュラーくらいのもので。その変異個体イレギュラーすら、それなりの頻度で異界主に発生するのだから、異界の異変と異界主が無関係——そんなことはほぼないに等しいのだ。


 ハルファの困惑は当然のもの。ヴィトウやグロンゾが頭上に疑問符を浮かべるのは当たり前。

 だから、意外だったのは——


「ねえ、わたし……それ、心当たりあるかも」


 意外だったのは、俺すらわかっていない異変の元凶に、チカに心当たりがあったこと。


「思い出してみて欲しいんだけどさ。あの、ルン……」


「ルンペルシュテルツヒェン?」


「そう! その舌噛みそうな名前のやつが死んだ後、誰かソイツの魔石見た?」


『………………』」


 ——ない。

 思い返す限りの記憶——ラドバネラの大氾濫スタンピードにまで遡っても、俺たちはただの一度も、目の前で死んだ嗤う悪鬼ルンペルシュテルツヒェンの魔石を見たことがない。


 イノリが、無意識に思考を溢すように呟いた。


「偽証、されてた……?」


 即座にラルフが否定する。


「いや、見落としてただけだろ! だってあり得ねえよ、魔石がねえ魔物なんて!」


 それは常識や通常の法則が通用しない異界において絶対の制約。魔物は異界から魔力を受け取るために魔石というを有する。

 魔石は人類にとっての心臓に相違なく、心臓を欠いた状態での生存は不可能だ。


 ……だが、もしも。思考が前提から間違っていたとしたら。


 チカは、自分の羽を撫でる。


「わたし、これでも天使だからさ。多少はの術式を知ってるのよ。……で、さっきの魔物……ううん。あの鬼。退


 彼女は、つまり。


 ——使と、そう言っていた。


 そう提起したチカは、最下層への移動を急ごうと皆に呼びかけた。


「急ぎましょ。今必要なのは頭数なはずよ。どのみちあの分厚い魔物の壁を突破するには人数必要だもの!」


 ハルファが戸惑いながらも、事態を把握しきれていないという混乱を抱えながらも頷いた。


「……あ、ああ! おいエトラヴァルト! 俺は誤魔化されたわけじゃねえぞ! さっきの発言については後できっちり教えてもらうからな!!」


 そう言い残したハルファを先頭に、四人が先行する。


「……エトくん、大丈夫?」


「——ああ。もう平気だ。行こう、遅れるわけにはいかねえ」


「エト様……?」


 俺たちは、不思議と魔物が全く現れない二十九層以下を駆け抜け、最下層——三十二層に到達した。




◆◆◆




 ——やけに静かだ。


 エトラヴァルトたちは異界主の座す空間への道中、不気味なまでに静かな異界に違和感を覚えた。


 ラルフがげんなりとした様子で呟く。


「もう、おかしいことが普通になってきてて嫌だ」


 その発言には皆、大いに同調するところである。


 なぜか全く遭遇しなかった魔物。待ち受ける静寂の最下層——もう嫌な予感しかしないと、気を引き締めつつも「帰りたい」という思いが首をのぞかせていた。


 しかし、足は前に進み、八人はそのまま異界主が待つ最下層に足を踏み入れた。



「広……」


 それは誰の呟きか。


 最下層は豊かな緑に溢れたドーム状の広大な空間だった。

 一見して直径100Mはあると思われる平面に、高く高く伸びる緑の天井。

 発光する草木が真夏の昼間のように照らす空間の中央に、それはただ一輪、咲き誇っていた。


 ——異界主・アルラウネ。

 危険度6に分賦される、巨大な花と根、そして咲き誇る花弁の中央に座す人の形を模した雌しべ。

 催眠作用を有する花粉を散らし、アルラウネは新しい客人であるエトラヴァルトたちに視線を向けた。


 ハルファが唸り声をあげた。


「すぐに片付けんぞ! 全員! 戦闘体せ——」


『——キャハ!』


 つぼみが開き、


「…………、は?」


 それが誰の呟きなのか。少なくとも、男の声であったとエトラヴァルトは記憶している。


 一枚の花弁は、恍惚とした表情で笑うクリス。

