# Ⅱ snowdrop
スノードロップの花言葉▶︎「希望」
✧︎ ✧︎ ✧︎
’’あなたの夢は?’’
僕の夢...か。
最近そのことについて考えることが少なくなっていたな。
昔だったら、即答で「アイドルになりたい」と答えるだろう。
しかし今は、なぜあんなものに興味が湧いたのかすらも分からない。
「もう...願うことも……」
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一方で、少女の姿をした少年は非常に焦っていた。
「あの人手紙捨ててないよね...」
捨てていい、とはいったものの、もし本当に捨ててしまったら...教師として
やはり嫌な予感しかしない。
少年は急いで引き返す。
✧︎ ✧︎ ✧︎
ただ、「アイドルになりたい」だとか「有名になりたい」だとか…僕の夢はそうゆうことではないんだ。
僕の理想のアイドルは違った。言ってしまえば、合わなかったんだ。
夢を見るだけでは、それを現実にすることは無理だってこと。それを1番知っているのは僕なのに。
それでもいいから…もう一度やり直したい。
きっと“俺”なら出来る。
だから、
_____“僕”は演じる
そのとき、俺の手の上で静かに待っていた白いカードが煌びやかな青に染まった。
【あなたの夢は?】と書かれた文字も、学生証という文字に書き換えられている。
同時に、扉が大きな音を立て、閉まっていた閉塞的な空間は一瞬にて開かれた。
✧︎ ✧︎ ✧︎
「っはぁ…!君……」
息を切らし、扉の前に現れた少年は、俺の手に握られたカードを見て安堵したような表情を浮かべる。
そして小さく、「よかった」と言ったのが微かに聞こえた。
「…無駄に走ってしまった。さっき口にした珈琲も、もうボクの胃には残っていないのか…?
この人間は一体何を言っているんだ…?
俺を心配したいのかそれとも興味が無いのか。
どちらにせよ俺には関係の無いことか。と1人で納得した。
「来て間もないが、ボクには時間がないんだ。また時が来たら会うと思うよ、君が夢を諦めない限り。」
まさか、また決め台詞を残して消えるのか…?!
「まってください!この生徒証ってなんですか!?それから貴方のお名前を…!」
流石に聞きたいことが山ほどある俺は思い切って少年を引き止めようとした
しかし、少年には届かなかったようだった。
どうすることもできない俺は、少年の言う時が来るのを待つことにした。
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