 一枚の花弁は、蕩然としたリンクス。

 一枚の花弁は、穏やかに眠るフェイ。


 共に大会で競っていた“水平線”のパーティーの無惨な姿に、全員が瞠目した。


「なんだよ、ありゃあ……」


 グロンゾは絶句し、その先の言葉も、思考も紡げなかった。

 イノリは、酒場で共に語らったリンクスのなれの果てを見て表情を引き攣らせる。


「リンクスさん……!?」


 チカは、記録にない異形のアルラウネに悲鳴を叫んだ。


「何よあれ!? あんなの、アルラウネじゃないわ!!」


 死した冒険者を自分の花弁とすげ替える——そんな機能をアルラウネは有していない。チカは、見たことも、聞いたこともなかった。


「アイツは、死んだ冒険者を精々養分にする程度で——ひっ!?」


『キャハハ!』


 ——もちろん、それも出来ますよ?


 そうとでも言いたげに、チカの言葉に反応するようにアルラウネが根を一本大地から引き抜いた。

 そこには、五人の大会参加者の生首が芋のように陳列されていた。


「あんな、惨い……」


 冒涜的な光景にヴィトウが吐き気を催し両手で口を押さえた。


『キャハ、キャハハ!』


 花が開く。死した冒険者の肢体が揺れる。


 根が踊る。切り落とされた生首の、まだ残っている歯がカスタネットのように音を奏でる。


 茎が震える。骨と肉で太く丈夫になった茎に支えられた雌しべの女体がしなやかに身をくねらせる。

 


 先行していた4パーティー、16名の死体をアクセサリーのように纏い、見せびらかし。

 最早アルラウネでもなんでもない化け物は本来の花弁を揺らし嗤うように踊る。


『キャハハハハハッ!』


 刹那——グリン! とアルラウネの雌しべの首が捩じ切れんばかりに回転し、その視界にストラを捉えた。


 ——その、目が


「……え?」


 目を合わせた、ただそれだけで。

 ストラの鼻先の空間が捻じ曲がり——


「エルレンシアーーーーーッ!!」


 その視界を遮るように割って入ったエトが夜天の鎧纏う黒髪の女性、エルレンシアの姿となってエストックを振り抜いた。

 燃え盛る炎が壁となって視界を阻む、その直後。


 ——バギャッ! と凄絶な音を立てて炎の渦巻いていた空間そのものがひしゃげた。


『なっ——!?』


 全員、現象のわけがわからず驚愕に身を強張らせた。


「ストラ、怪我は——っ!?」


 エトが振り向いた真後ろで、ストラの鼻の前半分が潰れていた。


「ストラちゃん!?」


 イノリの悲鳴にストラは首を横に振った。


「だい゛、じょう゛ぶ……でず!」


 患部を抑え、激痛に耐えて気丈に振る舞うストラは、杖で前方を——アルラウネとは似ても似つかない化け物を指した。


「ア゛イ゛ヅを゛——!」


「任せろ! 全員散開!!」


 エトの鋭い指示を受け、硬直していた全員が背中を叩かれたように八方に散らばった。

 唯一動けないストラを守るようにその場に残ったエトが叫ぶ。


「全員、アレと目を合わせるな! 遮蔽を常に意識しろ!!」


 魔物が異形である以上、魔石の位置が判然としない——いや、そもそも魔石が存在しないかもしれない。そんな思考がよぎったエトは単純明快か指示を飛ばした。


「片っ端からぶった斬れ!」


『了解!!』


 散り散りになった皆が一斉に化け物へ照準を定める。


「——『突き崩す怒天の岩礁』!」


 エトラヴァルトもストラを守るように四方の大地で囲い込み、一歩、踏み出す。


 異形の怪物が、『——キャハ』と挑発的に嗤った。




◆◆◆



 ——『狂花騒樹の庭園』、異常事態継続。大氾濫スタンピードの兆候なし。


 ——通信状況、未だ改善の目処立たず。


 ——“夜薙ぎの翼”、現在『庭園』第14層踏破中。


 ——討伐対象・危険度不明『冒険者混成体キメラ・シーカー

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